(posted on Aug 22, 2006)
(updated on Feb 18, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F103GT・RCTチューン(2)





ダンパーについては、キット標準はあまりに機能が貧弱でバネの設定も良くないので、 走りを良くしたければ、ぜひ一般的なオイルダンパーに変更したいところです。

F103GTから始めた人や、手元に余っているダンパーがない方なら、 op.901「TRF スペシャルダンパー(F103GT)」(税別2000円)がムダがなくていいと思います。 付属しているバネは白いですが、コレは前年11月のタミヤフェアで登場した催事限定の白い op.440「オンロード仕様ハードスプリング」と同じことで、op.440のソフト(本来は赤)を白く仕上げたモノのようです。 バネレート的にも、このへんが無難なので、多分そうだと思います(巻き数と線径を測れば分かることです)。 なお、ピストンは3穴、オイルは400番というF103系の定番セッティング。以後の説明も、 よほど特別なことがない限り「3穴400番」がRCTチューンの「お約束」ということでヨロシク。
F103GTのダンパーは、TRFダンパーでもCVAダンパーでも、余りモノがあるなら、まずはそれを使えばいいです。 F103GTでは、1200gの車重から発生するピッチングモーメントを基本的に1本のダンパーで受けており、 ツーリングカーに比べて入力が相対的にかなり大きいので、 ピストン動作が渋くても影響が出にくいのです。バネも、ツーリングカーのように あーだこーだと頻繁に変更する必要はなく、良いバランスが出たら、 基本的に「決め打ち」にして大丈夫です。普段は手をつける必要はまずありません。 もともとダンパーに多くを依存していないので、バネやオイルを変えても大きな変化が出にくいんです。

というわけで作例では、1/8エンジンカー TGR用のローフリクションダンパー(内部が鏡面仕上げでない)を採用。 理由は、「タミヤ唯一の真正ブラックアルマイトだから」。極めて個人的趣味として、 青とか赤とか、あんまりチャラチャラしたくないので(黄色いホイールは別!)
実はこのダンパーシリンダー、ツーリングカー用にと 2000年にカスタマーサービスから まとめ買いしてあったのですが、前後してTRFダンパーが出てしまったので、 結局デッドストックになっていたのでした。6年経ってようやく陽の目を見たと(笑)。

今回、新しく組むに当たって、最適なリバウンド量を得るためのダンパー長さが読めなかったので、 対応の幅を広げるために、ボールエンド部品をちょっと加工。ピストンシャフトのネジをピロボールの手前ギリギリ までネジ込めるように2.6mmのピンバイスで穴開け。これでピストンシャフトの伸び量を通常より 2mm程度余計に調整できるようになります。わずか2mmですが、テコの原理で動作量が増幅されるため、 ホイール部の上下作動量としては8mm前後くらい違ってくるので、大違いです。
インナースペーサーはOリング3個。測ったことありませんが、6.5mmくらいになるのでしょうか。 確かプラ製で6mm厚のスペーサーがあったはずですが、プラ製とコンマ数ミリ違うという、この微妙な差が、 結構効いてきます。先述のとおり、テコの原理が働くためです。衝撃を和らげる効果も期待できるので、ピストンの インナースペーサーには昔から好んでOリングを使っています。Oリングはシリコンオイル含浸で膨張しますが、 硬度が高い黒いタイプであれば、気になるような影響はありません。

ダンパーシャフトは、黒の塗装なのでCVAスーパーミニ用です。 オイル量に影響するインナースペーサーを減らしたくて選びました。 銀色やフッ素コートのダンパーシャフト使用時はインナースペーサー量に注意。 ダンパー長は60.0mmでしたが、これだとリバウンドストロークが若干不足気味でリヤグリップの抜けが 出るので、後日、61.5mmに伸ばしています。
F1と違ってF103GTの場合、リバウンドストロークを ツーリングカーと同様に3mmとかに設定してやったほうが、もうひと曲がり欲しいところでリヤが変にネバらず、 旋回性が良いように感じます。


