(posted on May 9, 2006)
(updated on Aug 1, 2009)
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F103GTシャーシキット(4)





左リヤのハブ部品はF103専用に新設計されたもの。
車高調ギヤケースの偏芯カムは、「2mm上げ」の位置がキット指定。実際にもこの状態が普通はベストです。 最もリヤが安定し、グリップを稼げる状態にしないと、コーナリング限界が下がってしまいます。

とにかく、まずリヤグリップを稼ぐのがセッティングの第一歩。その後、フロントグリップを上げていけば バランスは出ます。
ギヤケースの下にはCカーと同様の3mm厚のスペーサーが入り、F1とのタイヤ径の差異を吸収しています
代わりに、フリクションプレートの取り付け部に使われていた3mm厚のアルミスペーサーは廃止され、 帳尻を合わせています。

フリクションプレートの取り付けはキット標準では「丸タッピングビス」 ですが、穴径とネジ山の荒さの関係でガタが発生しやすく、位置決め精度に難があります。 改善するには皿加工して皿ビスにするのが一番です。これについては「RCTチューン」 のページでご紹介します。
スペーサーの関係で、モーター位置も上がっています。モーター缶が路面に擦れる心配が なくなるのはいいんですが、重心的には不利です。モーターは150g前後(全備重量の12%強) もあリ、バッテリーに次ぐ重量物なので、 コレが3mm上がると全体の重心にも大きく響くんですが・・・。 まぁ他のメーカーと競争するようなカテゴリーではありませんから、 極限的な低重心化を目指して専用ギヤボックスを新設計、なんてことはしないと思います。

(8/1/2009update)F104用としてギヤケースが新設計されました。コレは最初から車軸位置がF103より 上がっているので、変更すれば スペーサーは不要になります。交換が必要になった際のスペア候補になり得ます。ただし、この場合でも、 フリクションダンパーの取り付けに使うギヤボックス側のパーツは、キット標準のF103用ギヤボックス部品を 流用する必要があります。まぁフリクションダンパー取り付け部分はそんなに壊れることはないので、使い回せばいいでしょう。
F103GTのキット標準タイヤは、 op.220「スーパースリックタイヤ」です。ファイバーモールドA/Bほどグリップはありませんが、路面を選ばず良く食い、 温度変化の影響も受けにくくて夏でも冬でも使える、入門向けには実に都合の良い優れたコンパウンドです。 タイヤ幅27mmのいわゆる「ナロー幅」タイヤですが、 F103GTでは、組み合わせるホイールとして、タイヤ幅24mmの「ミディアムナロー幅」のホイールをあえて指定しているのが大きな特徴です。 タミヤGPでも、「キット指定の組み方」としてF103GTだけはこのタイヤ&ホイールの組み合わせを認めています。

キット標準のインナースポンジは、 op.156「インナースポンジハード(四駆・FFツーリング・ラリーカー用)」 となっています。ただ、メッシュなしタイヤの場合、インナーが柔らかいほうがグリップが上がる傾向なので、お勧めは op.113「レーシングラジアル・スリックインナースポンジセット」です。キット標準で組むと、 グリップの低さにガッカリするかも知れませんので、できれば最初からインナーはop.113に換えて組んでしまうと良いと思います。
最近はモールドインナーしか扱ったことがない方もいらっしゃるでしょうから、おさらいしておきますと、 インナースポンジは、一般に、合成ゴム系の接着剤で貼り合わせます(キットでも指示)。

筆者は、使い回す際の中古スポンジの 保管性を考えて、昔は両面テープ止めとしていました(バラせますから)。 ・・・が、実際問題として、インナースポンジというのは「使い捨て」が現実ですよね。 モールドインナーと違って、瞬間接着剤が染み込みやすく、走行で痛みやすいこともあって、良い状態で回収・再利用が難しいです (使えれば使えばいいんですけど)。
なので最近は、素直にゴム系で接着しています。
ただし、ひと口に「ゴム系」とはいいますが、天然ゴムが入っている 伝統的なタイプは経時変化で「継ぎ目」が硬くなってしまいます。お薦めはブタジエンゴムや酢酸ビニルなどのものです。 これなら継ぎ目が分からないくらい、しなやかに仕上がります。 透明の「セメダイン・ハイコンタクト」が良いとされてきた理由はここにあります。理由が分かれば、モノは 100円ショップとかで構いません。「原料」にちょっと注意して選びましょうね、ということです。

なお、インナースポンジは無加工だと断面が「長方形」で、ホイールに組むと、当然、リムの部分が圧迫されて歪みます。 そこで、以前はリムに当たるカドを3mm程度ハサミで切り落として使ったものですが、現在、この加工はタミヤGPでは「改造」と 見なされますので禁止です(2001〜2年頃から)。ローカルレースならやったほうがいい加工ですので、ご参考まで。
キット標準ホイールはミディアムナロー幅でオフセット0mmのディッシュホイールです。

ナロー幅のタイヤをミディアムナローホイールに組み付けると、トレッド面が余るので、湾曲して 盛り上がります。実はこれがF103でミディアムナローホイールを採用した狙いです。トレッド面を丸くすることで、 ショルダー部の引っ掛かりを防ぎ、転倒(いわゆるハイサイド)防止策としているわけです。

ナロー幅のファイバーモールドA/Bでハイグリップ路面を走ると、実に簡単にハイサイドを起こして難儀したものです。 F103GTでは、「ちょっとひと工夫」でトレッド面を見事に形状変更するとともに、タイヤもあえて「ちょっと落とした」 スーパースリックとすることで、取り扱いの簡便さ、磨耗、グリップの各面に 非常にバランスの取れたタイヤを実現したのです。有村さんバンザイ!(笑)
以上でシャシーキットの紹介はおしまいです。

F103GTの「第2弾」として、「クラージュLC70」(Item 58376、定価1万6800円(税別)) の発売も決まりました(06年8月23日発送)。 ただしキット同梱ボディは「塗り完」なので、オリジナルカラーのボディが塗れるように なるのは9月以降です。一刻も早くクラージュのスペアボディを発売して欲しいですね。 カーボンシャフトなどの新しいoptも期待して待ってます!

真冬の走行はさすがにムリですが、気温が10度以上あれば、路面なりに楽しめるハズですから、 寒くなっても、ぜひみんなでクラージュボディを組んで、F103GTを楽しみましょう!




このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています