posted on Jan 24, 2005
タミヤRC製品・即買いカタログ
<モバイル版> <PC版>
powered by Amazon


TT-01・RCTチューン<チャレンジカップ編>


2004年12月11〜12日に川場RCプラザで開催された
タミヤGP「チャレンジカップ」N1クラス仕様をご紹介します。

例年なら雪が降るこの時期の川場ですが、当日は天候に恵まれ、
と言ってもやはり寒く、日中最高気温は15度止まり。
このような低温条件のなか、雨上がりの屋外の細粒アスファルト路面を
走る、ということで結構大変な状況が想定されましたので、
サスペンション回りのセットアップを中心に大きく仕様を変更しています。

出場したのは前座レースとして11日(土)に開催された3時間耐久。
アシスタントがいないので全部1人でバッテリー交換を行ったことや、
レース序盤にあろうことかサーボセーバーのネジ脱落に見舞われ
10周分程度のロスを喫したことなどが響き、トップとの差を詰めきれず、
15周くらい遅れて3位どまりでした。ただし途中でベストラップを記録するなど
ペースは悪くなかったので、セットアップは十分参考になると思います。




たぶん「RCTチューン」初の540レース向け作例になるのではないかと思いますが、TT-01のN1仕様を紹介します。

今回のポイントはタイヤとダンパーです。まず、ダンパーバネについては、全体的に23ターン搭載時などに比べてフロントを1段階硬くして、わずかに入る(曲がる)方向に振ります。このサジ加減は微妙です。というのも今回のクルマは低温路面で低面圧のナロータイヤ使用に伴う操安性確保を考慮してフルタイム四駆のままにしているからです。

一般に、フロントワンウェイ仕様の場合はリヤタイヤのみにブレーキトルクがかかり、モーターマグネットの磁力の違いがスロットルオフ時のリヤグリップの抜け方に顕著に出ます。もちろん磁力が弱くブレーキが小さいほうがグリップが抜けにくいわけです。なのでモーターを23Tストックから磁力の弱い540に落とすと、2段階くらいフロントバネを上げないと(またはリヤを2段階落とさないと)曲がらなくなってしまいます。ところが、フルタイム四駆だと四輪にブレーキトルクが分散するのでそこまで要らないわけです。

しかもかつてはギヤ比無制限がウリだったN1クラスも04年あたりからギヤ比固定になってしまったので、他クラスとの違いはタイヤ制限とモーターくらいです。ギヤ比の違いがないので、23Tやスポチュンから540に落としても、ギヤと併せて変更する場合に比べてブレーキトルクの「変化率」が一段と小さいわけです。こういった点をイロイロ考慮して前後バネのバランスを探る必要があるわけです。

さらに今回は、低温路面+面圧が低くなるナロータイヤ、ということで、急激な荷重変化を緩和してグリップを確保しようと、前後ともにバネの硬さをコントロール可能なギリギリまで落としています。前後ともバネはTA-03用のop.163「オンロード仕様スプリングセット」(800円)です。さすがにフロントに赤(ソフト)を仕込んでしまうとフニャフニャなので、フロント黄(ミディアム)・リヤ青(ハード)に落ち着きました。バネレートとしてはop.440「オンロード仕様ハードスプリングセット」(1000円)の同色のおよそ半分くらいになっています。

なおフロントはCVAスーパーミニなのでショート仕様のバネを使っています。ピストン及びオイルは03年10月のタミヤ全日本・TRFチャレンジ仕様から変わっていません。というかノーメンテです(苦笑)。

だいたい筆者は一度組んだダンパーはまず組み直すことがないです。多少気泡が入ってクチュクチュになってもピストンがオイルに浸かってりゃいいんで、ラップタイムが落ちない限りは気にしません。もともとライドが1998年頃にエアリムーバー出す以前は誰もが多かれ少なかれ「クチュクチュダンパー」で走ってたわけです。タミヤGPの540クラスみたいに低速のレースで「完璧にエア抜けしてなきゃダメ」って執着するほうがおかしいです。それ以前にやるべきことがたくさんありますよね。もちろん理想は「毎度組み直し」なんですがそんなヒマがあったら私はコース上で走る時間が欲しいです。漫然と走ってもあまり意味はありませんが、やはり運転技術というのはパイロットと同じでマイレージ(走行距離)が重要ですから。そんなこと真剣に考えるのも、練習でサーキットを走る機会が年間10回前後、計20〜30時間くらいしか確保できないからなんですが。

