(posted on Oct 5, 2006)
(updated on May 9, 2007)
(posted on Jul 12, 2007)
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スズキスイフト(M-03M)・RCTチューン(2)






大柄に見えるスイフトボディですが、実際にはフロントはM-03ミニクーパーレーシングと同じボディマウント位置、 リヤはむしろ1段低い位置で止まります。全幅はミニよりもゆとりがあり、後述のとおりホイールスペーサーを用いての トレッド拡大にも余裕で対応できます。サイズ的にも、ホイールベース225mmというのは大き過ぎず、実に適度な感じです。

M-03L(ホイールベース240mm)のニューミニやBbは、直感的に「デカい!」と感じますし、 トレッドとのバランスも悪く、曲がらないクルマですが、M-03MシャシーにはM-03ミニクーパーのようなセッティングの神経質さもなく、 誰でも素直に良く走るクルマが組めそうな素性の良さを感じます。 「ホイールベース225mm」というのは実に絶妙な設定ですね。
ホイールベースの延長とダンパーセッティングの見直しでリヤグリップの安定性確保にメドがついたので、 リヤバンパーは軽量化のために再び撤去し、以前のM-03ミニと同様にTL-01軽量シャシー用のFRPプレート仕様に 戻しました。

そういえばこのFRPプレート、M-03の正規optじゃないですね(苦笑)。オフィシャルもAメインの相互車検でも 特に何も異議は出ませんでしたけど、8年前ならフツーに受け入れられていたこのようなモディファイも、 今の厳格なレギュレーション運用に照らし合わせると、今後は「ダメ出し」される可能性があります。 言われて困らないように、交換用のバンパー部品は携行しておくべきですね。

<5/9/2007update>07年3月発売のM-03Rで このエンドプレート仕様が正式にキット化され、タミグラでもNG出される心配がなくなりました。めでたし!
ボディの高さは、もう1段下げたいところですが、ノーズが擦れたり、フロントフェンダーがタイヤに干渉してしまうので これがギリギリです。
今回の車高設定(左右車軸交点直下で計測)は、フロントが5〜6mm、リヤが6〜7mmでリバウンドはフロント3mm、リヤ5mmくらいになっています。 フロント側を中心に、従来よりもかなり多めのストローク設定にしています。タイヤが変わり、10年前よりグリップレベルは確実にワンランク 上がっているのですが、タイヤ面圧をいたずらに上げたくない(上滑りするから)のとコーナーマーカー対策の関係で バネレート設定はほとんど変えていないので、 ストロークを増やしてやらないとロールを制御し切れない、と見たからです。果たせるかな、この設定はドンピシャで、 レース中にダンパーをいじる必要は一切ありませんでした。。
タイヤが四隅に配置された効率的なボディワークはミニと似ていますが、ノーズが少し長く、クラッシュの衝撃吸収には 余裕があります。その気になればマトモに効果を期待できる量のスポンジも置けますし(ミニのノーズは バンパースポンジの設置スペースがまったくありませんから)。
ホイールベースはセンターシャシーの長さで決定されますから、重量配分としては、ホイールベースが伸びるほど フロントヘビーになる格好です。ただ、M-03Mの場合は、そんなに極端にフロントヘビー、というほどでもないです。 この結果、RCメカの搭載位置で重心がかなり変わります。実はコレがMシャシーのダンパーセッティングに多様性がみられる要因のひとつ、と 筆者は見ています。
フロントはMシャシーのお約束として、0G時(持ち上げたとき)にある程度トーアウトになってしまうようなセットにしてあります。 サスアームのガタの関係で1G荷重時(地面に静置状態)にトーイン方向にタイヤが向くので、 トー角はあらかじめ走行時の状態を意識して決めなければなりません。 筆者の場合は走行時のトー角はほぼゼロの設定ですが、はっきりトーアウトを付ける人もいます。M-03のフロントサスは、 設計上、バンプイン(バンプするとトーイン方向に動く)が出るアライメントなので、 トーインを付けるのはお奨めしません。ハンドリングが神経質になり過ぎます。
今回優勝したTECTROのしじぃ選手は、昔から良くやっていらした手法で、バンパーといいシャシーといい、ありとあらゆる 部分にドリル穴を開けて軽量化していました。バンパーにもボッカリと大穴が3つ4つ・・・。筆者は、そんなことやると クラッシュが怖いので、やるとしたら単純にバンパーを外してしまうとかですが、今回はやっていません。今回はフロントスタビを 撤去したので、バンパーを取ってTL-01軽量シャシーのFRPプレートに変更しても特に問題はなかったんですが、 やはり、クラッシュのダメージが怖いので・・・。シャシーの肉ぬき等は特に行なってはいないので、 余計なパーツを外す以外、軽量化の余地はほとんどありませんでした。もちろんビス類は全部チタンですけど・・・。

