last updated 2/24/2017
タミヤRC製品・即買いカタログ
<モバイル版> <PC版>
powered by Amazon

RC Car Trend バッテリー研究室


<これまでの成果> BBSはこちら!

はじめに:測定方法について(June 25, 2004)
その1:詳報!タミヤRC3600HV(June 29, 2004)
その2:速報!Intellect3600ストレートパック(Dec 26, 2004)
その3:ミニッツ用単四バッテリーチェック!(Mar 8, 2005)
その4:徹底分析!タミヤ3700HV(May 16, 2007)
その5:タムテックギヤ純正パックをチェック!(Jan 19, 2007)
その6:タミヤ1600SPをチェック!(Sep 13, 2006)
 ※1600SPの実走インプレは こちら


<研究室オープン以前の性能評価レポート>

RC3300-GJ(02年10月製)
RC3000MH-EK(00年11月製)
RC2400SPザップド-HB(03年2月製)
RC2400SP-FB(01年2月製)(青パック=ノンザップ)
RC1400SP-DH(99年9月製)
1300カスタムパック


<おまけ:RC用バッテリーの事いろいろ>

<歴史コーナー>
タミヤバッテリーパックの歴史(準備中)


<ウンチクいろいろ>
(01)安定化電源の質は充電にどう影響しているか?

 *** 厳選BBS過去ログ集 *** BBSはこちら!
Ni-CdとNi-MHの内部反応の違いとその帰結
放電レートとバッテリーへのダメージ
最新版「過放電」の実態と対策
自己放電について:
追い充について:
メモリー効果とリフレッシュ放電:
バラセルについて:
バラセルとストレートパックの違い
ザッピング処理とは?
ザッピングの効果
フレックス充電とは?
トリクル充電とは?
キャパシタについて:

充電式単三セル概論
鉛蓄電池(カーバッテリー)の取り扱い
リチウム系セル概説
定格容量(放電容量)と充電時間(充電量)の関係
温度による充電カット設定の考え方
長期保存したNi-MH電池の充電中の大幅な電圧降下
RC3600HVの充電中の温度変化
タミヤ・オートディスチャージャーについて:
放電レート設定の考え方
モーター消費電力とバッテリーの関係
新品バッテリーと使い込んだバッテリーの違い
充放電のインターバル
バッテリーの生死判定
バッテリーの液漏れ
充電コネクターの抵抗による擬似デルタピーク
タミヤバッテリーパックの重量一覧


<バッテリーに関する参考資料>

(1)RCTで使っているバッテリーテスト用データシート(2002.10.25公開)
(2)RCTで使っているグラフ作成用Excelデータ(2004.6.25公開)
(3)主な金属の導電率
(4)導電率についての解説
(5)Wikipedia「リチウムイオン二次電池」


電動RCのパーツのなかで、最も謎に満ちた、最も「生き物」に近いものはナニ?と言えば、誰もが「バッテリー」と答えるでしょう。それほど、バッテリーというのは、電動RCの有史以来最も親しまれているにもかかわらず、いまだもって科学的に100%解明されているとは言い難い、取り扱いの難しさを抱えています。

そもそも電池というのは、「密閉された容器内での化学反応」によって電気を取り出しているわけですから、中で何が起きているのか、直接観察が不可能です。だからこそ現象分析が難しいわけです。電池メーカーですら、内部反応の可視化技術が実用化されたのは1996〜8年頃からですから、まだまだその分析レベルは不十分であり、分からないことも多いのです。

裏返して考えると、実はメーカーの技術者連中は、何億円もかけて電池の研究を日夜やっているにもかかわらず、RCレースのような「限界的に過酷な使用条件」での電池の振る舞いについては意外に何も知らない、ということなんです(そんな保証対象外のこと調べても商売になりませんからある意味当然です)。そして、時としてRCユーザーが経験的に得た知見が、実験室での限られた条件における試験結果をしのぐ知見をもたらすことがあります。その歴史的な代表例が「ザッピング処理」です。完成された電池に高電圧をかけて内部の電極をを意図的に破砕するこの処理、もともと電池メーカーからすれば、ナンセンス極まりないアイデアでした。しかし、それが実際に有効で、電池の性能アップに必要不可欠な技術であることは、1995年頃のドイツGM社による特許取得(GM-VIS)によって広く認知されることとなり、以後、様々なメーカーが独自の「ハイボルテージ処理」を編み出し、広く普及しています。

このような例は他にもたくさんあります。例えば2003年頃から広まった「デッドショート保存」というのがあります。メモリー効果の100%排除を目的に、0Vまで放電させた電池をショートさせた状態で保管するわけですが、これもまた、究極のバッテリー性能を求めようと血のにじむ思いで努力している先端的なユーザーが、メーカー技術者の「常識」を見事に覆した好例です。ともすると私たちは、「メーカーの技術者はすべてを知っている」と思い込み、メーカーの指定どおりに扱わないとダメだと思い込みがちです。しかし、ことバッテリーに限っては、ユーザーが自らのリスクにおいて、メーカー側の人間が思いもよらないような自由な着想に基づいて独自の研究を手がける余地が、まだまだたくさん残されている、と言えそうです。

当研究室では、このような認識に立ち、「常識」にチャレンジしてバッテリーの謎を探求していきます。ただ、現時点でのRCTにおいては、あくまでも「タミヤGP」が最重要テーマですから、バッテリーパックの改造は禁止されており、デッドショートやザッピングといったテーマは無意味です。したがって、こういったテーマについては将来の課題としておきます。興味がないわけではないので。当面は、もっぱらパックバッテリー固有の問題に焦点を当てて検討していく方針です。

また、当研究室では、モーター研究室と同様、「科学性」「標準化」というキーワードを特に重視して、コンテンツをアップしていきます。再現性のない情報は議論する価値に乏しい、と考えるからです。当研究室が提示する条件どおりに追試すれば、どこでも誰でも同じような結果が得られることこそが、最も重要なのです。このことは、単にバッテリー試験の効率化だけに寄与するのではなく、実走行の場面でも、局面ごとに適切なパラメータを当てはめることにより、いつでもバッテリーをベストコンディションで使いこなすことに役立つはずです。当研究室が得たのと同じ体験を世界中のRCフリークの皆さんが「追体験」することによって、バッテリーに関するRCユーザーの知識レベルが底上げされ、さらにより次元の高い研究成果につながれば、これこそ当研究室の望むところです。



このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています