posted on Oct 30, 2002
(updated on Sep 26, 2003)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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TT-01・RCTチューン




<写真をクリックすると拡大します>

話は変わって、TT-01の標準スプリングにもそろそろ飽きてきたので、やはりいくらなんでもダンパーに最低限のモディファイを施してみたいなあ〜、なんて思い立ちました。とりあえず、バネをTA-04用に交換してみましょう。長さ的にもバネレート的にもちょうど互換性ありますからね。ところが、ネジを外していくら引っ張っても分解できません。取り説のパーツ構成図を見て納得。内部にツメがあって、シリンダーを半回転させてツメを合わせないと引っかかってバラせない構造になっているのです。これなら、ダンパーが伸びきってバネがガバガバになってもバラけないのでグーですね。
実際にバラす手順を示します。見えやすいようにバネはあらかじめ外した状態ですが、実際にはバネも付いているものと想像してください。

(1)まず、これが「初期状態」です。ダンパー取り付け穴の向きは上下とも同じになっています。
(2)次に、サスアームに取り付ける側(通常のダンパーならシャフト側)を90度回します。回す向きは左右どちらでも構いません。
(3)すると、ロックが外れてダンパーシャフトが抜けます。
抜いたピストン一体型ダンパーシャフトはこのような構造になっています。
一応、ピストン部も形があるので、ここにピッチングダンパー用グリスなんかを塗ると案外まともなフリクションダンパーになりそうです。今後の研究課題ですね。
TT-01のデフは、前後ともギヤデフで、基本的にTB-01/TG10系と互換性があります。ただし、ジョイントカップとシャフト径が違うので、交換するとしたらデフからジョイントカップからドッグボーン(またはユニバーサルシャフト)、さらにはリヤアップライトやアクスル側ジョイントカップまで、駆動系をそっくり交換しなければなりません。これでは、何のためのTT-01か分からなくなってしまいます(最初からTB-01買えヨって)。そもそもタミヤGPにはこのような改造は認められません。当然ながら、フロントデフケース内にワンウェイベアリングセットを入れることもタミヤGPではNGです。

そこで、このギヤデフを活用できるグッドアイデアをご紹介します。従来から、ギヤをアンチウエアグリスなど硬いグリスで塗り固める、という方法があり、私もM-03のチューニングページで紹介していましたが、もっといい方法として、写真のように一般のツーリングカー用デフベベルギヤセットなどに付属の「9mmワッシャー」を左右に1枚ずつ、計2枚挿入し、フタのネジの締め加減で効きを調整する方法があります。(9mmワッシャーは、コスト削減を徹底したTT-01のデフでは省略されています。TT-01用のスペアデフベベルセットでも省略されてます。従来のデフベベルセットを買わないと入手できませんので注意)これなら、走行中にグリスに気泡が立って効きが変わる、といたことがなくなりますし、調整の幅がボールデフ並みに広がります。だいいち、いくらスルスルにしても、ボールデフのような「抜け」が生じません。信頼性100%です。ボールデフにスリッパー機能を求めるなら話は別ですが、通常はほとんどギヤデフで用が足りてしまうことになります。ものぐさな筆者はすっかりお気に入りです。

四駆シャシーのデフは、基本的にリヤに関してはスルスルであるべきなので、固めるのはあまり意味がありません。単にアンダーオーバー(進入でアンダー、立ち上がりでリヤが唐突にブレークする)の特性が強くなるだけです。しかし、フロントに関しては、多少固めた方が初期アンダーが出て進入がラクになるのと、立ち上がりでイン側のタイヤが積極的に仕事をするので、ワンウェイに限りなく似た効果を発揮します。ワンウェイと違うのは、前後の内輪差を吸収できないフルタイム四駆の状態なのでスロットルOFF時のブレーキ効果が強い点、進入でイン側タイヤがスムーズに差動しないためアンダー傾向になる、という点です。ターンインの鋭さではワンウェイに軍配が上がるわけですけれども、それなら最初からワンウェイ仕様よりも若干曲がりやすい味付けにしておけばいいだけの話で、フルタイム四駆、しかもフロントデフを固めたからといって、あらゆる局面で必ずワンウェイより遅いわけではありません。広い高速コース、ハードブレーキングの安定性が要求されるコース、滑りやすいコースなどでは、むしろブレーキトルクが四輪すべてに分散されるフルタイム四駆の方が速く走れる場合だってあるのです。F201シャシーのように、当面ワンウェイが純正で出てきそうもないシャシーもありますし、フルタイム四駆の経験がない「自称」エキスパートドライバー諸氏は、いま一度フルタイム四駆の特性について十分な経験を積んでみるといいと思います。
<2003/9/26補足>
M-03のセッティングガイドを書いた頃はアンチウエアグリスなんてありませんでしたが、今からデフに塗るならコレがベストですので、ここで改めて「最新ノウハウ」を伝授します。実はこういったモリブデン系の高粘度グリスを塗布してデフの効きを調整するというのは、今から約25年前(1980年前後)のAYK・RX-1200系シャシーで普及したのですが、何しろ当時からずーっとRCを続けている人なんてほとんどいませんから・・・(苦笑)。

キモは「歯じゃなくて軸!」ということです。つまり、デフの作動でグリスが泡だつと粘度が変わり、特性変化が激しくなってしまうため、なるべく気泡が生じない塗布方法として、「ギヤシャフトへの塗布」が基本となります。
具体的な「塗り方」はこの3枚の連続写真のとおりです。
アンチウェアグリスをギヤデフのシャフト先端に盛り、そこにプラネタリーベベルを挿入します。このとき、 ベベルギヤを回しながら、まんべんなくグリスが行き渡るように広げるのがコツです。これを3回、繰り返します。
出来上がりはこんな感じです。アンチウエアグリスがはみ出して、ちょっぴりギヤにも付着するくらいでちょうどいいです。これでベベルの歯にも若干のグリスが付くことになり、ベベルのライフも伸びます。

もちろん、このように組み上げたベベルは、上記のとおり、シムを追加したデフカバーで締め付けて最終的なデフの効きを調整してくださいね!

さて次は、昨年からTT-01分会BBSでもご紹介済みの、TB用スパーを使う方法です。
方法は簡単。写真のように、スパーの前後に真ちゅう製5mmスペーサー(正式名称は「ジョイントカラー(部品番号不明)」)を挿入するだけ。外径が6mmなのでまさにピッタリ。
このスペーサーの入手方法ですが、ITEM 53115 (OP115)「GT-R ユニバーサルシャフト」(2000円)に付属しています。キットへの同梱は、私が確認できた範囲では、「TA-02レーシングスペシャルシャシーキット(Item 58157、95年発売)」の「袋詰A(6000円)のMA21部品、2個入り」のみでした。
GT-Rユニバは、TA-01時代からのベストセラー商品で、TA-01だけでなく、TL-01、TA-04、FF-02などハブ側に1150ベアリングを使うツーリングカーならほぼ何にでも使える、という利用範囲の広さもあって、今でも店頭で見かけます。 タミヤのツーリングカーをやってる方なら、必ず見たことがあるのではないでしょうか。実際にはこのパーツがなくてもたいがい間に合ったので、ほとんど捨ててたようなパーツです。取っといてヨカッタ〜<笑>。

このジョイントカラーをまったく新規に入手されたい方は、そろそろGT-Rユニバも絶版ですし、上記のTA-02スペシャルシャシーキットの袋詰Aを買うのも大変ですから諦めるしかないようです。
先日、純正optパーツで58Tと55Tのスパーが出ました(op.665 TT-01スパーギヤセット、600円)から、それで対応できますよね。「廃品利用」はできないわけですが・・・。

なお、利用の際の注意点としては、使うスペーサーは2個だけ(3個はダメ!)、スパー留めの2×10mmピンの両側から挟み込むようにして使用する、という点です。これを守らないと、スパー後ろ側のバスタブにスパーが擦れて、とんでもない駆動ノイズとともにバスタブがダメになってしまいます!組み方が間違ってても、ヘタに回ってしまうのでノイズが出てても組み間違いに気づきにくいので注意!

