RC Car Trend Vol.2 ──────────────────── 98/06/08(発行部数:181部)

〜 Contents 〜
1. ラジマガ先取り情報:タミヤM-03プレビュー
2. フェラーリ伊藤の雑記帳
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1.ラジマガ先取り情報:タミヤM-03プレビュー

みなさんこんにちは。

今月のラジマガも間もなく発売ですが、今月号の目玉は、もちろん静岡ホビー ショーです。なかでも本誌の注目は、当然、タミヤのM-03ミニ。今は模型業界 も不景気で、某京商サンが出展しなかったり、全体的に新製品が少ないなど 寂しかったようですが、個人的な感想としては、むしろここ数年、新製品が 異様に多かった感じで、今くらいがちょうどいいと思います。あまり新製品が 多いと、買う側としても消化不良を起こしてしまいますよね。

さて、M-03ですが、ホビーショーに行けなかった私は、トップサーキットの 松崎チーフから見せてもらったタミヤの作画、実際にモノを見て触った常連・ 井上勉サンほかからの話、イエローサブマリン新宿店に掲示してあった別の 図面などから、ほぼ全容を掴みました(ホントは見に行けば一番なんですけ ど)。感じとしては、TL-01がMサイズになったイメージ。FFなのでM-01同様、 モーターが前半分にあるのですが、M-01のデフとモーターの間をカウンター ギヤで延長、そこにステアリングサーボを倒立マウントさせた格好です。

タミヤの公式コメントはさておき、勝手にM-03のウリを考えました。
(1)60Dタイヤ採用…タイヤサイズ統一による製販面での合理化とレースでのイコールコンディション化
(2)何かと無理があったモノショックサスの見直し(タミヤ的には、4本セットしかないスーパーローフリダンパーももっと売れて売上増に寄与?)
(3)ステアリングフィールの改善(TL-01と同じサーボ倒立でダイレクトにステアさせている)…これでフィールはすごく良くなるハズ
(4)そして当然、部品点数削減による組立工程の簡略化とコスト低減

こんなところでしょう。かなり実戦的な改良で、これはもう、TOPのような 高速コースではM-02の優位性はなくなりそうですね。これまでは、トラク ションの良さに加え、タイヤ径の差から来る絶対的なスピード差を利して、 一発の速さではM-01を明らかに凌いでいたのですが。

ただ、M-03は、サーボがモーターの前に配置され、バッテリーも中心より 後方に位置するので、M-01並みのトラクションは望めません。タイヤ 的にも、面圧が下がるうえ、今のTOPの路面ではスリックよりラジアルの 方が食わないことを念頭に置くと、スーパースリックのM-01とスーパー ラジアルのM-03では、03より01の方が良く曲がり、立ち上がりが早いこと は走る前から予想できます。 (注:スーパースリックとスーパーラジアルのラバーは同じ)

恐らく、新調した60DスーパーラジアルでTOPにM-03デビューした方は、 あまりのトラクションのなさに面食らうことでしょう。「あれー、おかしい なー、なんで古いやつより遅いんだよう」と。もっとも、カンの良い方なら ちょっと走れば気付くはずです。新しいタイヤのほうが、何か食ってない な、と。じゃ、どうします?…つべこべ言わずに食うタイヤを使いましょう。 ブロックが減った「スリック」をね!(^^)。理屈は後でゆっくり考えれば よいのです。

それでもトラクションが足りなければ、アンプをフロントバンパーの上に 載せるとか、かなりカッコ悪いことをしなければならなくなりますね。 まあ、このあたりは、モノが出てから考えることにしましょう。それに、 こういった懸念も、まもなく登場する60DのAコンパウンド・スリックが すべてチャラにしてくれるかも知れませんしね。

なお、以上の話はあくまでも渋谷TOPでの話であり、通常の路面では スリックよりラジアルの方が食いますから、むしろ当たらないことが多 いと思います。それと、今書いていることは、規定の1200gに車重 を合わせたうえで、限界ギリギリまでコーナリングバランスを追い込もう とした場合の現象です。スーパーローフリ4本、大型アンプ&大型サー ボという「重量3点セット」を装備し、車重1300g近くという方であれ ば、一向に問題にならないでしょう。では、軽いのと重いのとどっちが いいの?…というのはよく分かりません。明らかなのは、「軽いほうが いろんな意味で効率が良い」ということですが、これが即ちレースに 勝てるクルマになるかというと、そうでもない。実際、Mシャーシに限っ ては、速い人でも重いクルマを好む例は結構あります。どっしりと安定 して走れるからです。確かにM-01は、軽くするとピーキーな性格になり がちです。M-03もそうでしょう。でも、私は、重いクルマは許せない。 オールカーボンで全重1Kgを切るMシャーシって、できないかしら(^^;)。

直接M-03を見ていないので不安がひとつ。サーボマウントです。F1 でもそうですが、安い大きいサーボを積んだときに真ん中に来るよう に設計されると、ミニサーボを積んだときに、どうしても片寄りします よね。何のためのマウントか?と。その辺は大丈夫なのか? …ラジマガが見モノです。

それと、コレクター的見地からは、ミニのタイヤサイズがM-02と同じ 60Dにアップされるのに伴う、ボディの変更が気になります。ホイール アーチが作り直されるので、旧バージョンのキットやボディは流通在 庫がなくなり次第、絶版になる可能性が大きい、ということです。具体 的な数字は知りませんが、感覚的には、旧M-01ミニはR-32スカイラ イン並みに売れたような気がしますから、将来コレクター垂涎の的と なること、請け合いです。個人的には、もうちょっと製品寿命長いと 思って買い控えてたんですけど…。

(7/27/98追記) M-03のページを こちら に追加しました

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2.ふぇら〜り伊藤の雑記帳

ふぇら〜り伊藤というのは、私こと編集・伊藤のTOPでの呼ばれ方です。 もともとF1でフェラーリを使っていて、後から始めたツーリングでも、 当然のようにAgipやShellのステッカーと赤一色のカラーリングを施した ので、言われれば誰でも分かるようなニックネームとなってしまいました。

フェラーリ好きか? とよく聞かれるのですが、別に嫌いじゃないです けれども好き嫌いが理由じゃないんですよ、と答えます。(1)F1からな くなりそうにない=いつも純正ボディがある、(2)1色で吹ける(うそ)、 (3)シールも簡単、(4)赤いクルマって、意外に少ない、(5)そこそこス テータスもある、といった現実的な理由から、フェラーリなのです。 リジェやティレルはなくなった(る)し、5年経ったら今のベネトンやウィ リアムズだって、どうなるか分からない。ただでさえ、スポンサーがコロ コロ変わって大変です。このように、自分のサーキット上のアイデン ティティを他人に頼るのは非常に脆いものです。だからフェラーリ なのです。シューマッハがフェラーリに移って、TOPでも赤いのが 増えたので、「本家」としてがんばらねばと思う今日このごろですが。

今後、このコーナーでは、サーキットで気づいたこと、感じたことを つれづれに書いていこうと思います。お楽しみに。