(posted on Jan 14, 2005)
(updated on Jan 18, 2005)
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TA-04・RCTチューン「ユーロスポーツ仕様」


純レースモデル「TRF414」のタミヤGP版として、設計段階から
国内タミヤGPの仮設コースでの走行を念頭において設計されたモデルがTA-04です。

FRPダブルデッキの「TA-04・PRO」として2000年6月にデビューした当時は、
リヤトーイン1度で「弱オーバーステア」という、
タミヤ車としては前代未聞の攻めた設定が新鮮でした。
その後間もなく、optで1度と2度のリヤアップライトが用意され安定性も上がり
2005年まで6シーズンもの長期にわたってタミヤGPの主力シャシーとして
入門者から上級者まで、幅広く愛用されています。

2004年シーズンからは、タミヤGPの新たな入門〜中級カテゴリーとして
「ユーロスポーツ」クラスが誕生。Evo3の流れを汲むTB-02とともに
ハイエンドツーリングのDNAを持つ本格モデルとして同クラスで人気を保っています。
そこで、77大塚さんの協力を得て04年11月開催の同クラス向けにクルマを作ってみました。
バスタブ仕様のフルoptモデル「TA-04R」をベースに、
TA-04Sなどからのグレードアップを目指すユーザーの参考となるよう、
optパーツを絞り込み、コストパフォーマンスの高いチューニングを狙っています。

「TRFチャレンジャー除外」ということからも明らかなとおり、
ユーロスポーツクラスは「カリカリチューン必須のレース」ではありません。
ただ、やはりそこには「最低限の心得」はあると思います。
しかし、何でもかんでもoptパーツをブチ込めばいいってもんでもありません。
「TRFチャレンジャーが同クラスに出るとしたらこんなクルマがあり得るよ」という
参考例としてご覧いただければいいと思います。


ギヤ比一覧表(とりあえず)

発売後5年近くにして、ようやくTA-04紹介の第1弾です。TA-04が発売された2000年頃は、ちょうど世の中ネットバブル&第3次起業ブームの真っ盛り。筆者も仕事のほうが忙し過ぎて、とてもRC走らせてレポートする時間なんてありませんでした。今のようにさくさく撮れるデジカメもなかったし、サーバ容量も全然足りなくて、どっちみちショボいものしか公開できませんでした。タイミングが悪かった、としか言いようがありません。

とは言っても、TA-04は「タミヤのツーリングカー設計の集大成」と言っていいほど極めて完成度の高い傑作ですし、「兄貴」TRF414Mがタミヤに世界選手権の初栄冠をもたらしたこともあって、相当な台数が売れたはずです。恐らく全世界で少なくとも30万台くらいは売れたかと。
ショートホイールベースのTA-04SSとか、フルopt仕様のTA-04Rとかを買い増して、2台3台と持ってる人も多いと思います。RCTでの作例紹介を希望する声も数多く頂いていました。お待たせした皆様、どうもごめんなさい!

TA-04をモデル末期の今ごろ紹介するにあたって悩んだのは、「仕様」でした。これだけoptが出揃って、しかもoptをいろいろ追加したバリエーションも販売されていると、もう、RとかSとかProとかTRFとか言っても意味がないんですよね。 というわけで、特定のカテゴリーに合わせて仕様を決め込もうと思っていたところに、ちょうど出てきたのが「ユーロスポーツ」だったわけです。05年度からGTジャパンクラスではTA-04が使えなくなりましたが、40ポイント以下の「Jチャレンジ」では引き続き使用OKです。「最後のチャンス」ということで05年度はTA-04を出られるクラスにじゃんじゃん投入しましょう〜!
ちなみに、ユーロスポーツとJチャレンジは指定タイヤ&ボディが違うだけです。ユーロスポーツはドイツDTMで使われている車種が中心で、軽量ボディ選択の余地が一切ないことと、タイヤがTB-02なんかに付いてくるMナローサイズのキット標準ラジアルである点が特徴です。ラジアルのほうがタイヤ径がスリックより2mm程度大きいため、固定ギヤ比ながらJチャレンジより若干速度が出ます。またタイヤの溝の磨耗度が走りに影響するのでちょっとタイヤ管理がシビアになります。通常は溝の角が立っている新品が最もグリップするはずです。