先ほどから「ナロータイヤ」と書いていますが使用したのはナローサイズのファイバーモールドAです。タイヤ径が大きいので直線の長い川場では有利と考えました。デメリットは面圧の低さから来る横方向のグリップ不足やハンドリングの悪化です。

川場は細かいコーナーが少ないので特に問題を感じるレベルではありませんでしたが、やはりコーナリングスピードは悪化したようで、MナロータイヤAを使った優勝チームの車輌とバトルしているとコーナーではやはりやや遅いと感じました。もちろん、ウデの問題もあるんですが(優勝チームの運転手のほうが間違いなく筆者よりミスが少なく上手かった)、コーナリングに関しては、ウデの差をカバーするに足る性能がなかったと。直線はそれなりに速くて、ストレートで平均すると他車より0.1〜0.2秒くらいは稼げていたようなので助かったんですが、圧倒的なアドバンテージにはならなかったと。 結局、ミスした分だけトップからじりじりと離されていった感じなので、クルマのポテンシャル的にはどっちのタイヤでもほぼイーブンでしょう。だったら操縦の楽なMナローのほうが良かったな、なんていうのは後の話です。

アライメント関係については、アップライトのピロボール位置をノーマルから変更しています。TT-01はステアリングに過度の切れ角を与えると、ちょっとした衝撃で簡単にドッグボーンが脱落してしまうという問題があるので、アームにデカいストッパーを設けて舵角を規制し、ドッグボーンの脱落を防いでいます。最初、ストッパーを切って舵角を増やしてみたのですが、ドッグボーン脱落でマトモに1パック走り切れないのでレースには使えないと判断、以後やめています。なので、ピロボール位置の変更は舵角的を稼ぐためではなく、あくまでアッカーマンを変更してアウト側のタイヤの切れ角を増やすためにやっています。
サーボは、フタバの高級アナログサーボの最新モデル、S9405を使用。このクラスにこのサーボはちょっとオーバースペック気味ですが、応答が速いので運転はやはりラクになります。

ダイレクトなステアリング感覚と直進性を確保するため、剛性の高いアルミサーボステーへの交換は必須です。
アンプはKO・VFS2000、受信機は「RC Mart」社製のパークフライ(電動飛行機)用の40MHz帯のFM5ch受信機です。飛行機用のアイテムはクルマとは比較にならないくらい「怪しげ」なブランドが多いです。そもそも販売元の所在地や問い合わせ先など当たり前のことすら書いてなかったりして。取り説もいい加減だし。でも、もともと飛行機のほうがクルマよりもはるかに「実験的」というか、自作のノリが強いので、性能さえ確かなら受け入れられるのでしょう。この受信機もそんな零細ブランドの1品ですが、受信性能はまったく問題ありません。アンテナはさすがにかなり長いですが。有名メーカーの3ch受信機の半分以下のサイズに5ch入ってるんですから、誰が文句を言うでしょう!もちろんハイレスポンスには対応しませんが、サーボが速いので特に問題は感じません。
リヤグリップ確保のためトーインリヤアップライトに交換。ノーマルアップライトのままで行こうか迷ったのですが、TT-01のセッティングを難しくしている要因のひとつである「極端にリヤに偏った重心」を是正しないと川場のような高速コースでは適正なグリップバランスが取れません。実際に練習走行で試してみてもそうだったので、トランスポンダーをフロント側に移動。ウインドスクリーン部分に取り付けてリヤの荷重を軽くしました。たった15gの重りなんですが、オーバーハングに付けていたのでその影響は大きく、動きは明らかに良くなりました。
オンロードということで車高は5mmです。リバウンドはタイヤ径が増えても調整していないので多めです。たぶん5mmくらい。でも、グリップが低くあまりGがかからないのでステアリングをガチャガチャしなければ問題はありませんでしたが、さすがにパニック的なライン修正の際は、タイヤ面圧の低さと相まって姿勢を乱しやすく、かなりツラかったです。まぁこのへんはMナローを使ってリバウンドを減らせば一発で解決する問題ですが。
というわけで簡単ですがこれにて紹介終わり!

次は2005年シーズンから始まった、タミヤGP「スーパーラリースポーツ」向けのセッティングをご紹介します。




このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています