(posted on Dec 6, 2006)
(updated on May 31, 2007)
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スズキスイフト・RCTチューン<お台場編>



ここからは、念願の初参加が実現した、 お台場・シェルミュージアムで06年10月29日に開催の
タミヤF1GP・ミニスポーツクラスに出走した際の仕様をご紹介します。




Mシャシー「ウケ系ボディ」といえばコレ! ノースクラフト「コミカルレーサー」シリーズ

ギヤ比一覧表2006年版M-03Mスイフト作例@ROX3
2005年版M-03ミニ作例旧・M-03製作記(1998年7月〜)


今回の成績は出走92台中、予選Bメイン3位(総合15位)、決勝4位と奮いませんでした。 これはいずれも他車との接触が多くなってしまったためで、「運が悪かった」と片付けてしまえばそうなんですが、 「揉まれるような場所にポジショニングしてしまった」というのは自分のウデの問題なので、その点が悔やまれます。 予選1ヒート目が「押さえのタイムを出すだけ」という守りの走りになり過ぎてしまった点も反省点でした。 朝7時過ぎまで雨が続き、8時過ぎてイベント決行が決まるなど混乱した状況の中で、都合により練習走行もできず、 初参加でいきなり予選を2回走っただけで素直にAメインに残れるほど甘くはなかったと。そりゃそうですよね(苦笑)
予選2ヒート目をちゃんと走れていれば、余裕でAメインに入れるポテンシャルがあることは確かでしたから、他車と絡んで クルマのポテンシャルを結果に結びつけられなかったのはちょっと残念でした。 リスクを避けてアンダーステア気味のセッティングで臨んだ後列スタートの予選1回目ですら、10周2分2秒をマークできていたのです。 Aメインのボーダーラインは10周2分0秒台でした。
もうちょっと曲がるセッティングに修正して前列から出た予選2ヒート目では、 十分に11周をマークできるラップペースで走れていました。ただ今回は、予選2本目に賭けた「1発勝負」でしたから、 うまくいかないことも、たまにはあってもしょうがないかなと。

なお決勝Bメインの模様はRCT-TVにてオンエア中です。
今回ご紹介する仕様のポイントは、06年9月のタミヤGP@ROX3出走時 に採用を見送った sp.1238「M-03M F部品」 の新型アップライト投入です(なお、装着には sp.882 TA04キングピン も必要です)。ただしフロント側だけ。リヤは換えてもご利益がなさそうなので今回も見送りました。軽くなるといっても たかだか2〜3g程度の話ですし、むしろ強度が下がるほうが不安ですし。 超高速サーキットではsp1239・1050ベアリング によって軸受けの抵抗が多少は減りそうなので良さげですが・・・。

アップライトの変更に伴い、フロント側はかなり変更がありました。また路面に合わせてダンパーバネを柔らかくしています。 さらに、リヤグリップを稼ぐためにリヤバンパー上の「重り」も復活させました。 これ以外の部分は先のROX仕様のままです。
シェルミュージアムは 石材路面で滑ります。感覚的にはタイルやコンクリート、濡れた路面などと同じです。 このような路面では、通常よりもフロントグリップを増す方向で少しオーバーステア気味のセッティングにするのがキモです。 フロントタイヤの上滑りへの対策です。F103のようなリヤ駆動車の場合は、このような状態のクルマを腕で「巻かないように走らせる」のが 「最速の方程式」なのですが、M-03はFFなのでスピンの心配は無用。ひたすらガンガン握ればいいのでラクチンです。

ただこの時に、昔のM-03ミニ作例のようにフロントバネを固めて タイヤ面圧で解決しようとすると、初期反応だけが鋭くなって神経質な動きになりがちですし、縁石(コーナーマーカー)にも 弱くなります。コーナーマーカーを意識してしなやかな足を維持しつつ、フロントの応答性を上げるためには、 タイヤそのもののメカニカルグリップを上げてやることが先決。そのため今回はタイヤインナーを 前後ともキット標準(=ソフト)のsp.686スポンジ としました 。もちろん事前に用意してあった選択肢です。
低グリップでGがかからない路面なので、フロントに ソフトインナーを使っても腰砕けの心配はありません。 ただし練習走行なしでいきなり走らざるを得なかった予選1本目は、安全をみてフロントだけ ハードスポンジ(op.255) に変更したので、 その分、「曲がらず、進まず」という状態で、タイムを損したのですが、これは仕方ありません。

摩擦力が低いと走行中のタイヤ温度も上がらないので、トレッドゴムは極力、薄いほうがいいのですが、一方で 「溝で引っかかる」摩擦力も無視できないので、今回はあまりタイヤの磨耗については攻めた使い方はしませんでした。 写真は18周のBメイン決勝後の状態(上:フロント、左:リヤ)ですが、わずかでもグリップを稼ごうと、 決勝前にトレッド面をタイヤセッターで少し削ってあります。シェルミュージアムで走る限り、 普通は1レースでいきなりこんなに磨耗しません(特にリヤ)ので念のため。
ちなみにコンパウンドはご覧のとおり Mグリップ(sp.684) を前後とも使用しています。当初は Sグリップ(op.254) を予定していたのですが、信頼できる筋から、「お台場はMグリがお約束!これマジ情報」とのアドバイスもあったので、 今回は使用を控えました。トレッドパターンがないタイヤはそもそもツラいしタイヤ温度も上がらない路面なので、 ファイバーモールドAという選択はないです。逆に、人によってはノーマルの60Dラジアルでタイムを出す人もいるとか。ベストな選択とは思えませんが・・・。

グリップバランスに影響するもうひとつのポイントであるホイールスペーサーについては、 リヤグリップ重視でリヤのみ1mmスペーサーを追加しただけでした。レース後の感想としては、 フロントにも1mmないし1.5mmくらい追加しても良かったかな、という感じです。もちろん前後ソフトスポンジのタイヤで、 ダンパーセッティングはいじらずに。

ホイールハブは標準の6mm厚という前提で、ホイールナットからのネジの出っ張り具合でスペーサーの状況を判断してください (上:フロント、左:リヤ)。

使用しているホイールナットは9月のROX仕様と同じ、 op.448「4oハードロックナット(スペーサー付)」 です。Mシャシーのセッティングにはかなり使えますヨ! ダンパーバネの変更と併せて使うと効果的です。


「タイヤ」はクルマのパフォーマンスの7〜8割方を決めてしまう大きなファクターですから、ことさら 細かい配慮をしているわけですが、「足回り」に関してはかなり大雑把です。 バランスを崩さない範囲でバネをメいっぱい柔らかくしてロールする時間を稼いでいるだけです。
バネは前後ともTA-03用の op.333「ツーリングカースプリング(ショート)」 を使用し、前は赤(ソフト)、後は黄(ミディアム)。スタビは前後とも「なし」のまま。 タイヤインナーを「前後同じ」のオーバーステア気味の設定にしているので、 バネはごくわずかオーバー〜ニュートラルというあたりの設定で止めています。これで「巻く」ようであればリヤを1段階上げればいい、という考えです。 実際には、これでも十分には曲がらなかったので、心配は杞憂に終わりましたが・・・。

車高に関しては、何度も書いているようにGが少ないコースですから、9月のROX3仕様 のままバネを換えただけで、バネが柔らかくなった分、車高は1mm程度下がり、リバウンド量が増えた格好としています。 つまりフロント5mm弱、リヤ6mm程度です(バッテリー搭載時)。底つきする問題がなければ、車高は低いに越したことはありません。 オイル設定は9月の仕様のまま変更なし。
ダンパーの詳しい設定値については9月のROX仕様を参考にしてください。

