(posted on Oct 18, 2002)
(updated on Oct 23, 2002)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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2002プラモデル・ラジコンショー(その4)
(第42回全日本ホビーショー)
(2002年10月17日〜20日、千葉・幕張メッセ)


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まだまだ続きますRCWブース。こちらはラリー仕様に仕立てたニュービートル。なかなか決まってるじゃありませんか〜! こういうので公園をブイブイやってると楽しそう〜!! 走らせるのがもったいないか?
このライトは5mm径4000mcd(ミリカンデラ)の白色LEDを使っています。電子部品の通販ではおなじみの秋月通商なら 1個からレギュレータダイオード付きで入手できますから、どこに住んでる方でも簡単に製作できますよ。いかが!? LEDは1個400円程度とまだかなり高く、ラリー仕様を作るとボディ1個分くらいのコストがかかりますが、 基本的にタマ切れがなく、半永久的に使えますし、今後は価格低下も見込まれていますからもっと入手しやすくなってくるでしょう。
こちらはABCホビーの240Zベースのラリーカー。ドアミラーのライトがマニアックでいいね〜!
こちらはプログラム電飾を搭載したマイクロRS4。点滅動作の様子はRCT-TVでどうぞ。
ちょっと照明が暗くて写りが悪いですが、AORcさんの自主制作シャシーである「TB-01ミニ」も展示されていました。 その名のとおり、タミヤTB-01にM-03の足回りを組み合わせたマシンで、カーボン製のメインシャシーは CADで設計したものを業者に切り出してもらっているそうです。CADも、今じゃ住宅建設などでは 業者でさえフリーソフトを当たり前のように使っている時代だそうですから、そういうソフトで図面を引けば、 個人でも気軽に高精度な自作シャシーが作れる時代なんですねえ。
こちらはTBミニの姉妹バージョン、TBショートシャシー。ホイールベースはタミヤTA-02SやTA-03RS/FSと同じで、 ポルシェ911GT2やポルシェ911GT1、カローラ(ラリーカー)、プジョー206、ルノークリオ、といったボディに適合します。 ただ、最近はほとんどのボディが絶版になっているので、なかなかボディ探しが大変なようです。 タミヤさんお願いだからプジョー206催事限定で再販して〜! ついでに2002年仕様ステッカーも別売で・・・。
RCWブースはこのくらいにして、いよいよこの特集も終盤に突入です。
クルマにしか興味ないハズのRCTなんですが、今回、いやがおうにも目についたのが、入り口正面に陣取っていたヒロボーの電動ヘリ。
この商品、静岡ホビーショーでもなにげにデモしていたのですが、今回はお姉さんのアナウンス付き、しかも全面アクリル張りとブースもグレードアップして、大変な力の入れようで新製品をPRしていました。その安定した飛行ぶりに思わず見入ってしまいました。
アップにするとなかなかヘリっぽいですが、実はたったの30cm程度の大きさで、ローターもたぶん発泡スチロールと徹底して軽量です。電源もコードで外部から供給していて、ヘリ自体がバッテリーを抱くことはないようです。
2軸反転ローターが生み出す安定した飛行ぶりは、「RCヘリ」というものに対する考え方が180度変わってしまうくらい画期的です。写真のように、飛行中のヘリをむんずと掴んで、ブンブン振り回しても墜落しないんですよ!ウソじゃないかと思うくらいです。RCT-TVでもご紹介していますのでぜひ見てみてください。これなら、日本家屋によくある8畳くらいの室内なら十分に飛行が楽しめますね。
さて、次は前回の静岡ホビーショーでノーチェックだったフタバブースです。今回も静岡とまったく同じレイアウトでディスプレイしてるじゃん・・・と思いきや、中に入ってビックリ、未来的デザインの参考出品が「これでもか〜」というくらいに勢揃い! おお〜どうしたんだフタバ!(笑)ひでろ〜入社効果炸裂、って感じでしょうか。やはり飛行機の成家選手じゃないですが、カー分野でも世界クラスのドライバーが入ってきたということで、開発に本腰が入ってきたことは間違いないでしょう。何せ本気を出したらグループ連結売上1000億円の1部上場企業です。ラジコン専業メーカーが束になっても敵わない人材と資金があることは疑いようがありません。このフタバのリソースを存分に活用して、RCファンが長年夢見てきた素晴らしいエクイップの数々をどんどんプロデュースしていってもらいたいものですね!大いに期待しています。
あまりに感動したので前置きが長くなりましたが、この写真のブツがCDR-5000という新型充電器です。フタバが走行バッテリー用充電器を手がけるのはこれが初めてのはずです。機能にもサイズにも驚きの連続です。まずサイズはタテ15cm、ヨコ18cmくらい(20cmまで行かないハズ)で、厚みがややあって7cm前後。ちょうどCDCチャージャーを2割くらい厚くしたようなサイズですが、このなかに充放電データをグラフ表示できる高精彩カラーLCDディスプレイ、ターボ35を越える業界最強の「40A放電」を実現する放電システム、1セル単位での内部抵抗計測(パックバッテリーももちろん計測OK)、PC、専用プリンタ、専用温度センサとの接続用ポートなどなど、およそ現在考え得る理想的な機能がすべてテンコ盛りになっています。もちろん充放電に関する機能そのものも、ひでろ〜プロデュースで凝りまくっているようです。むむ〜〜〜。
