RC Car Trend Vol.17------------------------------------ 2000/03/06

〜 Contents 〜

1.レースレポート:タミヤGP東京大会・ルマンクラス
2.新サイト紹介:www.rccarsyellowpage.com
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(編集長からお詫び)
RCT本誌の発行が大幅に延びてしまい申し訳ございませんでした。
かなり間延びしたレポートですが、昨年秋の本誌V7大塚のレースレポートをお届けします。
ご参考になれば幸いです。

1.タミヤグランプリ東京大会(99年11月28日開催)・ルマンクラス
   by77大塚(大塚知宣)

11・28、タミヤGPインシブヤの模様をお届けします。
毎度ながら、ルマンクラスでの参加&主観レポートです・・・。

寝坊してしまいました。5時には起きないと間に合わないというところで、
起きてみると7時。2時間多く寝たので体調は良いのですが、間に合うか?微妙。
朝、自宅で予定していた作業や持ち込む物をいくつかカットしてシブヤに急ぎました。

さて、なんとか時間に間に合い、場所の確保もそこそこに、車検と練習走行。
どうやら、前日にレイアウトが変更されたようです。
特に、いつものシブヤとは反対周りになっていることが今回の特徴。
定期的にレイアウト変更するコースではありますが、
基本的には、時計周りで、右高速コーナーが多いのです。
今回のレイアウトではそれらがすべて反対になってしまいます。
違和感はあるけれど、そこはなんとかしなくちゃ。
微妙なバンプやうねりなど、ある程度カラダが憶えていると、(そう言うほど、走り込んではいませんが)
逆走時、かえって混乱してしまうようです。
火曜日の事前練習では、自分の車に前回より良くなった点があり、
レースに出るからにはそこを引き出したいところ。

今回のルマンクラス注目選手としては、
前回の世界戦予選で惜しくも優勝を逃した鈴木諭(さとる)選手、
過日の世界戦で見事ツーリング世界チャンピオンに輝いた大越祐一選手、
ビジターとしては、過去のタミヤGPで実績のある横瀬和也選手が目にとまります。
前回と比べれば華やかなメンバーの多さでは一歩譲りますが、
ルマンクラスも着実に上級クラスになってきた、という印象です。

予選一回目。どうにもハネが収まりません。
バンピーなコースとはいえ、ちょっとひどい。
外周の高速コーナー等はまだ良いのですが、インフィールドセクションでは、弾みながら曲がってしまい、
明らかにそこで細かなロスを重ねており、タイムが出る由もないのです。
前述3選手からやや遅れて4番手にとどまります。
唯一良かったのは、タイヤが確実に接着されていて安心できたこと。
トホホですが、これも大事です。
前回のようなミス(予選でタイヤを飛ばす)の無いよう、入念に作業してきました。

諭選手が11秒台のトップタイム。F1のタイムをも上回ります。
・・・ジョンソンF1(スポンジ)より、ルマンカー(ゴム)の方が速い。
コースによってはもっとも速いカテゴリーになってきたようです。
やはり、実力のあるドライバー達が一つの車種に本気で取り組むと、
たった一年間でも、本当に違ってくるものです。

予選二回目。今度は、ハネを押さえるべく、ピッチングダンパー等を調整し、
さらに、フロントスプリングをミディアムからソフトにチェンジ。
しかしこれも裏目に出ました。高速コーナーからの入り込みが悪く、
これまた話になりません。どこで妥協すべきか解らなくなってしまいました。
新品タイヤは良くグリップするのですが、しすぎのような気もするのです。
やや使い込んだタイヤで、ややスライド気味の走りをすると、
とてもイイ動きをしてくれて、攻め込みやすいのですが、
感触の良さのわりに、実際には全域でペースが落ちてしまうことは既に解っています。
しかし、攻め込んだ方がなんだか結果がいいような・・・まさしくレースの難しさです。

