RC Car Trend Vol.3──────────────────── 98/06/10(発行部数:184部)

〜 Contents 〜
1. 前回の補足訂正:M-03プレビュー
2.今月のラジマガより:カー用プロポ2台を考える
3.TOPな小話(その1):F-1のTバー
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1.前回の補足訂正:M-03プレビュー

みなさんこんにちは。

8日夜に、イエローサブマリン新宿店で早刷りのラジマガ7月号を手にした私は、顔を赤らめてしまいました。そうです、申し訳ないことに取材不足で前回の記事に間違いを発見したのです。

(間違いその1)サーボはモーター上に横倒しでマウントされるのが正解。

ラジマガの写真をご覧になればお分かりのとおり、カウンターギヤは今までと同じ数ながら、垂直方向に重ねられていたのが水平方向に展開・並列され、モーター上部にサーボを重ね置きするスペースが確保されました。TA-03Rと同じ要領です。これなら、ミニサーボでもセンター出しできますね。

ただ、これではますます空気の流れが悪くなり、モーター、特にMチューンを積んだときの熱ダレが非常に気になります。TOPでは、主に熱ダレのせいで、スタート直後と20周後では15秒台のコースでラップタイムが1秒くらい違ってきます(Mチューンの場合)。ヒートシンクが出るまでは、夏のレースでは厳しいかな、という気がしました。

(間違いその2)バッテリーは中心よりわずかに前に配置されています。

…だから何なの!? という話ではあります。これまでより重心が後ろ寄りになっているという意味では間違いないからです。恐らく、実際のメカ積みでは、写真でCPRユニットが載っているあたりには何も置かず、受信機はシャシー後半に内臓させ、アンプはサーボの上ないし前の空間に埋め込むのが妥当でしょう。とにかく、フロントの荷重をもう少し増やさないと、レースでは厳しい気がします。でなければ、車重を全体的に増やすしかないですね。そうするとモーターへの負荷が…うう…。

(ラジマガの間違い?)M-03は「限定」じゃないでしょう?

ラジマガのM-03写真のコメントを読んでください。M-03ミニは「限定」で登場だそうです。そんなもんにわざわざ金型変えたり、パーツ起こしたりしないでしょうに! 裏が取れてないので断言できませんが、 常識的に考えて、限定というのはデマです。ただ、M-03はリヤ駆動バージョンの派生を考えてないような作りですから、M-01は間もなくなくなるとしても、M-02系列とM-03は当面、並売が続くのではないでしょうか。

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2.今月のラジマガより〜カー用プロポ2台を考える

今回の静岡ホビーショーでは、プロポの新顔も少なかったのですが、その中でも存在感を漂わしていたのが、サンワのエグゼスとフタバの3PJです。

既にご存知の方も多いと思いますが、新しい3PJはコンピュータを速くしたのがウリで、「時速60キロで同じタイミングでステアしたとき、10m手前から曲がれる」 という謳い文句が物議を醸しています。いわく、「そんな速いコース、電動じゃ掛川くらいしかないよ」「古いプロポでも早く切りゃいいだけの話じゃん」などなど。 もちろん、そのとおりなのですが、こういうコメントの大半は、自分のプロポが古くなったことへのやっかみ半分、といったところでしょう。 プロポの性能が高いに越したことはないのです。

でも、プロポ選びは性能だけではないから難しい。自分はラジコン始めたときからのフタバ信奉者なので、3PJも3VCも持ってますけど、常用してるのは4年前に買ったEX-1プレシオス。だって、ソフトアタッシェにクルマごと入るのはコレしかないんだもん(笑)。むしろ新しい3PJは、イヤホンとか、データパックとか、「ホントに使うか!?」と突っ込まれるとヤバいが、あると何となく安心の装備がグーです。プロポのオモチャっぽさが嫌いな私としては、フタバさんに「オトナのプロポ」作りをますます進めていって欲しいです。結局、こういう高いのを毎年のようにポンポン買うバカは社会人なんだから。あ、それって私だけですか?

さて、ラジマガではじめて見てコケたのがエグゼス。ステアリングスティックが15度くらい右上に傾いているデザインのアレです。もともと、エグゼスは3VCの登場以前から「オトナのプロポ」としてデザインは個人的に好きだったのですが、あれはやめたほうがいい。やり過ぎです。なんかカッコ悪いぞー。それに、あのとおり右手だけ斜めに指を動かす人って、いたら相当ヘンだよ。気持ちは分かるけど、実際には5度くらいのわずかな傾きがあれば十分です。電動カー黎明期にバリバリのスティッカー(意味通じます?)だった自分の経験から断言します。そもそも、ステアリングだけ傾けて、スロットル側は今まで通り垂直、 というのは理屈に合わない。やるならスロットル・スティックも同じ角度で傾けるべきです。
(3/23/99追記)補足が遅くなりましたが、製品版ではスティック角度が緩やかになり、スロットル側にもスラントが付きました。あれならOKかな。

いっそのこと、親指の円心運動に合わせて、「弧を描いて動くスティック」を作ったほうが良かったと思います(あれ、これって特許か実用新案取れるんじゃん!? …誰か作ってくださいな)。

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3.TOPな小話(その1):F-1のTバー

F-1やってる方、Tバーってどの位で変えてます?

