(posted on Aug 3, 2005)
(updated on July 21, 2006)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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メルセデス・ベンツC11
チューニングTips




ギヤ比表

<1>ツイックスクリューの追加

現役時代には試したことがなかったのですが、今回、ちょうど後ろ側のTバー取り付け部の左右に ツイックスクリューがネジ込めるスペースがあることに気付いたので、装着してみました。 Tバー取り付けネジから左右10mmずつの距離に、ピンバイスで2.6mm(2.7〜8mmでもOK)の下穴を開け、 3×10〜12mm程度のホーロービス、ないしJIS/ISOネジをネジ込めばOKです。バスタブ素材の厚みも不足ないので、 ネジ込みでヘマをしない限り、ネジがバカになることはないでしょう。
仕上がりはこんな感じです。

ツイックがない場合、CカーのTバーはメいっぱい締め込まないと、コーナリング中にシャシーがヨレて フロントタイヤのジャッキアップ現象が発生、これが激しいアンダーステアの原因になってしまいます。 この状態でアンダーを解消しようとフロントタイヤにハイグリップなものを付けてしまうと、低速でオーバー、高速でアンダー というどうしようもない状態に陥ってセッティングが迷宮入りしてしまいます。そもそもの問題は強い横Gを受けたときに Tバーがヨレ過ぎてTバーを支点にフロントタイヤが浮いてしまう点にあるわけですから、リヤダンパーが柔らかすぎてアンダーが出る ツーリングカーやバギーでリヤを固めて曲がりやすくするのと同様に、ツイックスクリューでTバーを規制してやれば 万事解決です。見違えるように走りが改善しますので強くお奨めするモディファイです。
なお、以上の説明からも明らかなとおり、ツイックスクリューを使用する場合はTバーのロール量を相当に減らすよう設定しましょう。 でないとツイックの意味がありません。具体的なストローク量はホイール端のトラベル量として5mm程度あればOK。 それでもハイグリップ路面ではフロントタイヤが浮いてしまう場合があるので、その際はTバーのロールを止めてしまうくらいまで締め込んで 様子を見てください。

その代わり、Tバー自体のビスの締め込みはF1(F101〜103)と同程度に緩め、進行方向に対して斜めにヨレない範囲で 軽快に「カタカタ」と動くようにしておきましょう。左の写真よりももう少し緩いくらいでOKです。 1/12オンロードレーサーなどでしたらボールシートで接続しているわけですから、そのノリで。
<2>デフプレート研摩

DDシャシーの紹介のたびに書いているような感じですが、今回もあえて書いておきます。 そのくらい基本的かつ劇的に性能が変わる簡単なチューニングですから!

方法は簡単。800〜1200番程度の耐水ペーパー(筆者は1000番を愛用)を用意するだけ。平滑な場所で水研ぎすればOKです。 写真はあくまで「イメージ」ですので空研ぎ状態ですが、水で研摩粉を流しながらやったほうがいいですよ〜。 すぐ消耗するパーツですから、あんまりオーバークオリティーに仕上げても意味がありませんから、ホドホドに。
デフプレートは1パックくらい走り込んだところで動作が安定します。逆に言うと、多少ボールと擦れて筋が付くように馴染ませないと デフが緩んで安定作動しません。ですからあんまりマメにメンテするのも考え物です。筆者はズボラなので走りに影響が出るまでデフプレートの 再研磨はしません。おおよそ20〜30パック毎くらいの頻度です。研摩を2回程度やったらプレートを表裏逆にしてまた使います。 ですから過去10年あまりの間にF1/Cカーだけで1000パック以上の走行暦があっても、デフプレートを買い換えたことなんて ほんの数回しかありません。シビアに使えば短命ですが、うまく使えば、結構、長持ちしますよ。デフボールもノーマルのままで、プレート交換時に合わせて 行っています。普通はそれで十分です。シビアにやり出すとキリがありませんが。
F101〜103/Cカー用のデフリングはオイル分がコーティングされた特殊鋼板を使っているようで、研摩するとコーティングが取れて 見違えるように輝きます。なお、一応プレスの向きで「表裏」があるので、研ぐときやデフに装着するときには面を合わせて使うように したほうがいいでしょう。しなかったから致命的に問題が出るわけではありませんが、気持ちの問題として。
<3>ディテールアップでまったり楽しむ

