(posted on Aug 8, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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タムテックギア934・RCTチューン(3)





では次に、メカ積み&リヤセクションの説明をしていきましょう。

受信機はお気楽にセット標準のTRU-02(AM)なんですが、今回は軽量化に力を入れてみたので、 1gでも軽くしようとシュリンク処理(具体的な方法はこちら)。

今回は面倒くさいことは避けたかったので、単純に適当な長さの単セル用チューブに入れて縮めて 穴開けしただけ。接着剤レスで処理しています。
シュリンクにしてしまうと、コネクターの向きや挿す順番が分からなくなってしまいがちなので、自己責任で ちゃんと管理しましょうね。イマドキの受信機は、フエィルセーフで+−を逆挿ししてもいきなり 基板が焼損することはないとは思いますが、最悪、そういうこともあり得ますので・・・。

コネクタの向きが分からなくて困ったときは、もともとのケースを見れば分かります。でも、種類が増えてくると、 どのシュリンクがどの受信機だったかすら分からなくなってくるので、どこかにメモっておくとか、 機種名の判別もつくようにしておくといいですね。
GT-01では、親切なことに、ドライバー人形ステーがAMBポンダーステーを兼ねています。しかも、AMBが RCカー競技用に発売している「マイポンダー」の取り付けもできちゃうネジ穴まで開いています。 これはTB-Evo5から導入された新趣向のようで、Evo5付属のポンダーステーにもマイポンダー用ネジ穴が開いています。

ドライバー人形を搭載するなら、ステーは左側が標準、しかもステーマウントの「上から」出するところですが、 AMBポンダーを搭載するなら、メカ配置との左右のバランスを考えて右、しかも「下から」出したほうが重心位置が下がります。 キットの組み立て指定では、右側サイドポンツーン部分には受信機が載るのですが、「ポンダーの真下に受信機」では いかにも受信条件が悪いので、いくら「(受信機への悪影響で定評ある)マイポンダーによるノーコンテスト」もクリアした 実績あるTRU-02といえども、ポンダーから離して搭載するのが望ましいかなと。


サイドポンツーン左側には、モーターと最短距離でつながる場所に、XBセット標準のTEU-102BKアンプをセット。


GT-01+スポーツチューンSPTによる「スーパータムテック」クラスでは、「RCメカ自由」となっています。 ですから理屈上はVFS-1コンペ2とかMC-850といったハイスペックアンプが出てくる余地があるんですが、 いくら何でも、「たかだか実売7000円ぽっちのクルマにそりゃナイだろう!」って気持ちが強いので、「RCTチューン」 としては、「XB標準セットをフルチューンしてどこまで戦闘力を確保できるか?」ということを追求してみたかったのです。
スポーツチューンSPTがいくら高性能とは言っても、バッテリー性能を考えると、走行時は たかだか瞬間最大10A流れるかどうか、平均すれば2〜3Aがいいところ、という感じです。ということは、 消費電流が50Aとか80Aといった次元でこそ真価を発揮するVFS-1クラスのアンプを積んだところで、 いかにも「宝の持ち腐れ」です。 聞くところでは、設計上、TEU-102BKはマブチRS-380SHクラスまで回し切る実力を備えているそうですから、 これで十分だろうと考えました。実際、走行しても発熱は皆無ですし。

そこで、当作例では、TEU-102BKの「弱点」を潰すことに注力しました。具体的には、 1)モーター用コードを太くして導通を改善する、2)バッテリー側は太くできないので距離を詰める、 3)キャパシタを追加してパンチアップを追求する、といった按配です。スイッチもRCTチューンでお馴染みの 超小型ディップタイプに変更して軽量化。
実際には、モーターコードはモーター端子に直ハンダ付けできるので16GAまで太くしました。 本当はバッテリーコードも太くしたかったのですが、適当なコネクターが見当たらないし、アンプ側のハンダ付けスペースも限られていて 装着が困難なので、今後の課題としておきます。でも、現状のバッテリーコードはいかにも貧弱で、 使い込むとアンプ側ハンダ付け箇所から切れちゃいそうです。