きっと、1/12やってる方とかで、シビアな向きは「毎回」とか「毎月」、中級の方でも1年に1回くらいは替えてるのでしょうね。確かに、TバーはF1のトラクションを司る最重要パーツですから、管理には神経を使っている方が多いでしょう。

先日、TOPで常連数人が、Tバーについて語っていました。主な内容は、
(1)Oリングはタミヤの黒よりコーセーのリング(前=青ハード、後=赤ソフト)に変えたほうが良い?
(2)Tバーの織目の違いで走りに差が出るか?
(3)Tバーはどの位まで使う?…の3点です。

(1)は、理屈としては柔らかいリングのほうがトラクションが上がるのは正論なのですが、何事にもバランスというのがあります。これを議論していたのは、ジョンソンを使うオープンクラスのドライバーと、ダイナラン・ストックを使うEXP認定者であり、前者はコーセー、後者はタミヤノーマルを使用していたのですが、条件が違うのですから話が食い違って当たり前。つまり、コーセーの柔らかいリングでハイパワーをかけると、腰が砕けるからEXPでは使えないと。ソフトTバーであれば、なおさらです。

私が春先にF1やってた時は、ノーマルTバーにノーマルリングでダイナランでした。もともとジョンソンの時はソフトTバーだったのですが、路面が変わったのと、パワーが上がったので、タイヤが冷えていると腰が砕けやすく、チェンジしたのです。これって、TA-01のようなテールヘビーのツーリングのリヤにフロントより固いスプリング入れてロールセンターを合わせるのと似てますね。もっとも、今は気温も十分上がってきたので、ダイナランでもソフトTバーでイケると思いますが。さらにジョンソンであれば、スロットル握ってもタイヤが負けにくいですから、極限まで柔らかくできるのでしょう。

(2)は、同じTバーでも織目の違うものがある、という話ですが、言われないと気づきません。座布団一枚!…というところですが、コトの真偽はともかく、タミヤがFRPの抜き方をそんなにいい加減にやってるのか!? というところで笑えました。確かに理屈上は、織目が変われば特性は変わるはずですが、どちらが良いかは現段階では不明です。しかし、きっと永遠に不明でしょう。(6/12追記参照)…そんなことより、2度3度クラッシュしてTバーの穴が広がったり、ヨレたり、ということのほうがはるかに重大ではないでしょうか?…というのが、やはりというか、その場でのオチでもありました(^^)。

(6/12/98追記:私はその現場の脇にいて、実際にどういう織目なのか確かめもせず、複数の常連の証言をもとにこの文を書きました。ただ、個人的にはガセネタではないかと疑っています。確かに後日、さくらや新宿ホビー館の在庫で検証したところでは、ノーマルTバーには表面の縞模様が明らかに違って見えるものがありました。表面に見えるウロコ状のつや消し模様の向きが90度違うのです。その結果、織目が違っているように見えますが、何のことはない、どちらも平織りで裁断の向きもクルマの進行方向に垂直です。これは織目の違いとは言いません。恐らく、FRPメーカーがマテリアルを1次加工(サイズ合わせの裁断)する時の都合で、向きが90度異なる2種類ができるのでしょう。 そもそも、平織りのマテリアルは織目方向にカットするのが最も生産効率が高いのですから、これを斜めにカットするような、イレギュラーかつエコロジー的にもよろしくない作業を、あれだけ生産コストにシビアなタミヤが許すなんて考えられません。 そう考えると、これは単にFRPの知識がハンパな素人ネタに過ぎない気がしてなりません。この件についてはさらに追加調査しますが、ガセネタだったらごめんなさい)
(3/23/99追記:やっぱりガセだったようです。ただ、Oリング等の説明もありますので「お話」ということでこのまま残しておきます)

(3)これは、理想を言えばきりがありません。永遠のテーマでしょう。始末が悪いのは、ボールコネクト式の1/12なら、Tバーの交換でセッティングが安定するのに対し、Oリング式のF1では、頻繁に交換するとかえってOリングの状態が不安定になり、セッティングがいつまでたっても出ない点です。「どうしてOptのボールサスにしないの?」といぶかる方に対しては「あれは、グリップの良い路面じゃないと初期反応が出過ぎてダメ」とお答えしておきましょう。そんなわけでTOPでは、真夏以外はオリジナルのTバーがお約束です。

そのTバー、自分の場合、たいていOリングが落ち着くまでに2、3パックは走る必要があります。交換した直後は、Oリングの隙間が開きやすく、ハイパワーモーターではヘタをすると蛇行のもとになるからです。ちなみに、(1)で紹介したEXP長谷川さんは「この1年、Tバー換えてない」とのこと。みんなそんなもんです。タミヤですから。