posted on Sep 26, 2003
(updated on Jan 14, 2005)
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TT-01でフラットダート!


TT-01でタミヤ・オフロードミーティングのラリークラスに参加することになりました。
オフロードでのラリークラス、というのは、現在のタミヤGPのなかでは異例で、
03年年初にタミヤサーキットでやった新春恒例のオフロードミーティング以来です。
そもそもオフロードの大会自体が関東では少なくとも10年以上ぶりの「復活」です。
ラリークラスはスポーツチューン使用、ギヤ比無制限、参加者無制限ということで、
ちょっと面白いことになりそうです。
もともとTT-01は防塵性の高いシャシーですからオフロード走行には向いているのですが、
それでも実際にまともなレースをするには、ちょっと手を加えてやったほうがベターです。
この後に控える、10月の全日本予選にも目を向けながら、
これまでの「RCTチューン」から一歩進んだチューニングを考えてみました。
また、03年5月以降に続々とoptパーツが発売されつつありますが、これらについても
RCT的観点から取捨選択のアドバイスをしてみようと思います。



オフロード走行するとドロドロになるので、新たに1台組むことにしました。
組み立てに際しては、前回の03年5月のレースでやり切れなかったことを含め、新しいアイデアをいくつか盛り込むことにしました。

今回のチューニングのポイントは主に2つ。
(1)サスペンション回りの改良
(2)有効なoptパーツの組み込み
です。また、今回は特に「イージーに取り組む」という点を重視し、ダンパーはあえてキット標準のタイプを使うという条件を課しています
では順を追って見ていきましょう。


まず、サスペンションについてですが、ダート走行、しかもジャンプがありますから、車高をオンロードより高めに設定しなくてはなりません。
今回走行する「こどもの国総合グラウンド」は、「グラウンド」と言うくらいですから、石はまったくないことが予想され、したがってサスペンションのトラベル量が少ないTT-01でも大丈夫とは思われましたが、多少の起伏はあるでしょうし、ダート走行は滑りますから、重心位置が高くて転倒とかロール多過ぎ、といった問題は少なく、とりあえず車高はいっぱいまで上げておいていいや、と判断しました。

レース開始後に判明したのは、車高についてはこのままで良かったのですが、バネが硬すぎたことと、ボディマウントが低すぎてノーズがジャンプ後につっかえてしまったことです。ダンパー設定については後で説明します。
ところで、今回はいくつか新しい軽量化アイデアを盛り込みました。そのひとつがこのバンパーステー。両端をつなげる部分はあまり意味がないのでカットしました。たった0.5〜1gの軽量化ですが、真剣に取り組もうとすると、おろそかにはできません。

ただし、実際のレースではこのアイデアは「却下」。理由は簡単で、バンパーそのものを取っ払ってしまったからです。ダート走行ではアベレージスピードが低く、今回は特設コースですが他車とクラッシュしたり、壁にヒットするようなこともないだろう(実際、自爆クラッシュ1回きりでした)と予想したので、軽量化を優先してみました。これで5g程度の軽量化に。

正面から見るとこんな感じ。
上下アームの角度などで車高を判断してください。

フロントのボディマウントのピン位置になにげに注目してください。レースでは、この位置ではお話にならなくて、メいっぱい上げて使いましたが、それでも低すぎてボディの「アゴ」がつっかえ、全速で思い切ってジャンプすると前転宙返りしてしまい、非常にフラストレーションのたまる走りを強いられました。正解は、フロントのボディマウントをまったくカットせずに、着地でノーズが地面に当たらないところまで上げてボディを装着すること。シャシー底面よりボディサイドのカットラインが2cmくらい上になっちゃいますが、それでいいのです。重心が高くなっても、オンロードと違ってタイヤが滑るので、ハイサイドの心配はないです。

今回の「コダわり」はこのダンパー。
完全ノーマル状態でどこまで通用するか?
結果からすると、大失敗!(笑)
「ビヨンビヨン」で思いっきりリヤグリップをロスってました。いつも走っている公園の砂っぽいグラベル路面上では問題なかったのですが、レース当日のコース(テニスとかをやる運動場)は雨上がりで硬く締まり、細かい起伏が多かったので、オイルが入ってないとタイヤがバタバタとハネてしまってダメダメでした。硬く締まった、細かい起伏の多い路面ではオイルダンパー必携、というのを身にしみて学びましたが、逆に、砂っぽい路面ならノーマルでも十分イケるぞ、ということも分かりましたので念のため。
バネはさすがに交換も考えていましたが、とりあえず当初は前・キット標準、後・TA-04白でスタートしてみました。最終的には、前・TA-04赤、後・キット標準というふうに落としましたが、本当はもっとフロントは柔らかくしたかったのです。で、自宅に戻って前・TA-03青に落としてみたところ、好感触でした(後はキット標準のまま)。これから手がける人はこの設定がひとつの基準になりそうです。

フロントサスのトラベル量とリバウンドストローク量の設定を示します。

(1)伸びきった状態



(2)1G(静止時)状態

リバウンドがかなり多めに設けられていることが分かると思います。4〜5mmあるはずです。いやもっとかな?

