(posted on Jul 12, 2007)
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ユーノス ロードスター(M-04M)
RCTチューン'07プロト(2)




ギヤ比一覧表旧・M-04L製作記(99年7月〜)タミヤHP(M-04Lビートル)M-04Mユーノス取説

ここからは例によってシャシー各部のポイント解説です。まずはフロントから。
M-04系のフロントバンパーステーは専用スポンジ(確かTB-01用カーボンシャシー用バンパースポンジと共通だったような)の装着を前提にした独自の形状です。M-03用のバンパー(前後共通)とは取り付け穴位置等が一致しないので、フロントにM-03用バンパーの取り付けは不可です。念のため
フロント回りのポイントは、sp.1238の軽量アップライト&Cハブ採用とこれに伴うアライメント の変化、それからダンパーセッティングです。「重心」や「デフ」と並んで、 フロント回りのセッティングはM-04系の走りを大きく変えるポイントですから、しっかり ポイントを押さえてください。

このうちダンパーについては、前ページで解説した通りです。TRFダンパーなのでピストンはテフロン製。 ピストンは3穴ですが、オイルは初期のフワフワした動きを抑えるため、荷重見合いとしては硬めの設定になる400番であえて組んでいます。ダイヤフラムへの詰めモノは初期のTRFダンパーで標準だった 赤スポンジです。バネはツーリングカー用としては最も柔らかい、M-04系標準の金バネ(部品番号9805921、270円)です。「金バネ」にはこのほかにもTA04用キット標準品もありますが、あちらはop.440オンロード仕様ハードスプリングの黄とほぼ同等の硬さなので注意してください。
ポイントは、とにかく、リバウンドストローク (ピロボールのガタによる分は無視して構いませんが)をゼロにすること。そのためには、 あらかじめアウタースペーサーでバネを一定量圧縮しておく(プリロードをかけておく) ことが必要です。 そうすると「ダンパー長」の設定が重要になってきます。作例ではリバウンドを見込んだ量として56.0mm(ダンパーエンド外側で計測)でダンパーを組んでいました。M-03/04にはダウンストッパーがないのでリバウンド量を変えるにはいちいちダンパーをバラす必要がありますが、「暫定仕様」の今回は面倒臭いのでダンパー長の変更には手をつけませんでした。
これは、レース前の時点では、他の人がフロントダンパーをどうしているのか知らなかったので、「リバウンド量ゼロ」をデフォルトにしていいのかどうか、踏ん切りがついていなかったこともあります。車高に目をつぶれば、アウタースペーサー(アッパーリテーナー)でバネを圧縮すればリバウンドはなくなり、それで十分な特性変更が行えることを事前に確認していたので、とりあえず今回は、アウタースペーサー調整で現地での最適なリバウンド量を探ろう、と考えました。結果的には、やっぱり「ゼロ」がいい、ということになったので、次回からはそれを前提にしたマシンセットに進化する予定です。

アップライトはsp.1238の軽量アップライト&Cハブに換装してアップデート。これまでのところの使用感としては、強度は十分なようです。もちろん激しいクラッシュを繰り返せば保証の限りではありませんが、例えば軽量リバサスのようなモロさはありません。
なお、写真は撮っていませんが、フロントアップライトには「上下」があります。左上の写真でチラリと見えるように、ピロボールの取り付け穴に座受けがモールドされている側が上です。逆に組んでしまうと、バンプステアが酷くなる方向のアライメントになってしまいますから注意してください。