ここでは、横瀬選手が鈴木諭選手にコンマ05まで迫るタイムを叩き出し。
場内を沸かせます。私もビックリです。
大越選手は、やや伸び悩み、私よりは遥かに速いのですが、
上位2名とは、まだすこし差が有るようで3番手。
私は4番グリッドです。

今回、全ヒート、リヤ車軸位置を2段階下げにしたのですが、
あるいはこれが良くなかったような気もします。
1段階下げの方が、入り込みはマイルドですが、扱いやすいのです。

(編注:ルマンカーは、重心を前よりにする意味でリヤの車高を上げると
  好結果を得られることが多いようです。
  え、何で重心を前よりにするかですって?
  それは「シャシー研究室・F1/ルマン分会」で調べてね!)

今回は、扱いやすいセットと、真に速いが難しいセット、
どちらをとるか、この間で非常に悩みました。
どちらかといえば、前回は、扱いやすさを優先しまして、結果も悪くなかったのですが、
ワンステップアップを狙う今回は、あえて難しいセットにこだわってみました。
が、全般に噛み合いませんでした。

結局、決勝でも新品タイヤを使うことにします。
タイヤウォーマーを用意しておかなかったのは予算上致し方ないのですが、
同席した常連の方々のアドバイスで、とてもよいアイデアが頂けました。
透明密封容器の中にタイヤを入れ、ホッカイロを入れました。
太陽光線とあいまって、結構ホカホカになってくれます。
もっとも、ルマンでは、リアタイヤを装着するさいに、デフ調整を兼ねるため。
ヒート直前までこの即席ウォーマーにいれておくことは出来ません。
なので、今回、あまり意味はなかったかも知れませんが、
ツーリング等ではとってもよいアイデアでしょう。
ウォーマーって高いですからね。

(編集長より:5000円から1万円もするウォーマーは、いわば贅沢品。
 10個398円の使い捨てカイロなら、タイヤ1個に2つずつあてがっても
 まだ2個、人間ウォーマー用に余ります。冬場に1、2回しかレース出ないのであれば、
 10年かかってようやくトントン。
 さあ、どっちが得かよ〜く考えてみよう!<古いか〜?>)

決勝では、12人での戦いとなります。
私の前に大越選手、フロントロウには鈴木諭選手と横瀬選手。
少なくとも私には順当なグリッドのようです。
勿論、今度こそは・・・と思いますが、まあここは気持ちを切り換えて。

さて、ややノンビリしたムードもあり、
セットに悩みながらも、楽しく操縦台に上がりました。
イヤな緊張は殆ど有りません。

右奥のコーナー突っ込みの視界を、やや遮る形でマーシャルの方がいます。
スタート前、これが気になってしまいました。
申し訳ないのですが、やや位置を変えてもらうよう、手で合図しましたが、
どうも上手く伝わりません。・・・といっているうちにスタート。
ここで、思い切り遅れてしまったのですが・・・。
何と、前列の二選手は、もっと遅れてしまいました。
と、いうわけで、私と大越選手が、
フロントローの二人を両側から追い抜く形でスタート。
これは気持ちよい瞬間でした。
インフィールドでの細かな駆け引きで、大越選手が私の前に出ますが、
一瞬「狙える」位置につけられたのは久々に良い感触でした。

さて、後ろから鈴木諭選手と横瀬選手が「来る」ことは間違いなし。
やはり「来て」しまい、順に抜かれます。
若干の抵抗を試みますが、さすがに押さえたまま25周は無理という感じ。
ここでの駆け引きはフェアに行えまして、ここはとてもいいレースでした。

大越選手が逃げますが、どうやら、鈴木諭選手、横瀬選手にパスされた模様。
ここで、私としては、ターゲットを表彰台=大越選手に絞りました。
難しいですが、なにか有れば、どうなるか解りませんし、
チャンプに勝てれば、こんなに光栄なことはないというものです。
ともかくプッシュのみ。ラップ遅れの方々にもよく譲って頂けました。
すこし私のラップコールが多かったのですが、
むしろ積極的にコールすることで、気を悪くなされないように配慮したつもりです。