ちなみに、シャシーロールとタイヤグリップの関係については、 こちら で詳しく説明しています。理屈がイマイチ分からない方はどうぞ。

グリップが低い路面では、 横Gが減ってロール量も減った分を補うだけではなく、タイヤ自体のグリップ限界のピークも下がっていますから それだけロール量を増やして接地面にかかる圧力(面圧)のピークを落としてやる必要があります。そうしないと、 タイヤは、単に上滑りするだけで本来のグリップを発揮せず、前後のバランスが崩れてしまうと セッティングが迷宮入りする一因にもなります。滑る路面でバネを固めてちゃんと走る場合もあるにはありますが・・・。
書く所がないのでここにメモしておきますが、デフは9月のROX仕様からまったく手を付けていません。 アンチウェアグリスとワッシャー追加で「ちょい渋」のギヤデフです。コーナー挙動の安定化が狙い。 フロントを食わせ気味にしてピーキーな感じにならないのも「ちょい渋デフ」の効用かも。


さて冒頭にも書いたとおり、今回、路面状況に対応した「セッティング」とは別に、 前回から最も大きく変更した部分が、このフロントアップライトとステアリング回りです。 単に「アップライトとCハブを交換しました」というだけで「RCTチューン」などと呼ぶツモリはありません。 タミヤGP規定をクリアする限りで様々な工夫を凝らしてあります。
・・・とその前にフロントセクションを一望しておきましょう。 アンプ・モーター・受信機は9月のROX仕様のままです。

特にモーターは、9月のROXでは決勝で不要だったこともあり、 まだまだ使えますし、今回のコースはパワー競争になるような場所でもないので、そのまんま流用です。
(車検マーキングが2色になってます)

キャパシタは「RCT頒布コーナー」でも 人気の、軽量コンパクトな1000uF品をバッテリーコネクタに装着(クローズアップ写真は 9月のROX仕様のページにあります)。
540規定のレースで使うモーターは、もちろん540SHより若干パワフルな540-Jをチョイスしていますが、 筆者の場合、出たてのキットを買って幸運にも540-Jが付いてきたことが何度かあるので、 「モーター研究室」のテストで購入した後は パッケージ入りの新品を買ったことはないです。特に「選別」といったようなこともやっていません。 もちろんダイノデータを取れば選別はできるんですが、大差ないのでやるだけムダ、という感じで。

ただし、コミュテータ表面が酸化していると出力が落ちるようですから、なるべく最近のキットに同梱されていた 新しいものを使うようにはしています。 また、ブラシが減ってバネ圧が下がってくると、回転は伸びるんですが出力は落ちるので、軽くナラした新品に どんどん切り替えていきます。と言っても2〜3レースは使うしほとんど練習しないので1コで1シーズン持っちゃってるわけですが・・・。
さて話をフロントアップライト回りに戻しましょう。

アップライト変更のメリットのひとつに、「ピロボール位置を変更できる」というのがあるので、 そのメリットをフルに活かしてみました。すなわち、サーボセーバーをsp.1000のハイトルクタイプ(の長いほう)に変更して サーボホーンをキット標準より短縮し、サーボの取り付け位置を一段と低く落とし込んだのです。

ついでに、サーボステーも03年9月に発売・ストックしてあった 限定の軽量タイプ(Item 49320、軽量アルミサーボステー(ブルー)700円)に変更。セコい軽量化ですけど。
ちなみにこのステー、TRF415/415MSだけに採用された部品番号「9805930」と同じです。カスタマー取り寄せのご参考に。 415MSX以後はEvo系のステーに変更されたし、Evo系ではもともと使わないので、今となっては定番化されなかった 「幻のパーツ」になっちゃいました(笑)。
実際にはTA04以前の車種なら幅広く使えます。

サーボステーは、これから換えるなら07年3月発売のM-03R用の新型ステーも良さそうです。 サーボの取り付け高はこんなに下がりませんが、2点止めになるので取り付け強度は上がります。 (差し当たりはカスタマーサービスからの取り寄せ対応です)

サーボは前回のフタバS9650から、従来のサンワSRM-141HRに戻しました。 サーボの組み付け方法を変更した関係で、先日「ミミ」を折ってしまったサーボケースのままで組み付け可能になったので復活。 ミニサーボにしては強大なトルクのS9650は他にも使い道があるし、とりあえずM-03は141HRでこれからも行きたいな、ということで。 コードも黒っぽくて 見た目がスマートですし。ホントはサーボステーもブラックアルマイトにしたいんですけど・・・。





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