(posted on Aug 21, 2006)
(updated on Jan 26, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
<モバイル版> <PC版>
powered by Amazon



F103GT・RCTチューン


ひととおりキット素組み状態をご紹介した後は、
いつものとおり、ふぇら〜り伊藤による
タミヤGP規定準拠のメカ積み&チューニング例をご紹介します。



ギヤ比一覧表クラージュLC70(RCTチューン'07)

今回の作例は、06年6月25日にカレスト座間で開催されたタミヤGP・DDツーリングクラスに出走するために 準備したものです。関東でのDDツーリングは、4月のカレスト以来これが2度目の開催になります(翌7月には ROX3でも初のDDツーリングが開催されました)。

06年8月のクラージュLC70発売やoptの展開次第で、今後レギュが変わるかも知れないので、 当日の規定を念のためメモしておくと、@スバルレガシィおよびGPカー用を除くタミヤ製190mm幅 ツーリングカーボディなら何でもOK、A車重1200g、Bバッテリーはタミヤ製2400ザップドまでOK、 Cモーターは540SHまたは540J、Dギヤ比は14/70T(キット標準)または04モジュールの21/104Tで固定、E タイヤはスーパースリック+ナロー用インナー各種+Mナローホイール各種の組み合わせで選択、といったところです。
まずボディですが、今回は懐かしの?360モデナ軽量ボディをチョイスしました。 単に、塗った後使う機会がなくて困ってたモノがあっただけなんですが・・・。07年から「本家」の スポンサー変更が決定しており、カラーリングが変わるんで、早めに使っとかないと・・・と いうヤボな都合もあるんですが、真面目な理由ももちろんあります。100gで仕上がる本当の「軽量ボディ」が 現行のタミヤのラインアップにはなくなってしまったので、仕方なく古いボディを引っ張りだしてきたのです。 車重1200gの軽量シャシーでタイヤより高い部分の重量が25gも違うのって、メチャ大きいですからね! ある意味、「ズルい」話なので、そのうち禁止になっちゃうかも知れませんし、使えるうちに早いトコ使っちゃえ、と。
クラージュLC70が出てしまうと、ボディは事実上クラージュのワンメイクになりそうですしね・・・。
マウント穴は当然に「塗った後」から開け直していますが、ちょうどリヤウインドウ部分なので位置決めは簡単。

ボディは、リヤを1段階上げて前傾にマウントしています。430でも同じです。 フロントのダウンフォースが少なめで、リヤにもリフトが発生するボディなので、このようにすることで ダウンフォースのバランスを適切な状態に修正しているのです。リヤウイングの仰角も増えるし。

お気付きかも知れませんが、今回は「アンテナが立っています」(笑)。そう、今回からタミヤGPの「参加のしおり」に 「アンテナはボディ外に出るよう立ててください」と明記されたので、従ったまでです。しかし、 受信機アンテナはモデルチェンジのたびに短くなる傾向なので、そのうち、ボディの外に出せなくなっちゃったら、 どうするんだろ・・・まぁ数年後の話ですが。
アンテナ立ててはみたものの、「結果」は残念なことに最悪でした。 筆者が現在愛用しているKOマーズRの純正セットということで、 KOのKR-301F受信機をあえて使用したのですが、コレが実はタミヤ支給の新型AMBトランスポンダーとの相性が最悪で (後で教わりました、トホホ)、結局、予選は2ヒートとも1周もできずリタイヤ(ただし決勝は雨で中止)。 練習走行では快走していたので、TQ争いができると大いに期待していたんですが・・・。残念!!

まぁ、アンテナ立てても立てなくても、ちゃんと受信してれば問題ないし、ノーコン食らうときは食らうんだっていう 筆者のかねてからの主張が図らずも実証された格好ですけど・・・。タミグラ以外のレースに出なくなって久しく、 「AMBと受信機の相性」について日頃チェックする機会がないので、コレは盲点でした。KR-301FではAMBマイポンダーでも 同様の問題が出るそうです。差し当たり、送信機はコンパクトなマーズRを使い続けたいのですが、 受信機は「純正」にコダわってるとレースできないので、割り切って、信頼できる他社製に変更しないとダメですね。
ところで上の写真、ツーリングカーに見慣れてしまうと車高がエラく低く見えますよね? DD・F1シャシーの場合、路面にもよりますが、小石のない一般的なサーキット路面であれば車高は2mmもあれば十分、 5mmじゃ多過ぎ、という感じです。F103GTの場合は、 車重がF103より200g重い点を考慮して1mmくらい余計に車高を取るべき(つまり3mm強欲しい)ですし、 そもそもデフォルト設定以外に車高は ほとんどイジれませんから、あんまり議論の余地ないんですが・・・。

上から覗いた状態でみると、トレッドの狭さが目立ちます。F1仕様では全幅200mmですが、 GT仕様だと190mmボディが収まるように、キット標準のオフ0mmホイールで全幅182mm(公称)しかありませんから。




