(posted on July 25, 2009)
(updated on Aug 1, 2009)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F104 PRO・RCTチューン(4)





受信機は、例によって、素子アンテナ内蔵のフタバFP-R604FS-Eを搭載。アンテナの取り回しを考えなくていいので メカ積みがすごくスッキリします。4PKバンザイ! 今回は、メーカーoptのコネクターカバーも追加してみました。 コネクターからタイヤカス等のゴミが入らないので、ゴキゲンです!
いつもなら、型式は古くても「黒いダンパー」にコダわって換えてしまうところですが、 今回は素直に、キット付属の最新仕様のTRFダンパーを付けてみました。 確かに機能的には、15年前のローフリクションダンパーと比べれば格段に進化してますものね。

基本的にキット素組みで、400番オイルに3穴ピストン、インナースペーサーなしです。F1の場合は、 F103GTとは違って、リバウンド設定は考えなくていいと思います。重心が低いので、リバウンド長が長くても 弊害が出ないので、わざわざリバウンド規制する意味はないです。

Tバーが硬いのを補う意味で、ダンパーバネは、タミヤのダンパーバネの中でも最も柔らかい M-04用のフロントバネに変更しています。ここは見解が結構分かれるところで、硬めのバネのほうが 「コーナー出口のピックアップがいい(立ちが鋭い)」と評価する人もいます。
しっかり向きを変えてから直線的に立ち上がるタイプのドライバーならそうなんでしょうが、自分は、 ステアを戻す前からアクセルを早めに開ける傾向があるようで、横Gにトラクションが加わった時に リヤがスッポ抜けないよう、柔らかいバネを好みます。早めに緩やかにアクセルを開けようが、 曲がり切ってからドンと踏もうが(表現は極端ですが実際の違いは紙一重です)、 タイヤ性能を100%使い切る限り、タイムに差は出ません(差が出るとしたら、どこかにムダやムラがあって タイヤを遊ばせている瞬間がある)。 旋回中のタイヤグリップを横Gとトラクションに どういう配分で振り分けるか、というドライビングスタイルの問題なので、 「正解」はあってないようなものです。各自の考えで自分なりの答えを出しましょう。

ダンパーにプログレッシブ特性を与えるため、キット標準よりもダンパーを立てて(傾きを強めて)搭載しています。 具体的には、フロント側のピロボールナットをローハイトタイプにして高さを下げています。

リヤ側のピロボールにもスペーサーを追加して高さを上げてみたのですが、F104は、F103よりもデフォルト状態で かなりダンパーが立っているので、そこまでする必要はないと判断してノーマルのピロボールナットを 使用するだけにとどめました。
F103時代からのコダわりですが、フリクションパッドはノーマルを愛用しています。 ここにテフロンパッドを使う理由がどうにも納得できないので・・・。 だって、フリクションが欲しいんでしょ? だったら、フリクションを減らすパーツ使うなんて自己矛盾じゃないですか?・・・というのがその理由。

F103ではフリクションプレートに何も塗らないのが自分的にはベストだったので、F104でもとりあえずそのまま 踏襲しましたが、今回のレース後、あまりにも曲がらないので、試しにタミヤ純正のフリクショングリス・ミディアムを 試しました。残念ながら、違いは見分けられなかったです。まだまだ研究の余地があります。もしかするとF104では、 Tバーの材質や支持方式が変わったので、フリクショングリスの効果があまり出ないのかも知れません。
フリクションパッドを上下から押さえるリテーナーのバネ圧設定(バネ圧調整ナットの位置関係で管理) はこんな感じ。フリクショングリスを塗ってない状態なので、少しフリクションを出そうと、取り説指示より 若干、締め込み気味でした。バネを押さえるナットが緩みやすいので、合成ゴム系の接着剤を少し塗ってロックしています。
樹脂製ボディマウントの形状は、フロント・リヤとも従来のF10x系と共通ですが、 リヤのマウントは、アッパーデッキの板厚が増えたためか、 従来よりもかなりしっかりとした、というか、キツめの建て付けになってます。 F103のようにガタガタしないのは吉です。
コストの問題なのか、生産数量が間に合わなかったのか、F104 PROキットには、「必須」であるはずの アルミモーターマウントが同梱されず、同時発売のoptとして入手しなければなりませんでした。 このため、出遅れて入手し損ねた人も結構いたようです。ツーリングカーのサスブロックなんかもそうですが、 アルミ系のパーツは、一度切れると再入荷まで3〜4カ月待ちになるケースもあるので、コレは痛い。