フロントダンパーは、従来の仕様を継承してCVAスーパーミニにTRF/スーパーローフリ系のリテーナー(バネ受け)の組み合わせですが、 ダンパーオイルは柔らかすぎていたようだったので900番にアップ。 ピストンは2穴のままでダイヤフラムにはTRFダンパー用の赤スポンジを封入。今回は車高とストローク量を念入りに調整しました。 ボールエンドのネジをゴム系接着剤で仮止めしながら少し緩めて延ばし、ダンパー長を55.0mmに設定。 インナースペーサーは前回と同じ6mm+Oリング1個のままです。バネは、いずれもショートタイプの04赤と03青を選択候補として用意し、練習走行のフィーリングで04赤は硬過ぎと判断、03青に 落ち着きました。03ショート青バネの場合、アウタースペーサーは1mm(CVA系ミニ等に付属のもの)。 レース中は予選から決勝までずっとこのダンパー設定で不満はありませんでした。
ダンパーには手を付けなかったんですが、今回、前後バランスを微調整するのに活用したのが ホイールスペーサー。ツーリングカーではほとんど効果が分からなかったのでおざなりにしていたのですが、 F103GTで絶大な効果を見い出し、MシャシーでもF103ほどではないですがツーリングよりは明確に効果を 感じることができたので、初の実戦投入となりました。予選ではフロントには1.5mmのスペーサーを挿入、 決勝ではロングランの安定性確保と予選時より路面温度が低下することを予想して、1.0mmに減らし、ごくわずか フロントの踏ん張りを減らしました。 決勝ではフロント側の調整だけでなく、リヤにもパーティングラインつきタイヤを投入して、 グリップバランスを微妙にリヤ寄りに調整していたことは先述のとおりです。

写真のアルミ6角ハブはクランプ式が登場する以前のOリング式で、標準的な6mm厚のタイプです。
サーボも従来と同じ・・・のツモリだったのですが、これまで愛用してたサンワSRM-141HRの取り付け用の耳が レースの2日前の練習走行で割れてしまうアクシデントが発生、急遽、手元にあったフタバS9650に換装しました。 図らずも今回はプロポ(3PKスーパー)からサーボまでオールフタバ純正セットでの走行となりました。アンプはVFS-1ですけど・・・。

なお、サンワSRM-141HRはもう12〜3年くらい前の1994年頃に発売された、思いっきり古いハイスピードミニサーボ (主にトゥエルブ/F-1用)ですが、HRSモードではなくPCMモード (=対応受信機が古いR113ipなので従来の12マイクロ秒間隔制御のまま)で 走ったせいでしょう、3PKスーパーとの組み合わせでも特に違和感なくフツーに使えたことを特記しておきます。
サーボ搭載方法は従来どおりです。もともとS9650は90年代のベストセラーだったSRM-141HS/HRシリーズを 強く意識して取り付けネジ穴寸法が決められていました(だってそうしないとアソシRC12系とかに載らないしー)ので、 まったく調整不要でそのまんま交換できてしまいました。サーボセーバーホーンだけは規格が違うので別物ですけど・・・。
そんなわけで今回はリンケージ回りの見直しは特にやりませんでしたが、実は、スイフト付属の新型アップライトで 内側のピロボール位置を選択すると、舵角が稼げるのでサーボセーバーをsp.1000のハイトルクタイプに換装できます。 そうすると、サーボセーバーのサイズが小さくなるのでサーボ搭載位置をもっと下げることができるのです。 実際、優勝したTECTROしじぃ選手のマシンは、モノコックシャシー上面に両面テープでサーボを取り付け、補強として 通常タイプのサーボステーで上からサーボを押し付ける形にしていました。このほうがロールモーメントが減りますし、 M-03の弱点のひとつであるバンプステアの対策にもなりますからお奨めです。筆者も次の機会にはぜひやってみようと思います。
今回はレース中に思わぬアクシデント? が発生。なんと右側ボールアジャスターに突然深いキズを負ったのです。 何のことはない、クラッシュの衝撃でヒートシンクの角にアジャスターがカジってしまったせいなのですが、 いやはや、クラッシュの衝撃ってすさまじいですね。こんなにスキ間があっても間に合わないなんて。
適当な場所がないのでここで書いておきますが、今回もデフはRCTチューン伝統の「ギヤデフ」にコダわっています。 ただし、今回は「グリス塗り過ぎ」でチョット失敗! これまでのデフが軽すぎたので修正しようと、 前日のメンテでデフをバラし、今まで入っていなかったデフベベル用ワッシャを3枚 (=片側に2枚、4枚は入れ過ぎなのでこれが限界)入れたうえ、グリスも追加塗布したのですが、 この時、うっかりギヤの噛み合う部分に塗ったのが失敗でした。実はコレは「禁じ手」です。 デフの作動に伴う気泡や遠心力でのグリス飛散などで、走行中のフィーリング変化や径時変化 (セッティングの安定性)に問題が出るからです。久々なものでしたから てっきり忘れてましたー!<苦笑>。

(写真は都合によりTT-01のギヤデフです。悪しからず)
結果、組み上がったデフは、動き始めのデフ作動がちょっと渋過ぎる感じでした。本当は組み直すべきだったんですが、 面倒なのでフタのネジを緩めてベベルワッシャの圧を落として作動を軽くするに留めました。 どうせグリス飛んだら軽くなるしー、みたいな(笑)。 幸い、レース中にデフが軽くなり過ぎることはなく、デフ調整なんてすっかり忘れてレースを楽しんでいました。
先述のとおり、前後アップライトは、強度確保を重視したのと組み替えが面倒だったというモノグサな理由から 従来のM-03/M-04シャシーのまま(TL-01共通)です。ピロボール位置が固定で選べないのが気に食わない点でしたが、 M-03M用の軽量アップライトでようやく解決を見たのは嬉しい点です。





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