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タミヤHP上のRC3600HV注意書き [2004/06/24 (Thu) 23:39:02]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤] [URL: http://www.tamiya.com/japan/info/040624.htm]

本日夕方6時29分頃、タミヤHP上に新製品のRC3600HVについて取り扱い上の注意点が
アップされました。
http://www.tamiya.com/japan/info/040624.htm

一部のマニアな方々は既にご承知のとおり、サンヨー系Ni-MHセルはこれまでのところ
GP社製セルよりも内部抵抗が大きめで、したがって発熱量が多いです。
このため、充放電の末期にはセル温度が非常に上がります。
これから夏場に向かい、放熱が悪くなるので熱的には一番厳しい時期に差し掛かります。
しかし、気温26度、4.5Aでカットオフ-0.02V/6セルという条件で充電したパックでさえ
充電終了温度は52度に達します(私が購入した3パックともぴったり52度になりました)。
これが気温35度だったりしたら、当然、その分充電終了温度も10度以上アップします。
これまでのようにレースの現場で追い充電をかけようと思っている方は、ぜひ、その前に
パックの温度を測ってください。数字を見れば、追い充電かけてもバッテリーを逆に
痛めるだけだ、ということに気づくでしょう。

そもそも充電中のバッテリー電圧が9.10V(@4.5A)を超えたあたりから
温度上昇カーブが急激に上がってきます。
新品時のピークカットは9.30Vあたりですが、この最後の0.2Vの間に
バッテリー表面温度が40度から50度超になるわけです。これは満充電に伴うセル内部での
過充電反応(過充電の電力で電気分解されて生じた水素と酸素を再重合させる反応)
が起きている証拠にほかなりませんから、これ以上いくら追い充電してもムダなのです。

ちなみに同セルの定格上の使用温度範囲は0〜50度です。
60度以上の温度にさらしていいことはひとつもありません。
まず、水素吸蔵合金が砂化という崩壊を起こして容量減少を招きます。
また、電池内部のセパレーター(電極を隔てている薄い布)の耐熱性は
どうでしょう、素材にもよりますがポリエステルなら100度がせいぜいです。
セル表面が100度になるなら内部の温度は・・・。セパレーターが破れたら電池はパーです。

ちなみに、気温26度、表面温度40度で20Aのレートで放電すると10分30〜40秒で放電を終了しますが、
放電終了時の表面温度は冷却ファンを使用しているにもかかわらず60度近く(57〜59度)に
達します。
ということは、8分で使い切ることを想定している23Tストックレースなどでは
恐らく80度近くに上昇する、ということですね。冷却が悪ければ100度に近くなるでしょう。
実際の走行では、パックの表面温度が30度くらいのところからスタートしないと
ヤバいと思います。ただ、夏場は気温がそもそも30度超えてますよね・・・(苦笑)
これからの8分レースは「冷却」が大きなキーポイントになりそうです。
ただしタミヤGPでは、どうがんばっても5〜6分のレースですから、
これまで通り、セル温度は高めにしておいてグリッドに並ぶのが正解です。

というわけで、バッテリーの寿命維持や性能発揮の観点から
3600HVにおけるセル温度の管理は、従来の3300HV以上に注意が必要です。