(posted on Aug 28, 2007)
(updated on Nov 1, 2007)

ダートスラッシャー(3)





ギヤ比表

マンタレイ系バギーのギヤは、入門用らしく耐久性を考慮して06〜08モジュールが採用したうえ、デフもボールデフになったので、 ピニオン式デフだった80年代のアバンテ系よりも大ぶりなギヤボックスになっています。ただ、耐久性は申し分ありません。 ダイナテック02Hモーターのパワーもしっかり受け止めるキャパがありました。ギヤの強度的には、 イマどきのブラシレスモーター等を積んでも全然問題ないでしょう。その前にモーターマウントが壊れそうですが(苦笑)

ダートスラッシャーのアッパーアームは、ベースモデルのマンタレイに準じて樹脂製が標準ですが、作例では optのターンバックル+6mmアジャスターに変更しました。キャンバーをどうこう言うようなクルマでもないので、 ノーマルで全然構わないのですが、余ってたのでやってみました、みたいな。
マンタレイ系のスパーは06モジュール74T。途中にアイドラーを使っていますが、ここでの減速はなくて、 あとはファイナル(デフ)で16:39(2.438)の減速を行っているだけ。

なので、あとはピニオンの歯数を決めれば最終減速比を計算できます。 確かキット標準は最大ピニオンの21Tですが、これだと8.589になります。540ならこんなもんかな。 23Tとかだと9.5〜10.0くらいがちょうどいいのではないでしょうか (タイヤ径が大きいのと全備重量が1700gくらいになるので、ツーリングカーより最終減速比は2〜3くらい大きくなります)。
80年代から試行錯誤が繰り返されてきたタミヤのバスタブシャシーのバッテリーホルダー形状は、マンタレイ系に至って この「プラ部品1個をキャッチピンで止める」という究極的な方式に行き着きました。 後のCカーやTA01〜03など、バッテリーをヨコ積みする90年代のバスタブシャシーにも幅広く採用されました。

生産効率や組み立てやすさの面では極めて優れた方式ですが、実は問題は「走らせてから」出てきます。 バッテリーとバスタブのすき間に小石が入り込んで、走行中の振動によって徐々にバッテリーを締め上げるのです。 走行終了後にバッテリーを引き抜こうとすると、バッテリー下面に食い込んだ石が引っ掛かって難儀します。だから本当は バスタブシャシー下面に石を抜くための穴を開けておくべきなんです。「バギーシャシーの底に穴なんておかしーよ」と言われそうですが それは走らない人の脳内理論。困ればすぐ分かることです。そういう点では、バッテリー底面から出し入れするグラスホッパー系や 「抜け」があるフロッグ系、ホットショットといったモデルのほうが優れていました。今度出るDB-01ドゥルガ系は、 バッテリーを上から着脱する方式ですから問題ないですね。
この頃はまだ、サスアームの伸び側の規制というのはダンパー側にインナースペーサーを入れて全長を設定することでやっていました。 したがって、サスアームにはホーロービス穴なんてありません。 バギーのリバウンド量設定なんて、5mm以上あればいいじゃん、みたいな感じで、ツーリングカーに比べたら実に大雑把な話ですものね。 専用サーキットやカーペット等、準オンロード路面で走る場合はそうも言ってられませんが、通常は、リバウンド量のわずかな違いが タイムに反映されるような路面じゃないですから。
リヤのギヤボックス/バルクヘッドは上下わずか2本ずつのタッピングビスだけで固定されています。 それでいて、強度的にはまったく問題ありません。 実にシンプルで美しい優れた設計です。
リヤのドライブシャフトはステアしないので曲げ角が厳しくないため、メンテナンス性に目をつぶれば 特にユニバである必要はありません。そこで作例ではユニバでなくドッグボーン式のままですが、 ここで使っているドライブシャフトはマンタレイ系で見慣れたメッキシャフト+樹脂封止タイプ(部品番号9805370、520円)ではありません。 それより以前に「サンダーショット」から採用されていた全金属タイプ(部品番号9805551、500円)です。 こっちのほうが丈夫だから、ということなんですが、実は価格もほんのちょっぴり安かったりします(笑)。 しかも、現行のツインモーター系のビッグフット車(ツインデトネーターやデュアルハンターなど)にも 採用されているので、思いっきり追加生産されてる現行パーツ(!)です。アフターパーツでお求めならば、コレはお奨めです!
マンタレイ系のサスペンションジオメトリは非常に自然です。剛性も適度で、 よくできた足だと思います。20年近くを経た今でも全然フツーに見えることが何よりの証です。