アウタースペーサーは、とりあえず無難な線として2mmをチョイスしておきましたが、後日、徐々に増やして3〜4mmの線で試行錯誤中です。 バネは、F-1仕様のF103ではTA-01/02のラリー仕様のソフトバネを愛用していたのですが、F103GTでは重量が200g増えているので、 これに見合った硬めのバネが必要です。写真ではop.440の黄(ミディアム)をチョイスしていますが、さすがにコレは 硬すぎました。

いろいろ試した結果、op.440は全体的に硬すぎるようで、 op.163「オンロードスプリングセット(四駆・FF)」の青(ハード)に落ち着いています。これはどちらかというと 高グリップ路面向けのセッティングで、カレスト座間のような仮設コースでは赤(ソフト)〜黄(ミディアム)のほうが 良さそうなんですが、大差ないし、昔、黒く染めたバネが手元に残ってたということで、「何となく」ハードを採用。 見た目は大事ですから(笑)。←まだモーターポッド回りが黒くできてませんが・・・
サーボについては紆余曲折がありました。速度や実売価格が手ごろな、フタバのデジタルサーボにすることは決めていたのですが、 機種については9451(フルサイズ)、9550(ローハイト)、9650(ミニ)と各種ありますから、どうしようかと。 フロント荷重が小さいので、性能的には9650でも問題ありません。しかし、 「サーボはキット指定の通り純正サーボマウント部品を使ってタテ積みのこと」 というF103GTに関するタミヤGP規定を読む限り、9650という選択はかなり無理があります。

従来のF103では、 取り説を無視して、サーボを両面テープでヨコ積みするのはOKでした。これなら9650をすんなり使えます。 10年前のミニサーボに比べれば、トルクも1.5倍くらいに増強されていますし、まったく不安はありません。 ローカルレースならばぜひ9650をチョイスしたいところです。
9650を両面テープでヨコ積みする場合、サーボセーバーのスプリングのリブがシャシー板に干渉するので、 このように切り落としておくと良いです。リブが付いていないソフトタイプの樹脂スプリング部品の上に、 sp.1000ハイトルクサーボセーバーのリングスプリングを被せてもいいですが、 これだと余計にコストがかさみますので念のため。
タミヤGP規定に従って、9650をキット付属のサーボマウントを使って立てて積もうとすると、 出力軸をセンターに置くために、標準サーボとの厚みの差を吸収する方策が必要になります。 通常はプラバン等のスペーサーで「すき間を埋める」わけでしょうが、無意味に重くなるし、 第一、非常にカッコ悪いです。シャシーへの穴あけも禁止ですから、サーボステー立てるわけにもいかないし。
結局、作例では、フルサイズより軽量に仕上がる、ローハイトのS9550サーボをチョイス。 「タテ積み」という表現についての規定の最終的な解釈は現場で確認するとして、 「コレで車検通るといいな〜」という淡い期待を持ちつつ、 ローハイトサーボのメリットをフルに活かして、見た目にもスマートなメカ積み例を示してみました。どうですか?
サーボ脇の金色のモノは、バランスウエイトとして使用しているコインです。 ちょうど500円玉くらいの大きさですが、価値としてはもっと低いです。カナダの1ドルと米国50セントなんで、いずれも 100円未満(笑)。搭載場所はまだ暫定仕様なので、勘弁してください。 最終的には、鉛シートをフロントバンパーステーに埋め込もうと考えていますが、 ボディが変われば前後の重量配分も変わるので、まだ様子見です。ただ、F103は 基本設計が古いので、バッテリー重量が設計時点より100g近くも重くなってしまった現在、基本的に 重心がリヤに寄り過ぎで、 これがステアリング特性にも悪影響を及ぼしていますので、何らかの対策が欲しいところです。

