RC Car Trend Vol.5──────────────────── 98/07/13(発行部数:233部)

〜 Contents 〜
1. フェラーリ伊藤の雑記帳
2. TOPな人々(その2)
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1.フェラーリ伊藤の雑記帳

みなさんこんにちは。大変ごぶさたです。

いやいや、東京も事実上梅雨明け状態になってはや2週間近くになり、本当なら いよいよF1シーズン到来!・・・てな感じで渋谷TOPにくり出すところなのですが、 何せ先月末に移った新しい職場はベンチャーキャピタル、若いパワフルな経営 者の方々が夜な夜な押し寄せてきて、毎晩我が社はサロン状態。社長が下戸な ので酒は出さないけれど、話込んでいると毎晩帰りは深夜・・・という状態で、なか なか夜のTOPに出向くのは難しくなりました。何せ夜9時までに渋谷に行くのさえ 難しい。今後はラジマガ8月号198-9ページに紹介された、晴海の「東京レジャー ランド」を活用する機会が増えそうです。話によれば、晴海の広さはROX3並みだ そうで、とてもTOPには及ばないし、カーペットなので自分にとってのデータの利 用価値は低いですが、とにかく天気を気にせず走れる場所が下町にできたこと は非常にいいことです。パーツショップがないのが致命的な問題ですが…。

さて、そうはいっても土日はバッチリ休みなので、5日(日)は久々に日中のTOP を楽しんできました。6月末のレース後、TOPはコースレイアウトが変わり、ヘア ピンが多いストップ&ゴー的なコースになっています(近日中にレイアウトをHP にアップ予定)。当日持ち込んだのは、発熱のひどかったテンペストから新品の キーエンスA-01(新型)に換装したTA-03R(w/ダイナラン・スーパーツーリング 進角4目盛)。30度を超える炎天下でツーリングなんて自殺行為は本当は趣味 でないのですが、F1に付いていた旧型A-01をひょんなことでブローさせてしま い、修理中なのでしょうがない。アンプの耐熱テストには悪くない条件だろう(こ んな緩い(?)条件でヒートプロテクターが作動するようなら使えんぞ、という 意味で)と開き直って、いざ始動です。

気が付いてみると、常連の多くはF1。そうだよなあ、やっぱ夏はF1だよねえ、と 思いながら、「ま、目標タイムはF1の0.5秒落ち(遅いF1をカモれる範囲)だから いいか」なんて訳の分からない納得の仕方で走りはじめました。セッティングは この3、4ヶ月でだいぶ煮詰まってきていたので、3週間ぶりに走ったのに、クル マの挙動は最初からほぼ狙いどおり。・・・狙いどおりの微弱アンダーなのです が、スロットル握ると滑る滑る! 見ていた人にも「コーナー出口でケツ出まくっ てますねー」とか「(笑)あーんなセットじゃダメだよー、タイム出ないよ」などと 言われましたが、本人はいたってニコニコです。実をいうと、セコいことに、数年 越しで使っているスーパースリックを履いていたのでした。もともとドリフトは好 きなので、「頭文字D」の走り屋よろしく、ヘアピンの入り口で「うりゃーっ」と思い っきり車体を横に流して後続車の行く手を塞いだりして遊ばせてもらいました。

(低次元のセッティングなのであまり意味ないですが、この時の状況は・・・)
インナー:F/モールド黒、R/ハードスポンジ(いずれもタミヤ純正)
ダンパー:前後とも青バネに最も厚いスペーサーを各一枚
オイル:F700/R400番

実は、もう一つセコイ話をすると、何と私は06モジュールのギヤを使っていた のです。だって04はすぐにギヤがナメて、ランニングコストがやたら高くつくん ですもの。どうせ熱変形や摩耗ですぐ交換するんだったら、安い方がいいで す。それに、セッティングの大きな方向付けをするには、ギヤ比の段差が大き い06のほうが違いが分かりやすくて適しています。事実、この日もパワーオン の際のスライド量の違いをみるために、ピニオンを18〜16枚と1枚ずつ変えて いきましたが、実にはっきりと差が表れました。結局、この日は17Tで決着。