キットを購入されたオーナーの皆様にはある意味、酷な話ですが、正直言ってCカーシャシーはダイレクト駆動のシャシーとしては 図体がデカく、重くて遅いシャシーです。だから今どきの四駆ツーリングカーと競り合っても負けてしまうことが多いはずです。 軽快な動きを求めるなら、素直にF1シャシーにしたほうが良いわけです。ならばCカーに何を求めるか? ズバリ、 「スケール感あるカッコイイ走り」コレでしょう。
というわけで再評価の対象になったのがこのsp.460「Cカーコクピットセット」(定価1200円)。もちろん絶版ですが、オークション 等で入手ができないわけではありません。ツーリングカーのコクピットセット等と同様、プラ板をバキューム成型した作りですので、 結構軽い & 塗装が通常のプラカラーでOK、ですのでモデラーには非常に取り組みやすいです。筆者もただいま製作中のマツダ767ボディに コイツを装着してカッコ良く走ってみたいと思ってマース!(笑)
<4>軽量化

RCTから数量限定で純正(絶版)互換サイズのカーボンシャフトを頒布しています。 回転部分のマスがノーマルの28g(実測値、カタログスペックは27g)からたった7gへと劇的に軽量化され、燃費やトップスピード、スロットルレスポンスのアップに 絶大な効果があります。もちろん対クラッシュ性もアップします。1本ぜひどうぞ!

お求めはRCTオンライン頒布コーナーにて随時受け付けています。
また、タミヤの純正optとしてop.97「4×42mmチタン皿ビス(4本入)」(900円)というのが出ています。 まだ流通在庫もたくさんあるようです。Cカーでシャフトに次いで軽量化効果が高いのがこのビスですし、単に交換するだけですから 余裕があればお奨めします。これだけでもシャフトのカーボン化と合わせて30gくらい軽くなりますから、かなり変わりますよ!
<5>タイヤとホイール

おっと、チューニングの基本中の基本、タイヤ選択についてコメントしてませんでしたネ!申し訳ありません。

筆者が、往年のタミヤF1フリークとして、あらゆる路面で「定番」として絶大な信頼を置いているのは、クロス製のハイグリップソフト(フロント用)、 とウルトラハイグリップタイヤ(リヤ用)の組み合わせです。アスファルト、カーペット、オイルサーフェスなど、どこへ行ってもまず間違いなく 最速ラップをたたき出せる「信頼のチョイス」です。F1用の小径(標準サイズ)ホイールと組み合わせることでCカーにも使えます。

しかし、そもそも「クロスのスポンジタイヤ」自体が近年は入手困難でしょうから、別の選択肢として、やはりF1
ホイール用のタミヤ・ ブチルソフトタイヤもお薦めしておきます。前後とも「ソフト」というのがポイントです。フロントにミディアムしか使えないマシンでは タイムが出ません。ソフトが使えるようにセットアップしましょう。厳密にはまったくイコールではありませんが、ブチルソフトは クロスのタイヤと見分けが付かないほど高グリップを示す優れたタイヤです(グリップ剤なしで)。ですから、入手しやすさという意味で素直にタミヤ製を使うのも ひとつの見識だと思います。オールラウンドに使えてすごくいいタイヤですよ!>ブチルソフト

このほか、キット標準のフロントタイヤ(4428)もF1用キット標準タイヤよりソフト&ゴム質の多いコンパウンドで、夏場はかなり食いますが、 路面温度が20度を切ってくるとグリップダウンしてしまうので「夏用」と割り切ったほうが無難です。


<6>車高調整

ステアリング特性の調整は、タイヤだけではありません。Cカーではキット標準で車高調整のパーツが付属していますが、コレが 結構役に立ちます。タイヤがワンメイクで選択余地がまるでなかったF103LMでは、リヤの車軸を車高調整ギヤケースで標準より2mm下げ (車高は上げ)ることでかなりアンダーステアを解消することができました。Cカーでも同じことをやればいいのです。

具体的には、リヤスペーサーは廃止してリヤの車高をかさ上げします。タイヤ径でも調整できますが、やはりある程度小径のほうが操縦性が良いのでスペーサー廃止が先です。 逆にフロントは車高が下がるように、タイヤ径を60mm以下に落とし、もしタイヤ径が大きければサブフレームのスペーサーを「上側」に移してメインシャシーを 落とし込みます。要はロール軸が「前傾」になるように設定すれば良いのです。