相変わらずマシンバランスは前回より悪いのですが、なんとかペースを掴んできました。
朝、冗談で、「イマイチコースに慣れないけど、
多分レースが終わるころには慣れるんじゃないかな(笑)?」
「それじゃ遅いって!」
なんて言っていたのが、ホントウになってしまいました。
うーん、どうやら、大越選手の方が、私よりやや速いペースのようです。
私としては、やはりラップ遅れの処理にかける他有りません。
一時、かなり接近できたのですが、そこから迫るには至らず・・・でした。

そのうち、トップの鈴木諭選手が背後に来ました。ラップです。
そこは気の知れた仲、すこーし抵抗してみましたが、
もちろんすぐにインを譲ります。「ありがとう!」の声が嬉しい。
続いて、横瀬選手が素早くインを突き、私を抜き去って行きました。
抜かれた後、必死で食い下がり、
自分の問題点を少しでも明らかにすべく努力したのは言うまでも有りません。
これは結構重要なことです。

このあたりで、20周経過でしょうか、
あと5周、後ろは気にならないし、前は漁夫の利を狙うのみ。
そんな感じで、結局そのままゴールに至りました。
クラッシュはなかったと思います。ボディ壊さなくてよかったです(笑)。

■ルマン結果
優勝・鈴木諭選手
2位:横瀬和也選手
3位:大越祐一選手

で、4位が私、と。
4て数字は好きだし、
4番グリッドも好き(変わり者?)なんですけど、4位は悔しいですね。

最終的には、「詰めが甘かった」の一語に尽きます。
今回は、決勝レース運びの甘さというよりは、セットでしょう。
いつも、ソコソコ上位にいくのですが、甘いところの積み重ねで遅い。
で、勝てない。「たて」はたくさん持ってるが、優勝トロフィーが無い。
これ、いろんなスポーツでも、割とよくあるタイプですね。
来季はこの課題をクリアです。若いころの思い切りが戻ればなあ!

こんなとこでした。
前回に比べると、寝坊をしたり、今一つの気合いがなかったけれども、
やはりひとつひとつレースを戦うことで、毎回得るものは有ります。
思えば、TRF−SPLキットが出る前のタミヤGPは、
関東ではこれが最後かな。この後はまた違う展開も有りうるでしょう。

優勝・鈴木諭選手からひとことコメント。
「人には当てない様にしましょう(反省)」だそうです。
当てちゃったのかな?よく解りません・・・。
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参考セット(決勝)
今回は今一つだったので、あんまり参考には・・・一応。

ボディ:TS020
シャーシ:F1ハードカーボン
Tバー:ノーマル
Fサス:ノーマル、金スプリング、白アップライト
Rサス:ノーマルOリング、前側強く締める
フリクション:ノーマル黒プレート、グリスなし
ダンパー:ローフリ、赤スプリング、#300、2穴
R車軸位置:2段階下げ(車高上げ)
スパー&ピニオン:93/23T(スポーツチューン)
タイヤ:前後タイプA、インナー等ノーマル
車重:1115g

ほぼ前回と同様(味付け程度)で、季節柄タイヤがAです。
そうそう、夏にでたHCCA軽量デフボールを今回初めて使いましたが、
とても軽くて良いデフに仕上がりました。

続いて、観てきた他のクラスのお話をすこし。

ワイルドウィリー2ワンメイクがなんといっても注目。
年の最後でもあるし、なごみ系、ウケ狙いでの参加が多いかな?と思いきや、
実績のあるドライバーも多く、結構皆さんマジなんです。
ジャンプもきれいにまとめ、こけないように丁寧な走り。
「○○さん、狙ってるよー!(笑)」なんて声がそこら中で聞こえました。
私がでても、なんだかんだ、渋く狙っちゃったかも。