・・・しかし、昔はちゃんとSスリックで走れていたし、まして当日はチンチンに暑 かったのに・・・と思うと、改めて路面ミューの低下ぶりがうかがえました。まあ、 今ではBコンパウンドというのがありますから、真面目にタイムアタックするとき にはこちらを使えばいいわけですが。

当日の私は、Bを終盤2パックだけ使用し、Sスリックより1秒強アップの14秒前 半のタイムが出たところまで確認しておしまい。ダイナランSTでは、これ以上 やっても無駄。タイヤもリムからめくれてハイサイド(転倒)しまくってるし。13秒 台を出すには、もうちょっとパワーが欲しい。ありすぎても駄目だけど。むしろ、 コーナリングスピードが上がったせいで、コーナーでの荷重移動がかなり大き くなっている(片輪走行しそうな勢い)ので、バネレートを下げて、縁石に乗って も安易にコケないようにすることの方が重要そう。あまり流行ではないようです が、次回はスプリングを青から黄へ換装してみましょう。現状ではサスがトラク ションを得る側に振られ過ぎています。決勝用にはいい感じなのですが。

代わりに今回、念入りにやったのは燃費テスト。こちらは、かなりスムーズな 運転を心がけ、アベレージ15秒フラットまでペースを落としたのに何度やって も22、3周しか持たない。ミスがないので走行時間は5分半ちょっとと計算通り。 「15ターンだったら25〜8周行くはずだよ」と言われましたが、ダイナランはアク トパワー・ツーリング(15T)より燃費が悪い(最高効率時の消費電流はアクトT の21Aに対しダイナSTは26A、ちなみに13Tのアクト・オフローダーは31A)し、 進角もだいぶ付いているので、ま、こんなもんかな。

・・・いやー、それにしても、最近、夜ばかりやっていたので、夏の日中は暑くて たまらん、というのが正直な感想でした。こりゃますます晴海に足が向いてし まいます。でも、14日はお待ちかねのM-03ミニの発送日(入荷は15日予定)。 しっかりゲットして、早くこの手で走らせてみたーい! ・・・タミヤのEXP認定者 だと、タミヤレースにまるっきり出られないのが寂しいけれど・・・。

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2.TOPな人々(その2)by Y.Mishima

このコーナーは、渋谷トップサーキットを彩る様々な人たちを、筆者の独断と 偏見により描き出すドキュメントです。

―――― 北澤 秀郎(きたざわ ひでお) ――――

タミヤレースに関心の方なら、一度はこの名前を聞いたことがあるんじゃない でしょうか。タミヤ使いの名手・ひでろーこと北澤秀郎君です。

彼の戦歴については、あまりに参加レースが多すぎてはっきりと書くことが できませんが、全国的には96年のタミヤグランプリF1全日本チャンピオンとい うのがわかりやすいでしょうか。ホントはタミヤ青山GPのエキスパートクラス で連戦連勝を重ね、当時まだ高校生だったにもかかわらず、93-94年と2年 連続でシリーズチャンピオンに輝いたことのほうがエラいような気がするので すが。いずれにせよ、TOPのエキスパートの象徴といっても過言ではないで しょう。(ちょっと誉めすぎ?)

そう言えばこんな話があります。彼は普段ウィリアムズルノーのボディをの せたF1で練習をしています(好きだったセナが最後に乗ってたのがFW16 だったので)が、あまりに速いんでたいていの人は道を譲ります。私ぐらいの レベルだとしょっちゅう譲ることになります。そうすると、ウィリアムズに対して 条件反射のように道を譲ってしまうんですね。こうなるともうパブロフの犬で す、まったく関係ない車でもウィリアムズというだけでラインを開けてしまっ て、あれ?なんでひでろーあんなに遅いの?というところで気がつきます。 常連なら何度か経験したことがあるのではないでしょうか、ひでろーと一緒 に走るときは、アンテナの色とかチェックしておきましょう。