こんな製品を海外のメーカーにやらせたら、恐らく3倍くらいのサイズになってしまうんじゃないでしょうか(爆)。いや、それよりも価格が10万円を超えてしまい、誰も買わないでしょう。ちなみに、フタバではこの商品を6万円!くらいで販売したい意向のようです。もし実現したら、海外製の高級充電器が国内市場から駆逐されてしまうことも十分あり得ます。当然フタバですから海外にも輸出するでしょう。海外のメーカーは戦々恐々でしょうね。長年、変わり映えしないモノを非常識な価格で押しつけて来たしっぺ返し、といえなくもないですが、ひるがえってみると、ここ数年RC業界にも広がりつつある、大資本による淘汰・再編の流れのひとつの事例に過ぎないのかも知れません。ユーザーとしては、いいモノを安く享受できるメリットを素直に歓迎したいところですが、長年の老舗が市場から追い出される姿を予見し、実際にそれを将来目の当たりにするとしたら、それはそれでいたたまれない気もします・・・。え、キレイ事言ってる?でも、それが「商売」というもんだから仕方ないか。どうせみなさん、あーだこーだ言っても結局は「安くて良いもの」を買うんでしょ!?
左側の写真に写っているのは充電器右側面のI/Oポート。バッテリー側のコードもココから出ています。充電10A、放電40A、対応セル数はフタバらしく、モーターグライダーによるF5A競技での使用も考慮して、1〜36セルとなっています。・・・てことは、昇圧回路まで入っているはずです。すげぇ〜。もちろん、ドロームのインセインクラスや送信機の充電にもラクラク対応ですね。なお、温度計用のハーネスは、取り回しを考えて左右どちら側からでも接続できるようになっているようですね。もっともこれは試作のための暫定仕様なので商品化段階では変更される可能性もあります。写真ではPCポートはシリアル仕様ですが、実際にはUSBにしたいそうです。そのほうがいいそのほうがいい。あと、残念なのがデータメモリー機能の欠落。ぜひ汎用のフラッシュメモリーカードアダプタをoptでもいいから装備して欲しいです。そのためにもUSBは必須ですね。
なお、後回しになりましたが、ひとつ上の写真は充電器左側側面です。送信機/受信機用バッテリーの充電ジャックが別途用意されています。
「40A放電!」って簡単に言いますが、実は非常に重みのあるスペックなのです。やったことない人には分からないでしょうが、何も考えずに最新の3300セルを1パック最初から最後まで40A放電かけたら、恐らく、放電終止時点でのセル温度は100度近くになるでしょう(注1)。当然、1回でレースには使えなくなるでしょうし、場合によってはシュリンクパックが破け、セル同士がショートを起こし、セルが破裂する、といういわゆる「メルトダウン」に陥る危険性も十分あります。それだけならまだいいですが、バッテリーに接続するコードも相応に加熱しますし、とにかく、計測中の機器に触ったら即、ヤケドの危険があります。こんな危なっかしいものを作ってPL法はクリアできるのでしょうか・・・ぜひクリアしていただきたいのですが(爆)。
そんなわけで、写真のようにCDR-5000は大き目のヒートシンクに強制冷却ファンまでつけています。本体はコレでいいんですが、本当の問題はバッテリーケーブルとコネクタ周辺の加熱なんだよな〜。自分でファン用意して対策するしかないのかな、やっぱり・・・。
(注1)2400や3000セルで35A放電でも、室温25度だとセル温度は60度を超えてしまいます。夏場の屋外なら70度以上になるでしょう。30A以上の放電はあくまで瞬間的な放電特性の計測に限定して使わないとバッテリーをいたずらに痛めます。
CDR-5000のoptとして用意されているのが、このオシャレなバラセル用バッテリートレイ。コストの関係で温度センサーは1個だけ。ガックシ。バッテリーの「温度ムラ」についてはかねてから気にかかるところで、このあたりのマネージメントシステムについてはまだまだ将来も改善の余地がありそうです。
CDR-5000と温度センサートレイを組み合わせて、バラセルを単セル電圧管理しながら充放電するの図。
従来、このような機能は、外国製充電器を扱うほんの一握りのショップでしか触れることができませんでした。それが近い将来、フタバプロポを扱っている店なら全国どこででも入手できるようになる(注文すれば)というのですから、これを革命的といわずしてなんと言えばいいのでしょう! もう〜筆者はモーレツに感動しています!! CDR-5000は、外部メモリー機能さえ追加されれば、筆者がこの10年来思い描いていた充放電器の姿とスペックそのものなのです。もちろん、RCTでもバッテリー計測の標準機器として採用していく意向です。
CDR-5000であまりにもコーフンし過ぎたので、他の商品がかすんでしまいましたが、他の参考出品も なかなか意欲に溢れています。こちらは「弟分」のCR-2000。送受信機用バッテリーの充電器で、飛行機、ヘリ、GPカーのユーザーを想定しています。
CDR-5000に次ぐ今回のヒットはこれ!
