(posted on July 4, 2006)
(updated on July 18, 2006)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F103GTシャーシキット(2)





キット標準のフロントバネは、F1/LM用のF103と同じく「金」(ミディアム)ですが、全備重量1250g前後 (タミヤGPでの最低重量は1200g)を前提とするF103GTと同1000gを前提とするF1が同じバネで間に合うハズもなく、 走れば分かりますがこの設定では完全にフロント柔らか過ぎ、コーナー後半で強いアンダーが出てしまいます。 入門向けにはこの設定で構わないわけですが、タミヤ純正部品でベストの感触を得るには、 sp.509として 販売されているF103用スペアパーツの「黒」(ハード)に交換すべきです。

F103をご存知ない方のために解説しておきますが、キングピンやフロントアッパーアームシャフトに使われている 大ぶりなEリングは、「2mmCリング(部品番号9805478、5個120円)」というもので、カスタマー扱いでバラ売りもあります。 スナップピンのように手で容易に脱着できるのがメリットです。
先述のとおり、アップライト内側の「ミミ」は、このようにサスアーム側のストッパーに当たって内側への巻き込みを防ぎます。 このストッパーを切ってしまうと、ステアリングが45度以上切れた場合にアップライトが巻き込んで正常に戻らなくなってしまいますので 絶対に切らないように!(経験者は語る)

アッパーアームのピンは、F103リンクサスセットでは通常のEリング止めでしたが、F103GTでは2mmCリングに変更されています。 まぁめったに交換するパーツではないんですけど・・・。

そういえばサスピンの取り付け穴ですが、 F103リンクサスが出た当初は内径が小さめで動作が渋く、3mmのストレートリーマーないしドリル歯で穴を広げる取る必要があった のですが、型がヤレてきたせいでしょうか(穴径が改修されたと思えるほどの変更は感じられません)、 今回は特に大きな問題なく素のまま組めました。逆に、F103の記憶で条件反射的に穴を広げてしまうと、ただの「ガタガタサス」に なってしまうので要注意。
これが先述の「ゲタ」です。
上下サスアームの間に入っている樹脂製のスペーサーです。 このパーツは sp.1229「F103GT T部品(2枚入り)」(税別500円)の「T6部品」です。T部品はボディマウント、アップライト、前後足回りの スペーサーで構成されています。バラから組むには絶対に必要なパーツです。
サーボセーバーなんですが、F103GTに付いてくるのは、汎用の「P部品」(部品番号0115065、320円)といって、 復刻版ホーネットや過去のF10x系シャシーなどと同じ、グレーがかった色のものです。 タミヤのDDシャシー用のダイレクトサーボセーバーとしては、このほかに sp.204「ダイレクトサーボセイバー」(税別300円)というのがあります。こちらは 「ポルシェ956」 から採用されたもので、素材は同じポリアセタール(POM)ですが色は純白です。

何でこんなことをわざわざ書いてるかと言うと、この2つを混ぜて使うと、動作が異様に渋くなって直進しない原因になる からです。部品サイズが微妙に異なるためです。染色してしまうと最悪です。ただ、見分けるポイントはありますのでご安心を。 部品の接合部の角が丸く取られているのがP部品です。写真では分かりにくいですがバネ部品の先端の角も丸くなっています。 sp.204はすべて接合面が鋭利な角になっているので、染めた後でも判別できます。困ったときには思い出してください。
F103GTでは、FRPシャシーをキット標準としたため、剛性確保のため、従来、op.186「F-1・FRPアッパーシャーシ」(税別1500円) として販売されていたアッパーデッキを標準装備としています。その関係で、サーボマウントがop.186付属と共通の形状の ものに変更されています(金型はsp.1227 「R部品」として新たに起こされたようですが)。

F103GTでは、このマウントを使って、両面テープ止めで、サーボをタテ置きにして使うよう指定されています。 タミヤGPでもキット指定通りのタテ置きレイアウトが義務付けられていますので、タミグラ参加予定の方は注意しましょう。 昔のF103のようにシャシーにヨコ積みしたら直すよう言われますし、ローハイトサーボを使って出力軸を90度変更することも 認めてもらえませんでしたので、ご注意を。



このへんは従来のF103系ユーザーにはおなじみのパーツ構成です。フリクションダンパーポストがF103LM-TRF等と 同様に調整式にアップグレードされてるくらいです。ただし、最後端のアッパーデッキ取り付け用の皿ビスは、 ボディマウントを共締めする関係で従来の32mm長ではなく、35mm長になって前側の皿ビスと共通になっています。

単にポリカ樹脂製のオス(ピストン側)とメス(シリンダー側)の2部品を組み合わせただけの、 シンプルなフリクションタイプのダンパー。何もしないとまったく減衰効果はありませんが、 軸部分にアンチウェアグリスなど超高粘度タイプのグリスを塗布すると、それなりに効果が得られます。 ただ、基本的にはoptのオイルダンパーに交換する前提で形だけ繕ってある「お茶濁しパーツ」の位置付けだと思います。
フリクションダンパー。

原理主義的なサスペンションの考え方すれば、ロールを復元させるためにバネが必要だろう?と思いがちですが、 ダイレクト駆動のRCカーの場合、車重が軽いこともあって、 TバーのOリングとフロントサスのバネだけで十分に水平に復元します。このため、ロール制御にバネを使うのは ごく稀です。実際、昔から1/12や1/10のオープンレース用シャシー等ではロール方向にバネ付きダンパーを追加した 「トリプルダンパー」が何度かトライされていますが、いずれも定着しませんでした。重くなるし、左右のバネが力を打ち消し合う 「ニュートラル付近」の制御が難しいこともあって、シンプルなほうが結果的に良いことが多いからです。
「ダンパー」とは言いますが実際には「ほとんど効いてない」くらい軽い状態で十分に走りが変わりますから、 決して硬いグリスでベチャベチャにしないこと!リヤグリップが要らないならそれでもいいんですけど、普通はリヤグリップは メいっぱい欲しいはずですからね。何も塗らないでバネをちょっと締め込む程度で十分です。人によっては1万番くらいまでの シリコングリスを塗る場合もありますけど、筆者は好結果を得られた試しがありません。このへんはお好みでどうぞ。

F103GTではギヤケース(モーターポッド)自体をCカーと同様にスペーサーでカサあげしているため、F103(F1/LM)で フリクションダンパーのモーターポッド取り付け部に指定されていた3mm厚のアルミスペーサーの装着はキャンセルされ、 フリクションパッド位置の帳尻を合わせています。
F103GTでは、汎用性の高い形状のアンテナポストが新たに用意されました。フロントアップライトの説明で触れた「T部品」のなかに 含まれています(T5部品)。T部品は2枚で1セットですが、そうするとこのパーツは1セット2個ずつ取れるので、 今後はT部品を買うごとに余るパーツでいろんな車種に使い回しできそうで、助かります。




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