なお、キャパシタは、もともと GB-01「マイティフロッグ」のチューンの際に 「RCTオンライン頒布コーナー」で紹介している 「パワーキャパシタ1000」をアンプの上に搭載していましたが、 今回さらに、アンプ後部に 「エクストリームキャパシタ1800」を追加し、 計3800muFという「ちょっとヤリ過ぎ(笑)」なまでにスープアップしています。 おかげで立ち上がりのパンチはハイエンドアンプに引けを取りません(笑)。
スーパータムテッククラスでは、OG-37スポーツチューンSPT(スプリント)までが認められているので、 素直にコレを装着しています。スペックは4045、つまり0.40mm線のシングル45ターンです。ちなみに OG-14スポーツチューン(並)のスペックは3265=0.32mm線のシングル65ターンです。

消費電力が増え、発熱対策が必要かなぁと思ってOG-28ヒートシンクモータープレート(ブルー)(税別定価1300円) に換装していますが、実際にはあんまり発熱はありません。たぶんバッテリー性能が低すぎるせいです。でも、 走行後はそれなりに暖かくはなっているので、余裕があるなら付けておいたほうが無難です。 決して「ぜひ必要」というレベルではありませんので念のため。
左上の写真は6月出走時の仕様で、7月出走時には左写真のとおり、モーターガード周辺をカットしています。 これも軽量化を推進した結果です。ポルシェボディのリヤオーバーハングは追突の衝撃を吸収するのに十分なサイズなので、 モーターガードなんて要らないわけです。その分軽量化して、ウエイトとして重量バランス調整に使えたほうが戦略的なわけで。 リヤセクションが開断面になることで剛性低下が気になるところですが、 モータープレートが補強メンバーになるのでほとんど問題になりません。
さらに今回は、リヤサスシャフトホルダー下面を削り込み、バッテリーホルダー部分からほぼ面一な シャシー下面を実現しています。

これは、リヤセクションの車高下げを推進しつつ、十分なサスペンションストロークを確保するためです。 車高を下げるだけなら、単純にダンパーストロークを詰めればいいのですが・・・。

同様の理由で、リヤのCVAダンパーのシリンダーにはショートタイプを装着しています。標準長シリンダーは ストローク不足になってしまうのでフロント用に回してあります。 リヤダンパー長は57.3mmまで詰めています。ちなみにバネはOG-19セッティングスプリング(ショートタイプ)の ハードを選択していますが、これでもかなりバネレート的には「ビヨンビヨン」です。プリロードがかなりかかっているので 間に合っていますが、早いところ、もっと硬くて短いバネを出してもらって、 ちゃんと普通にリバウンドストロークを設定できるようにしたいものです。
これは6月仕様の写真ですが、このときはリヤサスシャフトホルダーの削りを行っていなかったので、 中央部が出っ張っています。この「出っ張り」が路面と干渉するのを避けるため、6月仕様では、 本来設定したかった車高より2mm程度も高めの設定にせざるを得なかったのです。スケールが1/10から1/12に落ちると、 同じ2mmとは言っても、その意味(影響度)は2割も違ってくるわけですから、無視できません。 そもそも1/10だって、2mmも車高が違ったら大違いでしょ!?
ついでなのでこの場でバッテリーのグラステープ止めの要領をご紹介しておきます。着脱は剥がすための「耳タブ」を最初にテープ端に 設けておけばカンタンです。数回なら同じテープのままイケますから、自宅で用意しておけば、レースイベントなら決勝まで無交換で持ちます。 写真では、タミヤ製のグラステープを使用しています。グラステープとしては割高なほうですが、 テープ厚があって擦れに強く、粘着力もかなり強いので、こういう用途には向いています。
テープの先端はドコに付いてるの? と思うかも知れませんが、GT-01のアッパーメンバー(ロールゲージ)の先端には バッテリーが飛び出さないようストッパーが設けられているので、これを「のりしろ」に利用しています。
グラステープ処理のキモは、「ピンと貼る」ことに尽きます。たるんだらバッテリーが路面に擦れてアウトです。 でも、ちゃんと貼ってあればバッテリーが路面に擦れることはありません。

