(posted on Apr 14, 2003)
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TL-01LAラリークラス仕様


「入門用シャシー=遅くて勝負にならない」という先入観を覆えしちゃえ!とばかり、
TL-01によるラリークラス挑戦を思い立って以来、2年もの準備期間を経て
2002年8月4日にタミヤサーキットで開催された
第11回サンヨー・タミヤ全日本選手権・静岡大会ラリースポーツクラスで
幸運にもデビューウィンを果たしたTL-01LAをご紹介します。
シャシー自体は全日本&世界戦の厳しい車検を余裕裏にパスできる
「100%規定合致」の作りであまり面白みはないかも知れません。
11月の世界戦では、さらなる進化を遂げて登場しますので乞うご期待!



写真をクリックすると拡大します
最新のTL-01の作例ということで今回使用したマシンをご紹介します。

おかげさまで、先の静岡大会は予選こそあと一歩というところでTQを逃しましたが、 決勝は最高の形で締めくくることができました。また今回は、タミヤサーキットという 相当な高速コースを舞台に、通常の中低速コースでは生じない、超高速域での挙動やクラッシュ、ジャンプの影響など、11月の世界戦へ向けていくつかの重要な経験を得ることができました。
TL-01ユーザーにしか役に立たない情報もありますが、ラリークラスに挑戦している/ これから挑戦を目ざしていらっしゃるすべての方々へ、少しでも参考になればと思います。
今回、といいますか、2002年シーズン用のTL-01は、最新のタミヤグランプリ規定に合致。 タミヤ純正パーツのみで構成しているのは当然のこととして、02年から「募集要項への注意書き」という形で 実質的に規制強化されたタイヤインナーについても、従来常識的に行われていた「インナースポンジの角切り落とし」といった加工を一切廃し、100%説明書どおりの組み方としています。
ボディはランサーの最新モデル「エボリューション7」を選びました。タミヤではランエボボディを「4」から「7」までずーっとモデル化しているわけですが、
実車がそのときどきの事情に合わせて変更したエアロダイナミクスをそのまま再現した格好になっています。WRカーとして生まれ変わった「エボ7」では「エボ6」まで準拠してきたグループA規定よりも大きいウイングの使用が認められたため、RCボディでも「エボ7」のウイングはひときわ大きくなっています。おまけにかなり立っているため、ダウンフォースはタミヤのラリーボディ中、最強です。高速レイアウトのタミヤサーキットを走るには最適のボディと言えるでしょう。ノーズについても、「エボ7」では実車の設計段階でラリー走行でのジャンプを考慮しエアダムスカートが高い位置で切られているため、RCのボディでもカットラインの位置が他車に比べて高く、着地でノーズが引っかかりにくくなっています。

シャシーは、基本的なチューンとして、ボールベアリング、スピードチューンギア、カーボンシャフト(メインシャフトおよびギヤ周り)、といったoptへの換装は当然ですが、これに加え、01年にTB-01用とともに発売されたロングサスアームも装備。02年7月にはスタビ抜きのロングサスアームセットを標準装備したキットとして「ビームス・インテグラ」が発売されましたが、ほぼ、このキットに主要なoptを組み込んだ仕様と考えてもらっていいでしょう。

ロングサスアームの装着で、コーナーマーカーや縁石に乗り上げた時の安定感は見違えるように良くなりました。「ラリー」クラスとは言っても、実態は「ジャンプ付きのオンロードレース」ですから、過度のアライメント変化やロールがあっていいはずがありません。ただ、TLのロングサスアームセットは、残念ながらアッパーアームの長さがノーマルとほとんど変わりません。単にロアアームが伸びただけなので、サスセッティングはアッパーアームも伸びた最新のTA-04とは異なる方向性で考えなければなりません。ダンパーの穴位置、スタビの堅さもオリジナルのTL-01用とはまるっきり違うため、サスセッティングは最初からやり直しです。