94年に発売されたタミヤの全日本チャンプ・レプリカをご存知でしょうか? ザウバー・ボディー付きのやつです。優勝した石山さんの手前、大きな声で は言えませんが、あの企画はそもそも、ひでろー君が優勝する前提で考え られていたものだったのです。青山&全日本のダブルチャンプを取ったら、 そりゃ最大市場である関東のユーザーが黙っていても買ってくれるだろう、 という読みもあったのでしょうね。ただ実際のレースでは、TQ&レース途中 までリードを取ったまでは良かったものの、周回遅れの処理に失敗、Fウイ ングが周回遅れのどてっ腹に突き刺さり、マーシャルがもたもたしていたと ころを(そりゃ普通、EXPのレースでクルマ同士が絡まって取れなくなるよう なクラッシュって、まずないですものね)石山車に抜かれてしまったのでし た。ひでろーフリークとしては残念なところです。(編注:でも、タミヤ的には、 軽量化も何もろくにやらず、参加車中最も重いことで有名だった・・・青山で はEXPの分際?でディフューザーを付けて走ったこともある・・・さすがにス トップランプユニットはないけど・・・という北澤車をレプリカにしても、何も 面白くなかったかも知れませんね)

そういえば、最近彼もパソコンを買ったそうです、IBMのThinkPad。もしかし たらこのメールマガジンも見ているかもしれないと思うと、へたなこと書けま せんね。もっともパソコンと一緒にステカ(パソコンで制御するステッカーの カットマシン)を買って帰るぐらいのつわものですから、それどころではない のかな。

最近はタミヤ関係のレースばかりでなく、谷田部のラウンドなど、いろいろな レースに積極的に参戦しているみたいです。コドモだった時は「タミヤ、タミヤ」 と言っていた彼も、今年からは嬉し恥ずかしヨコモワークスになりましたし(で も、まだ気持ちはタミヤ)。で、さすがのひでろーもレベルの高いレースになる と目が真剣です。(決してTOPで手を抜いているというのではないですよ)本人 は“そんなことないですよ”と言っていますが、かなり負けず嫌いです。まあ あのぐらいのレベルになると、いいかげんに走るなんてこと出来ないんでしょ うけど。TOPのシリーズランキングも忙しさの影響か現在2位と、ちょっと不満 そうです。もっとも1位の山本君(この人も楽しい人なので後々登場してもらい ます)だって異様に速いですから、ひでろーも手を抜いている暇なんて無い でしょうけどね。F1に感心のある方なら一度は彼の走りを見ておいて損はな いと思います、決して速そうな走りかたではないですが、やっぱり速いです。 F1の事ばかり書いていますが、ツーリングカーも速いです。これも見た目に は速そうじゃないのですが、なぜか速いです。きっと速いというより“上手い” んだろうなー。エキスパートの人は“上手い”という形容詞がはまりますね。 勉強になります。

(編注:一発の速さよりも、このレベルになってくると、むしろ粒の揃ったタイム を何周連続して刻めるか、という安定性・正確性に注目すべきです。速いけど ミスも多いJ.アレジとミスのないA.プロストやM.シューマッハの違いです。レー スでの勝負強さというのはこういうところに表れるものです。それはそうと、最 近、TOPの掲示板に、ヨコモ通信のチームメンバー紹介に出たひでろーの記 事が貼ってあります。いろいろ落書きされていますが、一番笑えたのは、本 人が「一応、無事故無違反」を主張しているところに、「うそ、1回刺さった」と 落書きされたやつ。私も、その修理の話は耳にしていたので(色違いのバー がこれ見よがしにFグリルあたりを渡ってて、「おまえ、それじゃ「私、事故りま した」って言ってるようなもんだぞ」とツッコまれた、とかなんとか)。うーん、 秀朗、ちっとも変わってないなあ。でも、そんなんで命を落としても何の役 にも立たないことだし、スピード違反はサーキットだけにしましょうぜ)