グラステープ止めしてあれば、バッテリーホルダー(フタ)の走行中の脱落、といったトラブルは皆無です。 実は、タムギアではコレが結構あります。回転式のロックを閉めたツモリで、実はツメが引っかかってなくてフタが外れることが よくあるんです。構造上、仕方ないので「フェールセーフ」としてはグラステープ処理のほうがいいと思っています。 もちろん10g単位という「劇的」な軽量化も実現しますし。「フタ」はシャシー強度にはほとんど寄与していないので、 「要らないなら、無くしたほうがいいよね」的な部品ですし。 確かに、「腹ワタ」をブラ下げて走るのはチョット不安があるかも知れませんが、気のせいです(笑)。
バッテリーとアンプの接続は通常とは逆の取り回しで最短距離を実現。バッテリーコネクター取り出し口周辺を 軽量化も兼ねてリューターで切断・開口して取り回しやすくしています。(写真は6月仕様)
ヒートシンクビームは、OG-28のブルーのモータープレートのみの設定です。OG-10のピンクのモータープレート には付いてきませんから注意。定価が600円も違いますから気付くとは思いますが・・・。

デフについては特にコメントする場が無いのでここに書いておきますが、加速重視である程度固める方向にしてあります。 通常は「スルスル」が好みなんですが、独立懸架サスを持つリヤ2駆車では、イン側タイヤのリフトにより Rのキツいコーナーからの立ち上がりでどうしてもデフがスッポ抜ける傾向があり、それだと立ち上がりが悪くなるので、 コーナリング特性が悪化しない範囲でデフを固めているのです。でも、タムギアのボールデフは容量が小さいのであまり ガチガチにはできません。メいっぱい締め込んでも結局回ってしまいますので、やたらと締め込んでも意味ないのです。 本格的に固めるには、アッセンブリをバラして対策する必要があります。
先述のとおり、モーターカバーは取り外してあります。オンロードのサーキットを走るなら、ダストカバーは特に必要ありません。 あるだけ重くなるだけで、レースでは意味ナシ、と判断しました。もちろん、走行する場所によってはあったほうがいかも知れませんから 絶対、とは言いませんが、こと「レース」つまり限界の走りを追求するなら、余計なモノは取り去って、ギヤが痛んだら交換すりゃいいだけ、 と割り切るくらいの気概は必要でしょう。

なお、カバーと共締めでロールゲージをネジ止めしている部分がありますので そこはネジを戻しておきましょう。でないとシャシー剛性が落ちてしまいます。
GB-01/GT-01シャシーの駆動系には簡単なスリッパークラッチ機構が盛り込まれているわけですが、 実際に走らせてみると、案外、この構造がクセモノです。・・・というのも、スリッパークラッチの 容量が小さくて、割と簡単にスリップしてしまうんです。オフロードの場合はジャンプやスタートに影響しますし、 オンロードのGT-01の場合も、スタート時の加速やコーナーの立ち上がりで駆動がスッポ抜けたような感じになり、 前に出ないので「れれれ?」となります。最初はてっきり、ボールデフが滑ってるのかと思いましたが、 そうではありませんでした。紛らわしいので気をつけましょう。ノーマルモーターならパワーが貧弱なので問題が出ないんですが、 スポーツチューンに換装すると、テキメンです。ブラシレスやらリチウムポリマー電池やらを盛り込んだら、一体どうなるんでしょう??
最大の原因は、スリッパー機構に組み込むバネの圧力不足。要するにバネが弱すぎるんです。ただ、 仮にバネをもっと強化したとすると、今度はスパーギヤ回りなど樹脂パーツが変形や割れを起こしそうで痛し痒しです。

