posted on 1/25/1999
last updated on 11/8/2006
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RC Car Trend モーター研究室

<その5:6時間耐久を走ったモーターはどう変化した?>


99年1月15日(祝)にトップサーキットで6時間耐久レースが開催されました。
我らがアバンチョ7+RC Car Trend チームは僅差ながら準優勝に終わりました。 その顛末については こちらをご覧いただくとして、ここでは、そこで使われたモーターについて、ちょっと調べてみました。


<40パック連続使用後も性能変わらず?>

まず、レース直後の状態を再現するため、あえて全くメンテをしない状態で データを取得しました。レースでは、ほぼ40パックを連続で消費したこともあり、 クラッシュと発熱でローターコアが ジョンソン名物の「芯ズレ」を起こし、前後に5mm以上のガタが生じています。 ブラシの端がコミュから落ちる状態で、余命いくばくもないかなあ・・・という感じでした。 モーターテストでも、何度かノッキングに似た起動時の息つき現象が発生し、 データ取得に四苦八苦するありさまです。 ちなみに、このモーターは新品時からのトータルでは60パック余りをこなしたところでした。

しかし、取れたデータは、新品に近い状態のときとほとんど変わりません。 ブラシの摩滅でスプリングテンションが下がった分、回転数が上がっているくらいの違いです。 もちろん、レースに際しては熱ダレ対策などコンディション維持には気を使いましたが、 コミュの焼けなどにより、当然のように性能が落ちていると思っていたので意外でした。


(実線は6耐レース使用後、点線はレース前の状態)

では、茶色に焼けこげたコミュをキレイにしたらどうなるか? ・・・ということで、 コミュドロップや水中ナラシ、果ては昔よく使われたCRC・6-66注入などの技を 駆使して(でも適当に)都合10分程度のリフレッシュ作業(あまりやり過ぎると 性能が落ちるので注意)を実施した後の結果は、ご覧のとおり。

あれれ、効率は落ちたけど、パワー、トルクとも全域で大幅にアップしてるぞ?


(実線はレース使用後+リフレッシュ後の状態、点線はレース前の状態)

これはあながち実体験とカイ離しているわけではありません。確かに、 ジョンソンの場合、使い込むほどに回転数・パワーとも上昇する傾向が あったり、ナラシでも逆転ナラシより正転ナラシのほうが良い結果が得られる、 といったことは、経験上から知られていることです。 実は、このあたりの論点については、まだデータ不足で断定的な結論を得るに 至っていないのですが、今回の結果を見る限りでは、少なくとも60パック程度 まではトータルな意味での性能はほとんど低下せず、適切なメンテを行えばむしろパワーアップ する、という可能性が見えてきました。少なくとも、従来の経験上の知見を 支持する結果にはなっています。最高出力が64.7W→73.6Wというのは13.7%もの出力アップなわけで、 ターン数を1〜2ターン減らしたくらいのインパクトがあります。これを看過していいはずがありません。


(実線はリフレッシュ後、点線はリフレッシュ前、いずれも6耐レース後の状態)

ついでなんですが、リフレッシュ作業の前と後を比較してみました。 実線が「後」です。回転数はほとんど変わらないですが、コミュテーターとブラシのリフレッシュで 電気の流れが良くなり、消費電流アップ→トルクアップでトータルの出力アップを果たしていることが分かります。

「リフレッシュしたのに、効率が下がっているのはなぜ?」と思われる方が いらっしゃるかも知れませんが、これは、モーターの消費電流が増えているためです。 単にブラシの摩擦抵抗が増えたりして電流消費が増えただけなら問題ですが、 このケースでは、電力消費に見合ってトルクも増えており、出力アップを得ているので 良いわけです。


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