サーボは差し当たり、軽量化と接着の歪み排除を狙って「片持ち」で保持しています。 キット指定とは異なりますが、「パーツの省略」ということで 「片持ち」はOKです。理想的な固定方法ではないですが。
両側から保持するF103GT標準の組み方は善し悪しで、ちゃんと組めれば理想的なんですが、実際に両側の両面テープを 歪みなしに一発で均等に貼るのは、案外難しいんじゃないかと思います。左右の接合面が互いに干渉するような 貼り方になっていいのかどうか。片持ちならば、そうした影響は排除できます。反面、片持ちだと、サーボステーが シャシーに取り付く部分の捩れ強度に左右で偏りが出ますから、その意味では難点があります。接着は片面にして、 サーボステーは左右ともシャシーに組み付けておいたほうが、左右の捩れ強度を均等化する意味ではいいですね。 なお、作例では、 サーボ底面にも両面テープを貼っておいてからサーボステーに接着し(テープ厚み分だけ浮かしてサーボを貼った、ということ)、 シャシー組み付け時に裏紙を剥がしてサーボ底面を接着しながらネジ止めし、接合強度を高めています。
しかしながら、結局、上のレイアウトはあえなく当日朝の車検で却下!でした。残念!まぁいいんですが。
(そんなわけで皆さんタミグラではマネしないように!)

仕方なく、次善の策として、通常通りの組み方にしました。コレだと、サーボのミミを切り落としてしまうんで、 他のシャシーへの使い回しができなくなるという意味でちょっと痛いんですけど・・・。

ローハイトサーボを立てて使うと、なんだかミョーですよね。フルサイズサーボよりも軽く仕上がるとはいえ・・・。

自分に十分な財力ができたら、 F103に最適化した、「進行方向に出力軸を持つ、標準幅のローハイトサーボ」なんてのを作ってみたいな、なんて 思ってしまいます。別にタミグラに限りませんが、車体設計に合わせて最適化されたRCメカをプロデュースする、っていうのは まだ誰もやっていないことなので、ぜひ手がけてみたいですね。商業ベースに乗りっこないようなモノを作るのって、楽しいですよね。 まぁそれがサーボとかアンプとかの話になってくると、資金的にエラい事になるのは間違いないんですが・・・。
サーボをタテ積みにすると、サーボホーンの動作方向の関係で、バンプステアについては問題が出にくいですね。 上の写真はニュートラルの状態、左はステアを左に切った状態です。ロールしていないのでアップライト位置が 変わっていませんが、実際には右アップライトはロールして上に動きますから、そうするとステアリングロッドの角度は 上写真とほとんど変わらなくなってきます。つまりバンプステアしない、ということです。むしろ、ステアリングロッドに 強い上反角が付いている関係で、若干、バンプアウトします。このため、 ステアの切り始めの反応はマイルドで操縦しやすいです。だからと言って、スポンジタイヤのF-1みたいに、 振り回すような運転をすると、 ゴムタイヤはスリップアングルの許容幅が狭いので、てきめんにグリップダウンしてタイム出ません。気を付けましょう。
サーボをタテ積みした際の不具合としては、サーボロッドのサーボマウント部品との干渉がありました(サーボマウントを削って対処)。 これはサーボホーンを大きいほうにしているためでしょう。小さいほうならこのような干渉は起こりませんが、 舵角が足りなくなってしまいます。筆者は、トルクよりも速度とサーボ動作角の抑制を重視したいので、大きいほうの サーボホーンを好んで使いますが、このような問題が出たのは初めてです。まぁF-1シャシーではいつもサーボはヨコ積みでしたからね。

サーボホーンを大きいほうにすると、サーボロッドがサーボケースにも引っ掛かる場合がありますので要注意。 ロッド先端をちょっと削れば解決します。作例では自然にケースが擦れて馴染むのに任せており、あえて削っていません。
ところで、なぜoptでターンバックルがあるのに、キット純正のヤワなサーボロッドを使っているのか? という点について ご説明しておきます。実は、サーボの配置(ロッドの取り出し角度)によっては、 キット純正を使ったほうがステアリングのガタが少なくなるのです(ロッドが穴に対して突っ張るため)。 軽量化メリットやサーボセーバーの補完的役割もあります。
ボールリンクのガタ取りとしては、瞬間接着剤をサッと流し込んでガタを取る方法も知られていますが、 筆者は面倒なのでやっていません。ターンバックルにガタがあっても、直進性に影響するほどのものではありませんし、 従来のF1では、筆者はずっとターンバックルを使っていたのですが、F103用のキット標準サーボロッドがたくさん余ってるし、 ということもあって、差し当たりF103GTではキット標準ロッドを使うことにしたのです。「その程度の話」ですので、お好みで 選ばれたらいいと思います。




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