また、F101/102用モーターポッド(ギヤケース)は、実はF103と組み付け寸法が共通で、F103用optの車高調整式ギヤケースの 左右の軸受け部品がそっくり流用できます。ただし、モーターポッドのオフセットの違いに合わせて、車高調ギヤボックスセット付属の 6mm径スペーサーを切断して短くするか、適当な長さの6mmスペーサーをシャフト左側に入れる
調整が必要です。 恐らく、今後タミヤGPがあったとしてもNGな改造ですが、遊びで走らせる 分には、タイヤがもったいないですから、F103用の車高調を使って車軸2mm下げできれば、その分、タイヤを長く使えますよね。

ちなみに、CカーではTバーの取り付け位置や車重の関係で、F10xよりも大きなタイヤ径でTバーが路面に擦れ始めます。具体的にはCカーだと ノーマルのモーターポッドでは、キット付属の車高調整用スペーサーなしでもタイヤ径55mmくらいが限界です。しかし、実はこのタイヤ径はF1からすれば 「ようやくベスト径になった」というくらい、まだまだ大径な状態です。車高調を使えばF10x並みに50mmくらいまで使えます。


<7>タイヤのハガレに要注意!

ツーリングカーでもそうなんですが、タイヤ、特にリヤ側がホイールから剥がれると、そこでヨレが生じてグリップダウンします。特に、スポンジタイヤはテキメンに影響が出ますので、タイヤのハガレについては毎回チェックするくらいの気構えが必要です。これはグリップの高いタイヤや路面になればなるほど必要になってきます。逆に言うと、ホドホドにしか食わないタイヤや路面なら、適当でも支障ないのですが、そういう条件ではクルマが良く走らなくてつまらないと思うでしょうから、良し悪しです。

タイヤのハガレ防止策としては、タイヤとホイールの接合面を「セメダイン・ハイコンタクト(透明)」のように合成ゴム系で乾燥後も柔軟性が高い接着剤でカバーしておくと良いです。ゴム系でも、天然ゴム系の茶色いタイプは乾燥後に硬化してしまうので良くありません。

<8>787Bボディへのコンバート

しばらく更新してませんでしたが、実は、あろうことか、ここまでご紹介してきた シャシーは、05年10月に失われてしまい、レポートが書けなくなっていたのでした。ナニ、失われた!? そーなんです、実はカミさんが痴話ゲンカの弾みでヤケクソになって勝手に捨てちゃったんです。これからもっともっと可愛がってやろうと思っていた矢先に、東京湾に埋め立てられてしまって二度と戻って来なくなっちゃったと思うと、実に哀れで、しばらくショックから立ち直れませんでした。トホホ。
ちょうど路面温度が下がる時期と重なったので、06年春にマツダ787Bが出てくるのを待って、 新しい車両を組み直し、コンテンツを追加しようと準備していました。併せて組み立て用のベンツC11復刻キットも購入し、晴れて塗り完ボディもゲット。折を見て追加アップしたいと思います。とりあえずこちらの写真は、走行用にと2年くらい前から準備していたモデギャラ限定のマツダ787Bボディです。ホイールベースを270mmに短縮した新調シャシーで、Cカーシャシーのさらなる極みを目指しますよぉ〜!

なお、マツダ787B復刻キットについては、こちらで紹介しています。
前後ともキット標準のタイヤで走った最初のインプレとしては、「曲がりすぎるくらい良く曲がる!」という印象でした。路面温度が50度を超える真夏日で、GTチューンとほぼ同じ出力を見込んでダイナラン・ストックモーター(最新の丸Tブラシ仕様)を搭載しましたが、グリップ的にはギリギリですが、操縦が困難というほどの不満はありませんでした。適度な緊張感を保って、「爽快なスピード感」と「操る楽しみ」を久々に満喫しました。ただ、さすがに23Tを積むとリヤグリップがキツそうだな、という感じではありました。その場合はF1用のブチルソフトをリヤに装着すると良いでしょう。また、ボディもホイールベース280mmのベンツやジャガーにしたほうが操縦がラクそうです。なお、以上のインプレはあくまでもツイックスクリューを装備して左右のロール量をホイール端で5mm程度に制限した状態でのものです。ロール量がフリーの場合は初期反応 だけで曲がる感じで、コーナー後半はどんなタイヤを使おうがフロントが浮いてアンダーが強いハズです。




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