2度のトーインが与えられたリヤアップライト。
マンタレイ誕生からTA01/02、そして今もXBなどで現役のM1025ハマーまで、 20年近くコーナリングの要として使われ続けている傑作パーツです。強度、美観、機能、サイズ、コストのバランスが素晴らしい。

当時はまだアップライトにイモネジをネジ込んでサスピン中央部を固定する手法は導入されていませんでした。 ちなみに、イモネジによるアップライトのサスピン固定は、TRF414/TA04用の樹脂アップライトで初めて 「イモネジ穴が開けられる凹み」が設けられ(当時イモネジ追加はタミグラNGだった)、 その後Evo3用のアルミアップライトやEvo4の軽量リバサス導入で正式に導入が始まりました。今ではM-03/04用の新型アップライトにも イモネジ用の凹みが導入されてるくらいです(穴は自分で開けなきゃいけませんが、今のタミグラレギュではイモネジ追加はOK)
非常にスッキリした印象のリヤビュー。
空力的にも良さげです。やけに細身ですが、コンパクトで厚みがあるので剛性は問題ありません。 TRF501Xのように、「クラッシュやビッグジャンプの着地に失敗すると必ずココが壊れる」というような 特定のウイークポイントがないのが、マンタレイ系の美点だと思います。シャシー強度にムラがないのです。 裏返すと、壊れるときは不特定な部位が壊れるのだと思いますが、筆者はまだマトモに壊したことがないので・・・。

バネはCVAダンパー(ショート)のセット付属のノーマルバネです。タミヤのバギー用セッティングバネが市場から消えて 入手困難な時代に組んだので、あんまりセッティングは考えてません。「遊び用」なので極端にヘンなステア特性にならなければOK、 あとは車高をメいっぱい上げて夏場の公園の草地での走破性を高めたい、みたいな。およそサーキット走行向けのセットアップではありません
工夫というほどでもないですが、 リバウンド時にリテーナーが脱落してしまわないように、押えとしてOリングを付けています。 バンプストッパーとしてOリングを入れることもありますが、そういう使い方ならば、もっとたくさん入れないと機能しませんね。
考えてみると、このショックタワー、ダンパー位置のセッティングポイントが皆無で、シンプルにまとめられているからこそ 非常にコンパクトな設計になっているわけですね。入門用ですからむやみなセッティングポイントがあってもしょうがないし、 コレはコレで良いですよね。マンタレイ系のレース仕様車「トップウォース」ではFRP製ショックタワーを備えて 多様な取り付け穴位置を選べるようになっていますから、それでいいかなと。
ボディマウントも1点式で実にシンプル。最初に見たときは目が点になりましたが、 装着してみると特に問題ないことが分かり、すげ〜割り切り、と感心してしまいました。 たださすがにTRF501X以降は防塵性との兼ね合いもあってボディマウントを強化する方向に戻ってきていますね。 このシャシーにこのボディじゃあ、防塵もナニもあったもんじゃないので1点式マウントで十分ですが・・・。

そうそう、このボディマウント、中古の車体とかをオークションで落としてくると、ネジを締め込み過ぎて ネジ受け部が潰れて穴がゆがんで広がってることが多いんですが、ツメがギヤカバーに引っ掛かって位置が固定される 構造ですから、ネジはマウント部品が穴から外れない程度に押え付けていれば良くて、 ギューギュー締める必要なんてありません。樹脂パーツのネジ止めには、パーツ変形を避ける配慮が必要です。
そんなわけでダートスラッシャーの紹介を終わります!
結構惚れ込んでいるクルマなので、ついつい、美辞麗句が踊ってしまいましたが全てホンネです。 RCTの辞書に「ヨイショ」という言葉はありません(笑)。

間もなく、TRF501Xの血統を受け継ぐ、最新・最強のミドルクラスモデル「DB-01」が発売されますね。 「マンタレイ」から17年の時を経て、どこまで進化を遂げたのか!? とても楽しみです。 それと同時に、今でも輝きを失わないモデルとして、ユニークでカッコいいボディが多い マンタレイ系が再評価されることも願ってやみません。




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