■ワイルドウィリー2結果
優勝 浅場忍選手
2位 吉村俊彦選手
3位 高橋武司選手

GT1は、インターネット上でもおなじみの、
チームTECTRO服部選手が参加、圧倒的強さで勝ちをもぎとりました。

■GT1結果
優勝 服部正選手
2位 加藤大介選手
3位 若海茂貴選手

F1では、実力派・ステディな鈴木和史選手と、
先の世界戦2位、
豪快な走りが魅力の瀬戸英治選手が一騎打ちの様相。
序盤に2選手のトップ争いが有りましたが、
独走態勢を築いた鈴木選手が見事なラップ処理で逃げ切りました。

■F1結果
優勝 鈴木和史選手
2位 瀬戸英治選手
3位 水口実智信選手

他クラスは割愛します。進行の都合で、全てのレースは観られませんでした。
毎度のことながら、オフィシャルその他のみなさまに感謝!

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2.新サイト紹介:www.rccarsyellowpage.com
by ふぇら〜り伊藤

「RCは好きだけど、おいそれとキット買えないし。。。」
「すぐぶつけちゃうので修理代がたまらん」
「サーキット通いはおっくうだ」
といった方々に朗報!PCで楽しむRCシミュレータの決定版が登場しました。

その名も「RCでGO!PC」(いいのかな〜こんな名前。。。)
ソフト制作者の長谷川さんによると、「RCの練習用に」設計されたそうで、
ソフトをご紹介くださったteamAORCの伊豆さんによれば、「アーケードの<RCでGO!>より
はるかにRCっぽい操作感」とのことで、かなり期待が持てそうです。
サイト自体は、3月6日からオープンの予定ですが、当初はソフトの公開と
簡単な説明だけでスタートするそうです。あくまでも「RCカー初心者が、よりRCカーの
操縦を楽しめるようになるための練習ソフト」という位置付けであり、ゲームソフトとは
一線を画しているわけですが、それこそ、むしろRCカーファンが渇望していたソフトですよね!
ぜひ皆さんで大久保さんの活動を応援しましょう!

長谷川さんご自身は、「RCもできず、子供と一緒に始めたばかりのズブの素人」
ということですが、長谷川さんのように、子供とのコミュニケーションツールとして
RCを楽しんでくださる方々が増えることは大変喜ばしいことだと思います。
2000年2月号のタミヤニュースの巻頭コラムでも、昨年、タミヤ世界戦予選に
参加した小中学生が延べ1500名もいたこと、その多くが、親に連れられて参加
しており、RCが親子の会話を増やす材料として利用されているのは嬉しいことだ、
とのコメントがありました。まさにその通りだと思います。

かく言う編集長も、今年1月のタミヤGP@ROX3(東京吹jで走らせる
ワイルドウイリーのシェイクダウンテストがてら、自宅前の駐車場に3歳半の
娘を付き合わせ、ちょっと走らせていたところ、「自分もやりたいやりたい!」
と3歳にしてまんまとプロポを握らせることに成功しました(^o^)/ もちろん
アンプのトラベル設定「5%」という超ノロノロ運転でしたが、
結構いっちょまえに運転していたので、将来が楽しみです。
JMRCAにデビューする頃、広坂マサミ氏は既に「いいオジチャン」になってるはず。。。(笑)
お色気攻撃で全日本獲りを狙うべく、パパさんとしては特訓にはげみたいと思います(爆)

閑話休題。ところで、当サイトの文章は、長谷川さんでなく、ご友人の
松崎さんがご担当されているそうです。
松崎さんも、子供持ちのRC初心者だそうでして、サイトの構築にあたっては
初心者の目線から「初心者が必要な情報の提供」を念頭に置かれているそうです。
その一環として、当サイトでは、全国のRCショップ/サーキットから
コースレイアウトを募集し、「RCでGO!PC」用のコースデータを作成、
提供することにより、居ながらにして全国の主要サーキットを擬似体験できるほか、
ショッピングガイドとしても機能するようなサイト作りを目指されているそうです。
RCカーファンの一人として、長谷川、松崎両氏の活動が
息長く続きますことを心より願っております。

「RCでGO! PC」ホームページ  http://www.rccarsyellowpage.com/