逆に1G車高は12〜15mmくらいに抑えています。10mmくらいでも良かったくらいです。草地と違い、フラットダートではむやみに最低地上高を上げてもムダなのです。シャシーの最低地上高はなるべく低くしたまま、ボディだけを上げるのがレースセッティングのキモ。レギュレーションにより、ボディのカットラインは変更できませんが、走行中に引っかかるのはシャシーではなくボディ(ノーズ下のリップスポイラー部)なので。
(3)フルバンプ状態
サスマウントですが、TGSシャシーの発売に伴い、TGS用A部品の流用がOKになりましたので、バルクヘッドカバー部品ともども流用しています。グラスファイバー混入で強度アップ、さらにサスシャフト部分のガタが増え、サスアームの作動もお手軽に滑らかになります。ただ、単にパーツ交換しただけではサスアームの作動はまだまだ不満が残ります。というのも、バスタブシャシー側のサスアーム支持部がTT-01のままだからです。つまり、ガタが少なくて動きが渋いのです。
そこで、リューターに円柱形の砥石を付けてバスタブ側を加工します。少しずつ慎重にやらなければなりませんが、割と不均一に削れても大丈夫です。あまり不器用だからと心配しないで、まずはやってみましょう。サスアームを組み込んで、自分の重さでアームがストンと落ちるように、でもガタつかないように削れればOKです。 え、失敗? まあバスタブ買い替えればいいので・・・安いし(苦笑)。

ただし今回に関しては、この加工がアダになったかも。サスの作動が軽過ぎ、ダンパーにフリクションがないせいもあって「ビヨンビヨン」の足になってしまったからです。オイルダンパーだったら良かったんでしょうけどね。


というわけでこちらはTGSのバルクヘッドカバーの図。外見上はTT-01ノーマルとまったく同じですが、グラスファイバー混なので素材感が違います。ちょっとツヤ消しっぽいです




そもそも、TGS用Aパーツを使う最大の理由は、このアップライトにあります。既にRCTチューン(オンロード編)で書いているように、TT-01のノーマルアップライトはキングピン部分が非常にヤワいです。
今回、TGSのアップライトを仕込むのにバラしたわけですが、外したTT-01用アップライトにも、ネジの根元に思いっきりクラックが入ってました。

タイロッドは当然のようにop.662のターンバックルタイロッドに変更しています。トー角は今回まったくいじりませんでしたが、ごくわずか(1度程度)トーアウトとしていました。ピロボールはフッ素コートをおごりましたが、このへんは各自の財政事情に合わせて。ただしピロボールのアルミ化は軽量化効果高いのでチタンビス入れる前にやったほうがいいです。

このほか、据え切りの舵角を確保するため、上下アームのストッパーをニッパーで切り落としています。分かるかな?
TGSのアップライトが丈夫なのは、もちろんグラスファイバーで強化されているせいもありますが、実は、ごくわずか(0.5mmもないくらいなんですが)、キングピンの直径がサイズアップされているせいなのです。したがって、TT-01に付属のサスボールのままポン付けしようとすると、思いっきりステアリングが渋くなって動きません(苦笑)。仕方がないので、削るしかありません。リューターがあればこのように内側を削いでやればいいです。もっとお手軽に対処するには、TGS用のサスボールを入手すれば良さそうなのですが、9月下旬現在、カスタマーに在庫がないそうです。・・・とか何とか書いてる間に、あらら「sp.1040 TGS P部品(10月29日発送、300円)」なんてアナウンスされましたね(10月3日発表)。コレで万事解決ですかね。待ち遠しいですね!
ステアリングワイパーはノーマルのまんまです。ステアワイパーがノーマル、というのは本稿執筆時点では当然のことなんですが、03年10月に入ったところで、op.670「TT-01アルミレーシングステアセット(10月22日発送、2,800円)」というのが正式にアナウンスされました。今後はコレがお約束アイテムになるのかなぁ。何しろノーマルだとグネグネしてますものね。ただ恐らく10g程度の重量増加は覚悟せねばならないでしょう。ガタはガマンできる範囲なので、軽量化優先であえてノーマルを維持、というのも選択としてあり得ますね。
メカ類のレイアウト概観。今回はあまりカツカツせずに、というかレース時にイザというときバックで脱出できるようにとの考えもあって、バック付きとしてはまあまあ高性能なKO・KSC-1100FRアンプを採用。後で他にも使い回すことを考慮し、コードは余裕を持たせた長さのままモーターと接続しています。ただしさすがにギボシ接続ではなく直結。キモは押さえとかないと(笑)。
サーボはXB標準品の流用(サーボマウントはアルミですが)です。「RCTチューン」のページに掲載していた個体そのものです。まだ壊してませんヨ!(笑) ハイトルクセーバーのスプリング追加によるサーボセーバーのガタ取りもそのまま。04年シーズンからハイトルクセーバー使用とステアリングロッドのターンバックル&ピロボール化もOKになったので、04年以降にこのページ見た人は素直にハイトルクセーバー化したほうが良いでしょう。