もっとも、今後、LF(リチウムフェライト)バッテリーによるレースが主流になっていくでしょうから、 そうするとモーターの発熱問題はかなり軽減されるので、 アルミモーターマウントは必ずしも必要なくなるんですよね。そのあたりを見越せば、 キットにアルミマウント同梱しなかったのもアリかも知れませんね。
今回のレースでは、キット付属のピニオン25T/スパー93Tが指定ギヤ比だったので、そのようにしています。 フォーミュラチューンには、このギヤ比はまだまだ甘くて、ギヤ比無制限なら27〜30Tを付けたいところです。 ただし、タミヤGPでは、ギヤ比自由の場合でも「取り説に表記されている範囲内」という制約があるので、 そうなると事実上は、29T/93Tの組み合わせが上限になります。あとはタイヤ径を大きくして(なるべく新品を使って) 稼ぐしかありません。今回もギヤ比固定だったので、タイヤはなるべく新品を使うようにしました。 もっとも、F104のリヤタイヤは摩耗が極めて遅いので、予備と合わせて2セットあれば十分だし、 カーペット路面ならリヤはAでキマリなので選択に迷うこともなく、その点では助かりました。
F1のキットには代々、モーター取り付けビスとモーターマウントの間に噛ませてマウントの変形を防ぐ アルミブラケットが付属しています。F104 PROのそれは珍しくブルーアルマイト品でした(通常はアルマイトなしの銀色)。 もったいないから、というわけではないんですが、作例ではこのブラケットは使っていません。 過去のF103等の作例でもそうでしたが、ブラケットがなくても特に問題はありません。樹脂製マウントはともかく、 アルミマウントのネジ穴が変形するほどの力で締め付けることは必要ないし、あり得ないです。
F104では、F103GTの構造を踏襲した、スラストベアリングを廃止したデフ構造が採用されました。 スラスト方向の圧力をデフハウジング内の専用の1150シールドベアリングで受ける仕組みで、 通常のスラストベアリングと比較して、デフの動きは若干渋い感じがするものの、実用上はまったく問題ないレベルです。

この構造により、ボールデフの調整とホイールの組み付けが完全に分離され、メンテナンス頻度が大幅に減らせることに なりました。反面、「スルスルデフ」を作るのはちょっと難しくなり、デフを緩めすぎてデフが滑っていることに 気付いても、F103のような「その場でホイールレンチで直ちに増し締め」ということはできなくなってしまいました。 仕方ないことですが、それだけに、レース前のデフ調整は慎重に。できればレース前夜のデフ組み直しは避けたほうが 無難でしょう。先日も、予選グリッドに並んだ所でいきなりデフ滑ってるのに気付いた人がいましたからね。
その内蔵式スラストの構造は、先般の静岡ホビーショー(09年5月)でのカットモデル写真のとおりです。 このカットモデル、F104のパッケージ写真にも使われています。そちらの写真のほうがもっと鮮明ですけど、ご参考まで。

F10x系のスラストベアリングの系譜については、以前、 こちらのページに取りまとめましたので、 興味がある方はご覧になってみてください。
なお、デフプレートを1000番前後の耐水ペーパーで研ぐのは「お約束」です。 コレをやるのとやらないのとでは天地の差がありますので強くお薦めしておきます。 特にF104は、構造上、デフプレートを押さえつける圧を受けている右輪側デフハウジング内のシールドベアリングの 転がり抵抗が大きめになってしまうので、スムーズなデフを作るには研磨が必須です。 これまでにも何度も紹介していますので、今回は F103のページへのリンク でお茶を濁しておきますが、 必ず読んでくださいね〜。
リヤの車軸は、ロールセンターを前傾させてオーバーステアに振るため、メいっぱい下げ(車高は上げ)てみました。 コレはそれなりに効いたようです。ただ、予選2回目に追加したフロントの車高下げは、ヤリ過ぎだったのか、 効果は感じられませんでした。
リヤウイングも、フロントに負けず劣らず、かなりディテールにコダわった力作です。カッコいい〜〜〜!!


運動性に関しては、F104は現状ではF103にかないませんが、ワンメイクで楽しむ限り、 十分マトモなレースになることは、先のタミヤGPでも実証されたと思います。今後、更にセッティングが決まれば、 もっとコーナリングも速くなって、F103にも対抗できるようになるかも知れません。 サードパーティーからのハイグリップタイヤの登場も待たれるところです。今さらタミグラでは使えませんが。

現状のままでも、F104のスポーツ走行は十分楽しめますから、今後は廉価版のキットが出て、より手軽に DD・F1モデルの走りが楽しめるようになることを願っています。実車F1に逆風が吹きまくっている昨今、 RC・F1ブームよ再び・・・となるかどうかはまだまだ予断を許しませんが、ぜひたくさんのF104が各地のサーキットを 埋め尽くす日が来るのを夢みたいものです。当ページが、ほんのちょっぴりでもそのお役に立てれば幸いです。 なおF104に関する質疑応答は、RCT・シャシー研究室「F1・DD分会」にてお受けします(投稿にはユーザー登録が必要です)





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