なお、デフについては、フロントにワンウェイ、リヤにはギヤデフを入れてあります。TL用のボールデフは、TA-01〜03やMシャーシでも使用されていたマンタレイ系のもので、基本的に動作が渋く、調整範囲も狭く、作動が不安定なため、使用を避けています。

ギヤデフは今回は基本的にグリスなどでの「固め」は行っていません。これをやっていれば高速での操安性が向上したハズなんですが、タイトコーナーでアンダーが出るとイヤだったので、今回はデフはいじらず、直進性の確保はフロントタイヤに強めのトーアウト(1.5度程度)を付けることでとりあえず解決させました。
基本的な話ですが、TL-01はバッテリーが前寄りにセットされています。設計上の重量配分は、タミヤのカタログ写真撮影に使われている標準的なCPRユニットの搭載を基準に決定されているため、私たちが常識的な軽量化対策として小型軽量の受信機やアンプを装着してしまうと、重量バランスが前寄りになり過ぎてしまいます。また、モーターがシャシー中央部でビス止めされ、左側に突き出る格好となるため、このオフセットされた重心を相殺するのに、設計上はバッテリーを右側にやや寄せて帳尻を合わせようとしていますが、これはどう見ても強引なやり方です。そこで、バッテリーはなるべくセンターに寄せ、モーターの重心はバラストで対策しました。
まず、前寄りの重心を補正するため、ステアリングサーボには高速で適度なトルクを持ちながら 軽量なタイプ、かつ、重心を下げたいのでサーボ高さの低いロープロファイルサーボを求めました。 前年の01年に試験的に製作したTL-01では、OVAなどでも扱っていた飛行機用のエルロンサーボを採用 していたのですが、ちょうど2000年頃から、ステアリングにエルロンサーボを使うトップドライバーが 出てきて、密かなブームになっていたのを背景に、01年、フタバから電動カー用のロープロファイル デジタルサーボ「S9550」が出てきたので、早速これに切り替えました。
S9550は、従来のエルロンサーボより一回り小さいにもかかわらず、 最新モーターの採用で一段と高速・ハイトルク化を達成した優れモノです。サイズの小型化により、 シャシーのサーボ取り付け穴を特に加工しなくても、すぐ取り付けることができるようになったのは 大助かりです。
なお、取り付けは、ニュートラルズレの元となるヨレが発生しないよう、アルミサーボステーを用い、 さらにステーの根元に3mmアルミスペーサーを追加して、サーボのセンターがきちっとシャシー中央に来るよう調整してあります。左右の舵角を合わせるための超基本的な注意点ですが、なかなか面倒くさがって実践しない人が多いので、この際、強くお勧めしておきます。
サーボセーバーは、ノーマルにこだわっています。ただし、スプリング部分にハイトルクサーボセーバーの金色スプリングをかぶせ、トルクアップと蛇行防止策としています。また、ピロボール取り付け部は、写真のとおり、「出っ張り」をカットしてからピロボールをねじ込んで、バンプステア対策としています。この処理は、ついにメーカーサイドでも標準的な加工として認められたようで、先ごろ発売されたTL-01LA仕様のキット「ビームス・インテグラ」の組立説明書では最初からニッパーで切り落とすように指示されています。ですから、正式な「キット通りの組み方」となったわけです。めでたし!
フロント回りを下から見た図。バンパーは、バハチャンプ(TB-01B)用のサスアーム&バンパー部品(Cパーツ)を流用。バンパーだけなら1枚でOKです。カスタマーサービスで1枚780円で入手可能です。

なお、静岡での予選大会では問題にならなかったのですが、2002年世界戦本大会では明確に使用禁止になったので、03年シーズンからは一般のタミヤGPでもバギー用バンパーの流用はNGとなりそうです。今から買うなら、あくまでも「遊び用」ということで。
でも、このバンパー、シャシー底面に引っかかる箇所がなくなるので、なかなかいいですよね。


さて、実はこのページ、02年の8月中旬に手をつけて、もう8ヶ月もたなざらしになってるので、とりあえずコメントつけるのは中断して、まずは写真だけアップしとくことにします。
コメントは後でヒマをみて補充しますね。




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