実際、作例では左のようにバネが変形してしまうくらいメいっぱい締め込んでいますが、当初はクラッチ部分に ボールデフグリスを塗布していたので、マトモに加速してくれませんでした。つまり、スリッパー部分には何も塗ってはいけない (むしろ脱脂すべき)、ということです。それでも足りない感じだったので、作例では最終的にはゴム系接着剤を 摩擦面に塗布して「仮止め」しました。完全に接着するのは避け、万一の「逃げ」は確保しておいて(駆動系保護のため)、 仮に滑ったとしても、ゴム系接着剤が絡んで滑りを抑制する按配です。これでようやく、マトモな加速を得られるようになりました。 トンだ部分で足元をすくわれるところでした。危ない危ない(汗)。
前後タイヤのキャンバー設定はこんな感じ。
(後ろから見ています)
ロールに伴うキャンバー変化を見越して、キャンバー変化量の多いフロント側をやや起こし気味にしてあります。 具体的には、フロント0.5度、リヤ1度くらいです。
リヤのキャンバーはもっと立ててもいいような気がするんですが、実際にはコーナリングでアウト側のタイヤショルダーがかなり磨耗しています。 写真のタイヤは、インナーなしのop.222 Mシャーシスーパースリック(OG-34相当)ですが、 練習走行とレースを含めて、タムテックギア専用ニッカド(500mAh)3パック分程度のフル走行をした感じでの状態です。 トータル15パックも走らないうちに終わってしまいそうな感じです。

ただ、このことを裏返せば、OG-34は予想通り「エッジで食ってる」わけですから、インナーなしが最も食うのも道理にかなっています。
余談ですが、GT-01用のメッキホイール(左側)とGB-01用のオフロードタイヤ用ホイール(右側)ではリム幅は前後とも同じ20/25mmですが、 リムの深さが違うので、安易に互換は効きません。やってできないことはないと思いますが、 バギー用タイヤをリムの深いオンロード用ホイールに装着するのは可能だとしても、その逆はホイールからタイヤが浮いてしまって 困難でしょう。いずれにしてもタミヤGPではNGな手法です。

なお、メッキホイールのリム部分は、写真のように接着前にメッキを剥がしておきましょう(食い付きを良くするため)。 販売中のスペアホイールは、ロットによってはリム内側部分がマスキングされてメッキされているのでメッキを剥がす手間が 若干軽減されますが、どっちみちリム上面(タイヤが接着される一番外側に近い面)にはメッキが残っていますから カッターで丁寧に取り除きましょう。
メいっぱいグリップが欲しいリヤタイヤにはインナースポンジ不要ですが、フロントタイヤは場合によっては 過大なグリップを逃がす意味でインナーが必要かもです。インナースポンジは、 切断面を接着しておかないとヨレやすいので、しっかり接着しておきましょう。 昔はタイヤのリム側の角をハサミで切り落としたものですが、現在のタミグラルールでは「インナーのカット加工禁止」なので、 写真でも特に加工はしていません。「接着」については、取り説で指示されている内容なので問題ナシです。

インナースポンジの接着は、合成ゴム系がベストです。更に言うと、経年変化が少なく、接着面の柔軟性を保つ点で、 天然ゴムが入っていないものを選んだほうがいいです。よく言われるのは、 セメダイン・ハイコンタクト(透明のタイプ)ですが100円ショップの類似品でも全然構いません。接着する両面に塗布し、 半乾きにしてから貼り付けるのが上手な接着のコツです。
今回は満を持してバッテリーも追加購入しましたが、そのロットは「LA」つまり07年1月製でした (解説はこちら)。在庫回転は結構進んでいるようです。 とはいえ、同じ店には06年製のロット(K*)も残っていました。むろん、できるだけ新しいロットのほうが劣化が少なくて有利です。 今回買ったロットのほうが、従来手持ちのKCロットより充電量も多く入り(750mAhくらいまで入りました)、放電量・電圧面でも 有利な値を示しています。せっかくなので、レースでも当バッテリーをフル活用しました。

説明は以上です。いかがでしたか?
結果的に各部のセッティングはかなり極端に割り切ったものになってしまいました。 マネするのはなかなか困難かも知れませんが、何かヒントになれば幸いです。ハイグリップタイヤがあえて「タイプ1」と 命名されていることからも察せられるとおり、今後もどんどん新パーツが出てきそうな予感・・・なので、 「タムギアの世界」はまだまだ発展しそうです。・・・ということはまだまだセッティングにも改良・発展の余地があるってことですよね。 楽しみです!ではまた〜。




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