さてそれでは、今回のチューニングに際して使用したoptパーツ類を順にご紹介しておきます。 opt入手の参考にしていただければ。



冒頭からいきなり、「入手困難パーツ」の代表格を掲げるのは大変心苦しいのですが、 F103のチューンでどうしても外せないのがカーボンシャフト。 具体的なタミヤ純正品としては、op.116「RD 6mmカーボンリヤーシャフト」もしくは 1995年前後にモデラーズギャラリーで催事限定販売された中空カーボンシャフトがあります。 F103GT用optとして出し直す予定はあるようなのですが、まだ出ていません。早く出るといいですね。
op.116に換装することで、シャフト重量はノーマルの28g(カタログスペックとしては27g)→7gと 劇的な軽量化が簡単に実現します。中空シャフトならさらに3g軽くなります(クラッシュに弱いのでお奨めしませんが)ただでさえバッテリーの重量増で設計当時と比べ相当リヤヘビーになっているので、前後のグリップバランスを 適正に戻すためにも、 リヤ回りの 軽量化は必須。回転部分なので加減速にも効き、累積的な加速度の差がストレートでの速度差にも表れます。 単に車重だけの問題ではないのです。

そもそも、単品で20gも軽量化できる部分なんて他にはありません。車重を1g削る苦労を考えたら、誰だってカーボンシャフトを 入れたくなるハズです。入手困難だと、なんだかアンフェアなので、一刻も早い再販が望まれます。
F103GT用のオフィシャルなoptアルミモーターマウントは、op.902「F103GT アルミモーターマウント(車高調整式・ブルー)」 なのですが、作例では手持ちの op.277を使用しました。op.902とop.277は単なる「色違い」なので当然タミヤGPでもOKです。定価は後から出たop.902のほうが 200円ほど安くなっています。ちょっと嬉しいですね。なぜかAmazonでは扱ってませんが・・・。

F103GTはF-1仕様のF103より重量が2割も重くなるうえ、10年前に比べるとバッテリーもアンプも性能が大幅に向上しているため、 モーターが同じ540Jであっても、発熱量は10年前より大幅に増えています。昔は「軽量化」を優先してモーターマウントは 樹脂製のまま、という選択がアリでしたが、今では絶対ダメ!です。モーターが本当に焼き付いてしまいます。 キット組む時点から無条件にアルミモーターマウントにしておくべきです。
モーターマウントのアルミ化だけでは全然冷却が足りないので、暫定的にTB-01用のoptのヒートシンクを追加してみました。

何も対策しないと、走行中にズレてシャフトに擦れてしまうのでひと工夫が必要ですし、サイズ的にはもっと大きく したいので、最近出たTB-Tvo5用なんかがいいかも知れません。ギヤボックス側のヒートシンクが当たる部分を ちょっと削るとかしないとダメかもですが・・・。
キット紹介の3ページ目でも触れておきましたが、Tバーは板厚1.3mmの op.169「フォーミュラ・ソフトTバーセット」に変更しています。ノーマルTバーで調子がいい方もまれにいらっしゃるのですが、 基本的に、op.169のほうがリヤのグリップ限界が上がりますし、540パワーであれば車重1200gとはいってもTバーが妙なヨレ方をする 心配も少ないので。とにかく、リヤグリップを稼がないことには、フロントグリップを上げることもできず、 結果としてコーナリング速度を上げられませんから。リヤグリップ向上は何よりも重要です。
キット紹介の4ページ目でも触れたとおり、 キット標準のインナースポンジ ( op.156) に代えて、 op.113「レーシングラジアル・スリックインナースポンジセット」を使用。確実にグリップレベルがアップします。 タミヤGPに出るなら、インナーは絶対にカットなどの加工をしないように。 レース後の車検で抜き打ち検査されて後ろ指を指されたくなければ、清く無加工で。実は全然走りには関係ないです。

06年8月までの時点で、タミヤGPでのF103GT(DDツーリング)クラスでは、スーパースリックタイヤが指定タイヤとなっています。 ですからグリップを稼ぐには、ひたすらインナーを柔らかくするしかありません。 キット標準のop.156より柔らかいインナーはop.113しか存在しないので、極めて単純にコレに決まってしまうわけです。
作例では、前後ともにスーパースリック+op.113の組み合わせを採用しています。 「最も食うタイヤ」を前提にセッティングを進めるのが「最速への王道」だからです。540パワーであれば 前後とも同じコンパウンドでバランス良く走れることは、F-1のF103で長年経験していたことでもあります。 「前後のインナーを変えてグリップバランスを調整する」という考えは、現状のタミヤGP規定では不要です。 もっとパワーが上がったり、ミディアムナロータイヤを使うとしたら話は全然違いますが・・・。
作例では、 op.394「F103LM カーボンアッパーデッキ」を採用してみました(もちろんタミグラOKです)。 op.394はF103GTの発売と前後して入手困難になりましたが、以前にF103LMをヤリ込んでた方ならお持ちでしょう。
このアッパーデッキ、ご覧のとおり、 通常のF103用カーボンアッパーデッキ(op.147)でも別体となっているダンパーマウントまで 一体化されている点が最大のウリです。これによって、ダンパーの取付位置を、3mm程度だと思いますが、下げることができます。 さらに作例では、TA-05で採用されたローハイトのピロボールも使用し、さらに1mm程度取り付け高を下げています。 ダンパーを極力、前下がりに取り付けて、プログレッシブ特性の付与を狙ったものです。 従来はフリクションプレート側の取付位置を上げて同様の効果を得ていましたが、 それだと重心が上がってしまうので。

このほか、見た目がスッキリするのも好感度大です。メインシャシーをoptのカーボン製に交換すれば、ノーマルのアッパーデッキがなくても 十分なシャシー剛性は得られますから、アッパーにop.394が使えます。





このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています