posted on Jan14, 2005
タミヤRC製品・即買いカタログ
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TT-01でフラットダート!




さて、前ページを書いてから1年余りが経ちました。嬉しいことにTT-01からRCを始めるユーザーも増えているようです。

筆者のほうでは、この間の経験を踏まえて、04年12月4〜5日に川場RCプラザで開催されたタミヤ・チャレンジカップに参加してきました。参加したのは、今回特別に「冬の川場・特別企画」として考案された「2ステージ耐久ラリー」です。2400ザップド以下、スポーツチューン+6.5付近のタミグラ指定ギヤ比を使い、ジャンピングスポットとウォッシュボードを設けてラリーブロック指定の「SS1」と、セミスリック指定でライト点灯義務付けのターマックナイトラン「SS2」をそれぞれ1時間ずつ、計2時間で争う、というものです。
この時期、川場村は雪が降ってもおかしくない時期とされています。当日も朝9時過ぎの気温は11度。オイルサーフェスのアスファルトとはいえ、こうした寒い条件で幅広で面圧の低いナロータイヤ、しかもノーマルコンパウンドを使うということで、かなり滑りやすくなることが予想されました。このため、マシンチューニングの重点は、なるべく柔らかいバネを使って荷重移動の時間を稼ぎながらいかに前後のグリップバランスを整えるか、という点に絞られます。2時間走るわけですが、レースのレベルが高ければクルマが壊れないのは当たり前、最後の1周まで同一周回バトルになるかも、という覚悟でクルマの基本的な速さの確保には十分留意しました。実際のレースでも、SS2の最初の1パックはパック終盤に自爆コースオフするまで1〜2秒差でトップ争いを演じていました。「悪い予感」は当たるものですネ(笑)。ちなみにSS2のリザルトは左のとおり。SS1は残念ながら記録していませんが似たような結果です。
レースは僅差での展開が続き、ワンミスで致命的な差がついてしまうくらいの接戦になりました。 残念ながらRCTチームはチーム参加ができず、筆者1人でバッテリー交換もしなければならなかったこともあって、SS1、SS2の総合でも3位どまりでしたが、SS1でレース中ベストラップを記録するなど、クルマ自体の速さについては特に不満はありませんでした。どちらかと言えば、痛いところで何度かミスした「人間」側の問題でしたね(苦笑)。
TT-01はネジや部品点数が少なく信頼性の高いシャシーなので、ご覧のとおり、耐久レースだからといって特別なことは何もしてません。そもそも2時間なんて2400なら8パック。その程度の走行距離で壊れてしまったら、いくらなんでも組み完RCとして売れませんよね。
もちろんぶつけたら壊れて当然なんですが。
さて能書きはこれくらいにして、セッティングの解説に移りましょう。左の写真はフロントアップライトにTGS用を、タイロッドにop.662のターンバックルを使ってピロボール位置は外側(ノーマル)、ということを示すものです。TT-01はドライブシャフトが太い関係で舵角不足気味なので、舵角を増やしたくなるのは人情なんですが、いろいろ細工するとどうしてもドライブシャフトが脱落しやすくなってしまいます。耐久レースやラリーで、クラッシュの度にドッグボーン脱落してたらやってられないので、あまりここで「冒険」しないほうがいいと思います。
「チューニング」というと、「カネかけて何か特別のことをやらなきゃいけない」という固定観念をお持ちの方がまだまだ多いようなんですが、むやみやたらにopt付けりゃいいってモンでもありません。 実例で示さないと納得してもらえないので、できる限り余計なことはしていません。相変わらずサーボもXB標準サーボのまま。スポチュンを使うラリークラス程度ならこれで十分です。ただしサーボの取り付けは直進性やステアリングフィールに影響するので、optのアルミサーボステーを使って剛性アップを図っています。さすがに最低限コレだけはやっておきたいものです。
受信機は今回は砂の侵入はないので、重心を下げるのと見た目の良さで通常の横置きに戻しています。古臭いフタバFP-R113Fですけど。
今回は、あえてハンデの意味もあってKOのバック付き1100FRアンプを使用したのですが、ハンデになってなかったかも、というくらい差を感じませんでした。長時間の連続走行にも全くタレる様子もなく、ノートラブルでスポチュンを回し切ってくれたので、信頼性の面では何の問題もなかったです。耐久の場合、バッテリー交換の都度、電子スイッチが切れてしまうので若干の面倒はありましたけど、これも思ったほどではなかったです。マジな耐久レースなら、機械式スイッチのアンプにしとけばいいでしょう。
気休めなんですけど、今回は耐久性に多少留意してギヤカバーとリヤバルクをブリッジする部品を戻しておきました。剛性欲しけりゃ素直にアッパーデッキ追加すればいいんですが、そこまで要らんでしょう、ってことで。



ギヤカバーのネジの締め過ぎはベアリングを圧迫して駆動ロスになるので、今回は2点留めにしてネジ自体もフルロックから半回転戻ししています。



先述のとおり、低い路面温度、グリップの低いタイヤという前提で、できる限りロールスピードを遅くしてグリップを稼ぐため、ダンパースプリングはこれ以上ないくらいに柔らかくしています。具体的には、いつものTA-04用opt「オンロードハードスプリングセット」ではなく、TA-03用opt「オンロードスプリン
グセット」のほうを使っています。フロントは赤(ソフト)、リヤは青(ハード)です。なお、このバネ選択はリヤにトーイン0度のノーマルアップライトを使用していたためです。トーインリヤアップライトならリヤは黄(ミディアム)で良いでしょう。

リヤバンパーは、先のタミヤ世界戦2004でRCW誌のサトちゃんがやってたのをパクろうと、トランスポンダの逃げをカットしたところまではやったんですが、ステーは付けず、結局ボディのフロントウインドー下に装着。柔らかいバネで重量バランスがリヤに偏るとピッチングが大きくなるのを嫌い、重量配分を改善する方向でセッティング。結構変わりますよ。


今回はオンロードということで、前回の「こどもの国」のような細かい路面の起伏がないので、ダンパーについてはコダわりの「キット標準(=なんちゃってダンパー)」に再度チャレンジ。今度はバッチリ狙いどおりの挙動で「N1レベルのTT-01にオイルダンパーなんて要らない」ことを実戦で証明。 ちなみに、優勝チームもTT-01でしたが、そちらはさらに徹底したドノーマルで、ビス止め式タイロッドでサスストロークもほとんどなかったくらいのクルマだったことも記しておきます。要はグリップバランスと駆動ロスさえちゃんと対策してあれば、あとはウデの問題なんです。グリップが低く、シャシーへ要求される性能水準が低いですからね。ただしサスアームはある程度スムーズに動いてくれないと困ります。サスアームのフリクションがダンパーオイルの代わりを果たしているとは言っても、程度問題です。
今回はオンロードレースということでダンパーのスペーサーは外し、バンパーもサストラベル量を増やす切り欠き加工を廃止してノーマルバンパーに戻し、車高は10mm程度まで落としています。それでもやや高めですが、これはコーナーマーカーで作ったウォッシュボード対策です。あまり車高を下げると、マーカーのど真ん中に乗ってしまった場合に亀になったり、飛んだりしやすいですから。

というわけで今回は「滑る路面対策編」でした。
冬場の舗装路や砂っぽいダート走行の対策にどうぞ。








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