posted on 9/22/99
last updated 11/07/2013
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〜 Robitoronicダイノデータの読み方 〜



<ソフトのバージョンアップについて>

既に、前ページにおいて、ダイノデータの基本的な考え方を述べましたが、ここでは、 より具体的に、実例に即してデータの見方をご説明していきます。

まず最初にご理解いただきたいのは、当研究室では、現状、データ表記に3種類のフォーマットが 存在する、という点です。どういうことかと申しますと、当初はデータ表示ソフトに「ver.2.3」を 使用していたのですが、その後、ソフトが「ver.2.4」に更新されたのに伴い、本編 「その8」以降のグラフはver2.4にて表示してます。さらに06年以降にアップしたデータは、 段階的にWindowsベースの「ProMaster2(V1.0)」での表示に移行しつつあります。

問題点としては、バージョンアップに伴い、内部ルーチンが見直されたのでしょうか、 全く同じデータを使っているにもかかわらず、ver2.3とver2.4では「平均効率」および「平均出力」の計算結果("Average"として表示)が 異なってしまいます。ただし、起動時から最大回転数までの全域にわたっての平均値を取ることがどれほどの意味があるのか、 と言えば、正直言って「意味なし」と思いますので、もともとこの「全域の平均値」 というデータは無視して構わないものではあるのですが・・・。

ver2.4のグラフでは、従来の「全域での平均値」に代わる、より有効な評価基準として、 特定の負荷レンジ(消費電力の値で規定)における平均トルクおよび平均効率も 表示できるようになり、実戦的なデータ分析が一段と容易になりました。通常のレースシーンでは、 ゼロ発進のスタート時を除いては、10〜30A程度の範囲でバッテリーを消費していることが圧倒的に多いので、 RCTではこのレンジを「常用負荷レンジ」と設定し、以後はこの基準に基づくデータも 含めて公開しています(グラフ下の表中の最も下の行が10〜30Aレンジでの平均データとなっています)。

「常用負荷レンジ」を分かりやすく図示すると、例えばジョンソンの場合は下の網掛けの範囲になります。
ただし、網掛けの範囲はモーターによって大きく変わります。要は、赤線で表示された「Current」グラフが 30〜10Aの範囲に収まっている領域を上下に見れば良いのです。



ヨコ軸を「消費電流」で取ったグラフで見れば、常用レンジでの違いはもっと分かりやすくなります。
「ProMaster2」では、従来のDOSベースのソフトでは固定的だった「ヨコ軸」の刻み設定が 任意に変更できるようになり、「トルク」や「消費電流」をヨコ軸としたグラフが一段と読み取りやすくなっています。



また、一般には、例えば23Tストックとか、540モーターのように、ワンメイクレースで同じ銘柄の複数のモーターを選別するケースも多いでしょう。このような場合、ギヤ比やバッテリーはほぼ固定されるわけですから、ヨコ軸を「トルク」で表示したもので見ると、同じ負荷を与えた時の特性の違い(立ちが鋭いとか、上で吹けるとか)が明確に分かります。

(131107update)
元原稿を書いた1999年当時と2013年現在のパワーソース環境は様変わりしています。この間の進化で、バッテリーとアンプのトータルの内部抵抗は半分〜1/3くらいに下がっているので、その分、同じモーターでも出力は自然にアップしています。したがって、2013年現在の最新のバッテリーとの組み合わせでは、常用負荷レンジは大電流化する方向にあり、おおよそ20〜40Aくらいとみられます。そのへんは各自のパワーソースの状況に応じて適当に読み替えてください。

なお、パワーアップするということは、時間当たりの仕事が増えるだけでなく、(仕事に変換できず)廃熱として捨てられる時間当たりのエネルギーも増えるわけで、つまりモーターが余計に加熱する、ってことです。この結果、夏場でなくてもモーターが焼け死んだり、コネクターが溶けたりという事故も増えています。モーターの寿命も大幅に短くなってます。もはや動力系にコネクタを使うのはやめたほうがいいし(つまりハンダで直結)、仕方なく使うとしても金メッキ必須です。なにしろ瞬間100〜150Aが流れる時代です。回路上の微細な抵抗でも発熱源となって発火・溶融につながります。それがイヤならおとなしく6.6VのLi-Feバッテリーを使いましょう。7.4VのLi-Poに比べると大幅にかったるいですが、電池の安全性や保存性も非常に高いという点ではいい電池ですし・・・。




<各データの意味>

上記グラフにおける各データの意味をかいつまんでご紹介します。

(表の左側セクション)
ヨコの項目
RPM: 回転数。単位は「回転/分」
Power: 出力(=回転数×トルク)。単位は「ワット(W)」
Torque: トルク。単位は「ニュートン・ミリメートル」1N・mm=1.019676g・cmです
    従来のg・cmとほぼ等価で考えていい格好になっています。
 (「g・cm」表記は廃止されましたが、モーターの性能表記として昔からなじみ深い単位ではあります)
 (131107update)長らくN・mmの換算表記を間違っていました。すみません(^_^;
  N・cmでなくN・mm表記だから値のケタ数は一緒で単位系を移行しても違和感なかったわけね(今更)
Efficiency: 効率(仕事率)。単位は「%」
Current: 消費電流。単位は「アンペア(A)」
Voltage: その際の電圧。単位は「ボルト(V)」
Time: 測定のためのモーター回転がスタートしてからの経過時間。単位は「秒(s)」

タテの項目(実測データ)
MaxPower: 最高出力
MaxEff: 最高効率。いわゆる「適正負荷時のスペック」はここで見る
MaxRpm: 最高回転数(実測値)
Average: 全計測データから算出される「全体の平均値」
10-30A: Average算出対象データを、特に10〜30Aの消費電流レンジに限った場合の平均値(ver2.4使用時のみ表示)

(表の右側セクション〜こちらは、実測データから推定される理論値をまとめたものです)
Simulation: シミュレートされたバッテリー供給電圧(RCTは7.2Vで固定)
**,***RPM: 最高回転数(計測データから推測される理論値)
Torque: 起動時の最大トルク(計測データから推測される理論値)
Current: 起動時の消費電流(計測データから推測される理論値)
EMF(Electronic Magnetic Field): 磁場強度(mV/kRpm=1000回転毎の発電量で表現)
Resist(ance): 電気抵抗
Friction: 摩擦量
摩擦は、「投入した電気量に対する損失」という形で測定され、 「最高値(Nmm)」と「1000回転当たりの発生量(Nmm/krpm)」の2通りで 表記しています。摩擦の「量」は回転数が増えるほど増加しますが、摩擦面の「摩擦係数」は、 コミュテーターや軸受け表面の摩擦熱と、 熱伝導などによる放熱によって、計測中も目まぐるしく変化するほど微妙なものです。しかも、150度程度までの温度範囲での 金属表面の摩擦係数は、 温度が上がるほど若干減っていくらしく(もっと上がると増えますが)、 モーター回転数が増えても摩擦量の増加は必ずしも見合った増加を示さない傾向が観測されています。 また、現時点では理由は不明ですが、 「絶対量」の数値は「1000回転当たり」の数値に無負荷回転数を掛けた値よりも大きく表示されますので注意が必要です。 (プログラムバグによる計算間違いとかではないようです)

ともあれ、無負荷回転数は銘柄によって違うので、通常の評価基準としては「1000回転当たり」の値を用います。

一番下の行は、データのファイル名と記録日時です。

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