放電器なんですが、内臓ファンで超小型化したうえに、ELバックライトつき液晶、しかもRCエクイップでは非常に珍しい「円型」のディスプレイがついて、まるでMDプレーヤーみたいなルックス。タテヨコの寸法はまんまMDサイズです。厚ぼったいから見分け付くけど(笑)。
放電するバッテリーを親電源として、このように青くバックライトが点灯します。
・・・というのはあくまで「イメージ」で、実際に動くモノがあったので実演していただいたのがこの写真。 (RCT-TVで実際の作動状況をご覧いただけます)
裏側はこのとおり。扇風機みたい。ビス・ナットなどの異物混入も起こりにくい細かめの通気口がグー。
受信機用のバッテリー放電を念頭に置いているようで、コネクタはRCメカ用の形状です。接続口にも「RX Batt」の文字が。電圧は4〜6セルから選べるようです。放電電流が1〜3Aまでボリューム調整式で選べるんだから、コネクタ形状をもうちょっと考えてやれば、走行用バッテリー放電器としても十分使えるスペックなんですが・・・。もしかして反対側に走行用バッテリーのコネクタ接続端子があるのかな?チェック不足でしたかね。
このほかにも、狭いブースながら興味深い展示がいくつかありました。こちらは新しい3PKプロポのハイレスポンスシステムの技術説明。
現在に至るデジタルプロポーショナル方式のRCシステムは、昭和59(1984)年に郵政省が推奨技術基準を定めたようですが、そのずっと前から、「制御パルス間隔=50マイクロ秒」というのはほぼ決まっていました。いわば固定観念化していたわけですが、近年のRC模型のハイスピード化に対応するためには、もはやこれでは間に合わなくなってきていたことも事実です。そこで、各社が独自にフォーマットの拡張を行い、現在の電子技術で十分に実現可能な範囲で制御を細分化した、というのがハイレスポンスシステムのタネ明かしです。
ちなみに、フタバの場合は信号パルス幅を1/3としています。VHSやベータなどアナログビデオデッキが素子の性能アップに伴いハイバンド化を実現したのと似たような理屈ですね。
制御パルスの幅を短くしただけなら、その幅さえメーカー間で基準を合わせれば、異なるメーカーの機種でも互換性が取れるはずなんですが、現時点ではメーカー同士の主導権争いなど思惑もあってそうはなっていません。でも、仕掛けがわかってしまうと、表向き「互換性ありません」と言われても、実はちゃんとハイレスポンス仕様で他メーカーの受信機も動いちゃうんでないの?と考えてしまいます。試してみないと分かりませんが、意外に問題ないかも知れません。ユーザー的にはそのほうがありがたいですよね。
こちらはデジタルサーボの保持特性についての解説です。従来のアナログサーボは、外部(受信機)から得た制御パルス(50μsec)の間隔にしたがってサーボホーン位置を検出し、制御信号と比較して修正動作を行っていました。いわば、他人の指示で動いていたサラリーマンなわけですが、デジタルサーボは、受信機から受ける制御信号を基準として、サーボ内の制御アンプで補助的な制御信号を生成・補足することにより、従来は見逃してきた、50μ秒の「空白の時間」に発生した位置ズレを緻密に検出・修正することにより、圧倒的な安定性と保舵力を確保しているわけです。結果として、モーターや制御アンプに電気が流れる時間が増えるので、原理的に消費電流が増えてしまうのは仕方ないところですね。
ハイレスポンスシステムが「デジタルサーボ専用」とされているのも、この説明から明白です。もともと50μ秒間隔で制御されているアナログサーボに対して、いくらもっと短い間隔で制御をかけても、何の意味もありません。
フタバから、待望のデジタルミニサーボ、S9650がアナウンスされたのも電動カーユーザーには朗報です。 おまけに、このサーボ、ミニサイズでありながらハイトを下げたロープロファイルタイプになっています。くぅ〜泣かせる。スピード、トルクは従来(S9602)と同等ないし上回っていますから全然問題なし。1/12のみならず、マイクロRS-4やM-03、1/24シャシーにもうってつけのサーボでしょう。
ミニッツレーサーを念頭に置いたAM27HMzモジュールがいよいよフタバからも出ます。しかも、3PKのみならず、従来の3PJ/3PJSにも使えるとのこと。・・・ってことは、スティックの3VCに使っても問題ないハズです。発売が待ち遠しいですね!

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