RC Car Trend Vol.10──────────────────── 99/1/27(発行部数:484部)

〜 Contents 〜
1.懐かしのNASCARレース
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(編集長より) みなさんこんにちは。
トップサーキットができた頃からの私や北澤君の友人の1人で、 先日も、トップサーキットの6時間耐久レースを一緒に走った、 大塚知宣(おおつか とものり)さんが、「昔話シリーズ」を執筆くださいました。
第1弾は93年6月27日に行われたトップサーキットGP・NASCARオーバルレースのもようです。 素晴らしい記憶力で克明に描かれているあたり、年の差を感じてしまいます(笑)。

1.懐かしのNASCARレース by 大塚 知宣(おおつか とものり)

93年、6月でしょうか? TOP初のオーバルイベントがありました。シャーシは F1、ボディはNASCAR。モーターはスポ−ツチューンだったかな? (その後、田宮からCカーシャーシにNASCARボディをセットしたキットが発売され ましたが、当時はそんなものはありませんでした。TOPで、社外ボディを使った レースを堂々と行うのは、初めてでした。)

「リアルなレースを」ということで、ボディカラーは、実在するものを、バッテ ィングしない様みんなで割り当てることに。北沢くんがMcdonald、伊藤さんが Valvoline、西野さんはQuakerStateでしたでしょうか。私は米国アンディーズ社 製シボレー・ルミナボディにKodakカラーを選びました。わざわざ北海道から通 販でデカールを仕入れて・・・。

ドライバーズフィギュアの取り付けも必要でした。私はルーフの上にネジ穴を空 け、「ボディにドライバーを吊り下げる」という荒技を使いました。 私の車は、F101シャーシ(注1)、タイヤはフロント・「ニーハチ」(注2)、リ ア・キャップド(注3)。ホイールはCカー用でした。

さて、当日、エントリーは16台(クラス分け無し)。
これでAメインに残れないと、かなり淋しい。 (当時17歳だった私は、北沢くんや海野さんなどと一緒にたまーにAメイ ンをハるのが楽しみでした)

予選は大失敗。
車の仕上がりは最高なのに、プレッシャーからか、同じコーナー(ターンといっ た方がアメリカっぽいかな)で毎周のように突き刺さり、中のF1シャーシのフロ ントウイングがサスアームに引っかかって止まってしまう(注4)のです。おバカ な私がTOPならではの「エアコン・レイン」(注5)に気づかなかったのが原因でし た(笑)。マーシャルの伊藤(雅之)さんに、直してもらっては、また刺さる。そんなことを 繰り返すうちに予選は終了。

予選順位はBメイン1位!私の「定位置」でした。
ところがところが、何と、当時トップ店員だった西野さんが決勝を辞退。私はA メイン最後尾からのスタートを許されました。

スタート形式は初体験のローリング。かっこよくウェービングをしたりして。 いざ、スタート!「マクリ」が大好きな私は、スイスイ順位を上げてゆく。 「西野さんありがとー」と思いつつのSide by Side。ときには3台並んでのコー ナリングで駆け抜ける。北沢くん、支自岐さんもパス。気が付けば3位だ!これ ぞマクリの極致!

先頭は兎子尾(としお)さん、2番手に土岐さん。先頭の兎子尾さんのペースは 尋常じゃない。ちょっと追いつけない。土岐さんも速い。途中で表彰台キープに ターゲットを変えた私に、北沢くんが迫る!
何とか逃げてやる、絶対負けんぞー!・・・しかし、残り数周の時点で、周回 遅れが眼前でスピーン!おわー!それほどロスなく避けたものの、そこはさす がに北沢くん、スキを見逃さずにスパッと抜かれてしまいました。 結局4位。でもでも、とっても楽しいレースでした。

リザルトを見ますと、編集長の伊藤氏は9位となってます。
ま、この後どんどん速くなられたわけですね。
(編集長言い訳:アンダーを出しとかないと走れなくなるオーバルの鉄則を 良く分かってなかったもんで、ニュートラルのセットで走って巻きまくり。 決勝はまるで走れませんでした。残念。でも楽しかったよ)

(注1)F102,103と比べると前重心で、F102発売後も、青山などの低グリップ路 面で人気がありました。私はレイアウト如何に関わらず前重心好みのため、かな り長く使用してました。

(注2)Cカーキット純正タイヤ品番4428のこと、路面の粒子が細かかった93年当時の TOPで鬼食いした

(注3)当時のサラサラ路面では、夏でもキャップドタイヤを使うことがありま した。93年は冷夏でしたし。このレースはオーバルということで、私はスポンジ より転がりの良いキャップドを選びました。

(注4)当時メジャーだったウイリアムズFW14ボディでは有名なトラブルで、フロント ウイング後端をカットしないとしょっちゅう引っかかるのです。単にメンドくさい からといってこれを怠ると、レースを落としました。

(注5)TOPでは、操縦台からみて右隅の路面はエアコンの冷却塔からの水沫が 飛散して要注意ですよね。

(おわり)

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ウワサの真相?

(1)ホームページ特別寄稿 「フェラーリとウィリアムズ抜きのF1レースが来る日」