(posted on Jul 31, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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ポルシェ934ターボ(4)






前のページを書き上げたところでスッカリ忘れてしまっていましたが、2006年の「タミヤRC30周年」キャンペーンの過程で、06年8月のモデラーズギャラリー@池袋東武と06年11月のタミヤフェア@ツインメッセで撮影してあった「元祖934キット(Item58001)」の貴重な資料を写真に収めていたのに、アップし損ねていました。一部はタミヤ世界戦2006のページで公開していますが、せっかくなのでここで未公開資料も含めて改めてご紹介しておきたいと思います。

RCTのコレクションとは異なり、メーカーコレクションなので、完成モデルのコンディションは基本的に「カタログ写真と同じ」です。出版物では見ることのできないアングルからもいろいろ写真を撮りましたので、大いに参考になると思います。
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タミヤフェア展示時の説明書き
こちらは池袋東武モデギャラでの展示
出版物ではまず見られないリアビュー。
バンパーなどの黒いモール部分は別部品なので取り扱いはラクとはいえ、仕上げを良くするには 塗装は必要なので、ポリカボディとは段違いにボディ製作は面倒臭いです。
これはタミヤフェア展示時のものですが、RCではなくてスケールモデル、しかも完成品「マスターワーク」シリーズとしての見本です。トップコートもちゃんとかかっていてダイキャストミニカーを超える完璧な仕上がりです。

RCとしての934は見慣れていますが、元となったスケールキットを知らない人がいると思いますので、どんなもんだかお見せするのにちょうどいいかなと。ボンネット上のタンクキャップの処理などに微妙な違いが見られます。スケールモデルとして組むと、こうなるんだ〜!へぇ〜。という感じです。

実はItem58001のレストアにこのマスターワーク製品が塗り完ボディとして使えんかな〜、とか思ったりしたのでした(ちょっと工夫すれば使えるはず。ただしムチャ高いですけど<苦笑>)
マスターワークの934の台座は、ディスプレイの効果をあげるため床部分が鏡面になっていて、シャシー下面が映り込むようになっています。スケールモデル版934の下面がどうなってるのか伺い知ることができます。
タミヤのRCキットのパッケージングは、基本的に、ビッグスケールシリーズで完成されたスタイルを踏襲しています。ボックスアートもそうです。当時から、主要なメカニズムのイラストをボックスアートの片隅に配置し、ユーザーの購買意欲に強烈にアピールしていました。筆者も、子供心にギヤボックスの絵を見てワクワクしてた覚えがあります。今となって改めて思うに、まさに俊作社長の営業センスがスマッシュヒット! って感じですね<笑>

パッケージ全体のデザインも、ヨーロッパ調のスッキリした大人風味に日本的な「情報テンコ盛り」のノリがうまくブレンドされた感じで、大人はもちろんのこと、「背伸びしたい子供」にも「購入の満足感」を大いに満たすものでした。何しろ、30年後のいま見ても、全然古臭く感じないところがスゴイ!と思います。30年間古さを感じさせないデザインって、まずないですよ普通。
箱組みを駆使して非常にキレイに整理されたパーツ収納はタミヤRCの伝統的な美点です。最近はコストダウンでビニール袋入りが増えてますが・・・。
金属パーツなど紛失しやすい小物を、ディスプレイ的な要素を盛り込んでブリスターパックにするという工夫が光ります。当時は万引き事件も少なく、プラモでもRCでも、買う買わないに関係なく店頭で箱を開けて中身を見るのが当たり前な時代でした。だから、ブリスターパックで特徴的なパーツがバーンと目に飛び込んでくる、という仕掛けは、当時、強烈なセールスポイントになったはずです。出荷前の検品もしやすいのでメーカーとしても都合が良かったはず。検品精度が上がれば労働生産性や返品ロスも減ります。まさに一石三鳥、四鳥を狙えたのがブリスターパックだったわけです。

こういう「見せるパッケージング」の工夫は他社でもやっていましたが、多分、元祖はタミヤなのではないかと思います(検証情報が手元にないのであくまで推察ですが)。

934限りで終わってしまった貴重なパーツとして知られる、プリント基盤式のスピードコントローラー(下に見えるのは標準の360モーター)。実は抵抗は使っていません!後述のとおり「電池ボックス専用」で、電池ボックスを「直列」ないし「並列」につなぎ替え、電圧を変えることでハイとローの2速を得ていました。前後進とも2速です。この頃はショートサーキットブレーキ(いわゆる今のブレーキ)機構は備わっておらず、バックに入れることで無理やりブレーキ代わりにする、でもパワーもスピードもないからそれでオッケー、みたいな、和やかな時代でした。

ところでこのスピコン、プリント基板式なので焼けや磨耗にめっぽう弱かったのですが、昔からオークションでもめったに出てこない「幻のパーツ」です。筆者は2003年頃、ヤフオクで未使用品が1万円で落札されたのを見たことがありますが、それっきりです。もともとspパーツとしての
販売はなく、企画部検査課(当時、後のアフターサービス課→現在のカスタマーサービス)扱いだったことに加え、第2作・ポルシェ935ターボの発売とともに、ヒューズ装備と小型化で大きく進化した第2世代の「2段変速スイッチ」に全面的に移行してしまったので、当時、あえて高くて機能性も劣る934スピコンを取り寄せようなんて人はいなかったのでしょう。

これも934限りで終わってしまった装備、ピアノ線をプレス加工した「針金バンパー」は、なんと無造作にキット箱内にポンと突っ込まれていたようです(ディスプレイが正しければ)。ホントかな〜? 通常は「箱」のなかに入ってそうなものですが・・・。



当時のボディはABS樹脂製で変形に弱かった(特にピラー部分)ので、押し潰されないように箱に補強を目的とした仕切りが入っていたわけです。角に配置されたパーツ小箱も「潰れ対策」に一役買っていたはず。

仕切りはポリカボディの導入とともに簡素化されましたが、934の販売当時はこんなに厳重なパッケージングを用意して商品を保護していたわけですね。
プラパーツの部品割を取り説で確認すると、プラモとまったく共通であることが分かります。従って、934に限っては、プラモからRC用ボディを組むことも可能です。素材がABSじゃなくてPS(スチロール樹脂)になっちゃいますけど。
唯一、プラモキットに入ってないのが、ドライバー人形や電池ボックス、スピードコントローラー関係のプラパーツを網羅した 「W部品(当時の価格でも送料込み600円!)」です。レストアでも入手に難儀していたパーツでしたが、先般、 タムテックギア・ポルシェ934(Item57101)の発売で同梱パーツ (部品番号9225088、送料込み700円)として復活しています。

ついで話ですが、タムギア934のライト部品やリヤウイング回りは、取り付け方法もパーツ割も違っている別モノです。 さすがにそこまで流用するのはツライと(笑)。





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