なお、スパーとピニオンの組み合わせですが、まだ04モジュールは試していません。06モジュールで十分駆動音は静かです。58Tスパーには21〜25T(7.181〜6.032)、55Tには24〜28T(5.958〜5.107)が付きます。またF201用スピードチューンの52Tを使えば、計算上は27〜31T(5.007〜4.361)が使えるはずです。詳しくはこちらのギヤ比表を参照してください。穴が4種類しかないのにピニオンが5種類つかえますが、これはいちばん小さいピニオンの位置で、本来より1枚歯の少ないピニオンが余計に使えるからです。ギヤのモジュールが大きいのでこのような無理をしても歯飛びしません。

さて次は、タミヤGPではNG?の裏技になりますが、普段パーツボックスで眠っているマブチ540SHモーターをいかにおいしく使うか、という方法をご紹介します。540SHを逆転で使う、という方法です。

既に、一部のフリークの間ではTB-01などで実践されていた技ですが、私もこれまで、データでの裏づけを取ったことがなかったのでコメントのしようがありませんでした。実際、モーター逆転使用というのは、F101〜103シャシーはもちろん、ベルトドライブ車やM-01〜04シャシー、TL-01、TA-01/02/03シャシーではできなかったことなので、最初から考慮の対象外でした。TB-01ではじめてその可能性が示唆され、利用者が増えてきたような感じです。オープンレースでもわずか4年程度の歴史しかありません。私が記憶する限りでは、一般的に注目されたのはTeam TECTROさんが2000年前後の24時間耐久に持ち込んだのが最初ではないでしょうか。マシンは改造されていたようなので誰でもすぐボルトオンで真似できるようなものではありませんでしたが。
TT-01なら、写真のとおり、バルクヘッドの誤組み立て防止用の「出っ張り」をニッパーで切り落としてやるだけで逆転モーター用のシャシーになってしまいます。超お手軽なのでぜひ試してみてください。ただし、出っ張りの切り落としはキチンとやっておかないとデフベベルに擦れますのでクリアランスには注意。もちろん、出っ張りを切り落としたら、前後のデフベベルを通常とは逆向きに挿入するのですよ! コレで逆転モーター用シャシーの出来上がりです。あとはモーターの接続を+−逆にすること。ショッキーダイオードを付けているなら、この取り付けも逆にしましょうね。

逆転使用する540SH(ジョンソンは不可)は、新品でもいいですが、新品だとあまり意味がないので、できればあらかじめ3V程度の低電圧でナラシを十分にやったものを使うといいでしょう。写真は、やや電圧が高いですが比較的用意しやすい電源ということで、7.2Vストレートパックをバラして、片側ずつ3セルの塊を並列につなぎ直した「3.6V」のパックで20パック以上ナラしたものです。もともとのバッテリーはRC1400SP、つまり3.6V-2800mAhパックですのでナラシ時間を参考にしてください。およそ3週間かけて夜な夜な断続的にナラシを進めて作りました。無負荷で減らすと、コミュもブラシもキレイなままですから、なかなかグーです。3.6V以上の電圧だと、ナラシ中の加熱がひどくなり過ぎるので注意。できればヒートシンクつけた方がいいです。数パックごとの内部洗浄も忘れずに。

540SHはそもそも工業用部品ですから、正転使用時のブラシ摩滅に伴う回転数の上昇を補償するためでしょう、最初からブラシに若干の逆進角が付いており、ブラシが摩滅すると逆進角の度合いがどんどん大きくなるようになっており、正転で使ってるといつまでたっても出力は安定しています。逆に言うと、ブラシスプリングのテンションが下がると本来は上がるはずの回転数が逆進角でうまく殺されるようになっているのです(消費電力は増えますが性能が上がるわけではありません)。逆の見方をすれば、使い古しの540SHを逆転で使えば、進角がたっぷり付いてるわけですから大変な高回転が期待できるわけです。

果たせるかな、上掲写真の540SHのダイノテスト結果はご覧のとおり(拡大してご覧ください)。最大トルクはさすがに細くなりましたが、最大出力はほぼジョンソン並み、しかも肝心の常用回転域(消費電流30A以下)で圧倒的なパフォーマンスを示しています。こりゃジョンソンでもまるで歯が立ちません。なお、逆転540SHのダイノデータ分析については、「モーター研究室」のほうでご紹介中です。

TT-01やTB-01で逆転モーターを使う、というのは、モーター性能の面ばかりでなく、モーターの反動トルクの悪影響を弱め、操縦性を改善する、というメリットも無視できません。そう、逆転540を使えば、TT-01がEvo3の「裏焼き」のレイアウトになっちゃうわけです!そう思うとなかなか侮れないでしょ?


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