受信機はあえて古いフタバFP-R113Fを使っています。汚れるし。走行速度遅いからレスポンス気にならないし。コネクター部を後に向けて立てかけたような、妙な搭載方法をとっていますが、実はコレ、フロントタイヤがかきあげる砂塵を受信機に溜めない、という狙いです。砂が入ってきても、走っているうちにコネクターの穴から出て行ってしまいます。長年、公園遊びで培ったちょっとしたノウハウのひとつです。
先述のとおり、今回はKSC-1100FRとナゴみ仕様。キャパシターとかカツカツしたものは一切なし。写真では2400ザップドが写っていますが、コレもレースでは使わず、いつも公園で使っているドロドロの2400RCを使用しました。とは言っても決してそれで遅かったわけじゃなく、リヤグリップ不足によるコーナリングの遅さと、数え切れなくらいのスピンと、転倒とか、ジャンプの思い切りが悪かったのがタイムロスの要因でした。
KOアンプの電子式スイッチは、上手い具合にバスタブのスイッチ部分に収まるので、このように両面テープで止めています。レース後にオフィシャルがスイッチ切るのが分かりやすいので、いいんじゃないかと。
モーターのヒートシンクはデカいに越したことないので、今回はモーターカンの長さが23Tストックより長いスポチュンだしー、ということで、ダブルヒートシンク仕様にしてみました。この状態で左右のリヤタイヤのウエイトバランスがほとんどピッタリ同じになったので、「よっしゃー!」という感じだったのですが、直後に全体の車重を計測したところ、なんと1500gもあり、あえなく却下(苦笑)。結局、バンパーのスポンジを外し、バッテリーもグラステープ止めとし、ヒートシンクも1個だけに、というふうになってしまいました。まあ、レースではモーターの温度を気にする以前にダメダメダンパーと低いボディマウントの問題で撃沈してしまったんですけどね。
op.664として新発売されたTT-01アルミヒートシンクですが、コレはなかなかグーです。別にTT-01専用、というわけじゃなくって、センターシャフトドライブのTB系シャシーならどれでも付くんじゃないでしょうか。従来のTB-01用のヒートシンクよりサイズアップし、フィンも増えて冷却効率は確実にアップしていますからお薦めです。

なお、写真手前の「切り欠き」はTT-01のセンターシャフトのジョイントカップ部分との干渉を避けるためのものです。向きを逆にして付けたらアカン、ということですね(笑)。
(蛇足:この写真、筆者撮影ですヨ。プロっぽい〜?フフフ)
ヒートシンクつながりで出てくるのが、同時期に発売されたop.666メタルモーターマウントですが、ハッキリ言ってコレは不要です。走行中、風に触れないので冷却効果はほとんどありません。だいいち、メチャ重い!わざわざウエイトハンデをしょって走るようなものなので、真剣にレースで勝利を考えるならヤメといたほうがいいです。ウエイト積むならもっといい場所があります。冷やすならダブルヒートシンクのほうがよっぽど効果的です。「ヒートシンクは1コのみ」というレギュはありませんから。ただ、高価なものではないので、話のタネにひとつ買っとくか、くらいのノリだったらあえて止めはしません。
今回は「ギヤ比無制限」とのことだったのでなおさらなんですが、通常のタミヤGPでも、op.665「TT-01スパーギヤセット」の発売を機にギヤ比規制が変わり、TB系より有利なギヤ比が使えるようになりました。・・・というわけで皆さんもう既にお持ちですよね。え?持ってない? んじゃーとりあえず買っといてください。必携パーツです。

ちなみに、タミヤの純正だと、06モジュールのピニオンは25Tまでしかありません(タミヤGPのTA-04専用で27Tがあるにはありますが)。55Tスパーで25Tだと、最終減速比は5.72です。径の大きいラリーブロックタイヤとスポチュンの組み合わせにはベストに近いギヤ比ですね。車重が軽いので、もっと上げて使ってもいいくらいです。
バッテリー搭載方法は、今回、取り扱いのお手軽さを追求して「ノーマル」で行きたかったんですが、「重量オーバー」により、またまたグラステープ止めを余儀なくされました。あららら・・・。
今回、バッテリー押さえバーにちょっとアイデア。あまり強度は要らないので、「芯抜き」してみました。ちょっと軽くなります。作業は簡単で、すき間からニッパーでチョキチョキと切っただけです。誰でもできるのでぜひマネしてみてください。

もちろん、リューターでもっと美しく削って「枠だけ」にすればなお良しなんですが、まあ、それはヒマな方にお任せします・・・。




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