sp.1238のCハブやリヤアップライトは、寸法的には従来のTL-01用と互換なので、そっくり交換しても キャンバーや車高が変わるわけではないのですが、キングピンネジがTL-01用と全く異なりますから注意しましょう。sp.1238の取り付けにはTRF414/TA-04用キングピン(sp.882、150円)が必要です。 また、現状のタミヤGP規定では、 sp.986の414Mピロボールキングピン(200円)を使ったアッパーアームのロングスパン化はNGです。
sp.1238にはピロボール取り付け穴が2ヶ所ありますから、この選択でアッカーマンと舵角(というよりもステアリングの動作スピード)を調整できます。筆者は、昔からステアリングサーボの遅れを非常に気にするタイプなので、サーボホーンはできるだけ大きくして、少ない動作量で最大限の舵角を取ることで実質的なサーボスピードのアップを図るのがクセになっています。この作例でも例に倣ってアップライトのピロボール位置を「内側」に設定したのですが、ここで問題になったのが「アッカーマン」です。
Mシャーシの場合、アッカーマン設定は、コーナリング時のロール量とそれに伴うバンプステアの変異量との絡みでステアリングフィールに非常に大きく影響するポイントです。端的な話、キット標準のサーボセーバーの ピロボール取り付け部の山台(出っ張り)をニッパーでカットしてピロボール位置を下げて取り付けるだけでもバンプステアが軽減されて劇的に運転がラクになります(TL-01と同じ話)。もちろんこの作例でも出っ張りをカットしています。

当初は、アップライトのピロボール位置を内側にすれば、sp.1000のハイトルクセーバーが使えると思ったのですが、いざ装着してみると、タイロッドの「バンザイ」があまりにキツく、フルロック時のアウト側の舵角が足りないことが判明。結局、TL-01等と同様、キット標準のサーボセーバーにハイトルクセーバーの一番外側のバネを装着して対応しました。
この状態で、所定のトー角を前提にバンプステアが加わるとどのようにアウト側の舵角が変動するかを示したのが一連の写真です。バンプステアはあるんですが、まぁこの程度なら許せます。というか、「ロールしたらグッと曲がり込む」特性を得るには、このくらいのバンプステア(バンプイン方向の)はあったほうがいいかも知れません。本当は、アウト側のタイヤがダンパーに当たるくらいまで舵角が欲しいんですが、フロントタイヤを食わせればコレでも十分曲がるので、とりあえず今回はコレでOKとしてみました。
この状態で、1G荷重時にタイロッドの位置関係がどうなっているかを示したのがこの写真。 サーボセーバー側の山台をカットしているおかげで、タイロッドがほぼ水平に寝ています。 この状態では車高が10mmくらいもあるので、通常の5mmくらいまでに下げれば、タイロッドの位置関係は さらに望ましい状態に改善され、バンプステアも一段と緩和するハズです。
サーボ取り付け位置は、重心の観点から極力下げたいところですが、サーボセーバーの動作が干渉されないよう注意が必要ですね。
そのサーボなんですが、作例ではフタバS9650を採用してみました。ローハイトの9550でも良かったんですが、 フロント荷重が小さいリヤ駆動車なので9550はオーバークオリティだろうという点と、軽量化を優先しての選択です。
ただ、実際に使ってみると、サーボの取り付け位置がシャシーから遠過ぎて、 クラッシュすると衝撃でサーボ取り付け位置がズレて、ニュートラルに影響することが分かりました。 なので、S9650の使用は、クラッシュしない「エキスパート限定」のチョイス、ということにしておきます。

クラッシュでニュートラルがズレるのは、サーボステーが2点ネジ止め式ゆえ位置決め剛性が低いからです。あと、シャシーフレームが 衝撃でヨレちゃう、というのもありそうです。 M-03R同梱のアルミサーボステーのように4点ネジ止めにすれば、ある程度は解決しそうなんですが、 M-03R用のアルミサーボステーがS9650にフィットするかどうか分からない(多分ムリ)ので、 差し当たり、致命的な問題でもないことですし、そのまま放置しています。
作例で使っているサーボステーはop.308のアルミサーボステー(650円)です。 既に流通在庫しかないようなので入手が難しくなりつつありますが、長さ的にドンピシャなのであえて採用しました。 もちろんop.596のショートステーにスペーサーを追加しても長さは同じなんですが、 どうしてもスペーサー部分でズレたりして取り付け剛性が落ちてしまうので、良くないです。
シャシー裏側は、サーボホーンのビスをメンテしやすいようにシャシー側の穴を広げています。





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