さて、今回のマシン製作にあたっては、ずっと未成熟のまま眠っていた昔のGT-1クラス向けカーボンWデッキ仕様からコンバートしました。そこで、まずメインシャシー部品の選択から始めました。ユーロスポーツやJチャレンジはバスタブシャシー指定ですがTA-04にはノーマルのほかにoptが2種類もありますから。
ただ、ベストはやはり後に出たop.494「TA04カーボン軽量ロワデッキ」(3200円)でしょう(写真右)。軽いだけでなく、シャシーの底面厚みが1mm薄く、ネジの保護用の出っ張りも廃止されて路面への引っかかりが少なくなったことで、以前のop.481「TA04カーボン強化ロワデッキ」(3000円)よりも車高を2mm近く落とせるようになりました。これだけでも運動性能は大幅にアップします。また、余計な支柱やリブがなくなって見た目もスッキリ、清掃もラクに。さらに、バッテリーをグラステープ止めにできる通し穴が最初から開いていますから、これを使えばバッテリーホルダーの重量分が浮きます。およそ5〜10gは軽くなります。バラセルスロットも開いているので、バラセルが使えるなら重心はさらに落とせるわけです。これだけの違いがあるのに価格はたった200円高いだけですから、ここは迷わずop.494を選びましょう。






さて、以後は、04年11月14日に東京・お台場シェルミュージアムで開催のツーリングカーミーティングに参加した120名中8位でAメインをゲットした車輌そのものの紹介です。 筆者は当時、参加資格がなかったため、仕様コンセプトと組み立てまでを担当し、実際の出走と現場での細かなセットアップは77大塚さんにご協力いただきました。ボディが「いつものカラー」ではないのはそのせいです。もっとも、筆者が出るとしたらXB用の塗り完ボディになりそうなのであんまり変わらないですね(笑)。
会場となったシェルミュージアムの路面は、石材タイル張りで周囲より窪んでおり、細かいホコリが溜まりやすいうえに路面の材質そのものもツルツルです。鏡面ではないですが引っかからないので夏場でも非常にミューが低い、という特性です。このため、駆動方式はブレーキトルクが四輪に分散して減速しやすくコントール性が高いフルタイム四駆に決定。 現場で77大塚選手がセンターワンウェイも試したそうですが、やっぱりシビア過ぎてダメだったようです。あまりにグリップが低いと、キチンと減速できないクルマではコーナーで曲がれなくなってしまいますから当然ですね。 指定タイヤはメッシュなしのタイヤとしては割とグリップするコンパウンドなので、アスファルトやカーペット路面などではワンウェイを入れたほうがいい場合も出てくるはずですが、東京ではこの種のカテゴリーはシェルミュージアムで開催されることが多いですし、低グリップ路面での参考例ということでご理解願います。
低グリップ、ということで基本的に足回りはかなり柔らかくしていますが、リヤとのバランスの関係でフロントダンパーをちょっと固めに振って、低グリップ路面のなかで「曲がる」味付けにしています。 今回使用したダンパーは77大塚選手が組んだもので、3穴ピストンのフッ素コートTRFダンパーにオイルは200番、バネはTA-04以降からの標準であるop.440「オンロード仕様ハードスプリングセット」(1000円)の赤を選んでいます。 筆者が事前に用意していたのはCVAダンパーミニだったんですが、CVAなら2穴ピストンで400〜500番くらい、というところでしょうか。 もちろんスタビなんて撤去です。 車高は5mm程度かな。 路面を考えると4mmくらいまでは落とせるんですが。 リバウンドストロークも3mmと大きくめに取って最大限のグリップ確保を狙っています。低グリップで横Gが小さいので、スプリングを弱くしたりリバウンドを大きく取ってもフラつくことはないのです。
フロント周りの全体像です

ステアリング系はoptのレーシングハブキャリアに換装してアッパーアームをロングスパン化するとともにキャスターを4度に起こしています。もともとはハイグリップ路面向けのロールを抑える方向のセッティングなので、今回のレースコンディションとは矛盾します。本来はノーマルのハブキャリアを使ってアッパーアームを短く取り、ロールを増やしたほうが良いように思いますが、一般的なセッティングからあまり大きくいじると、作例として「こんな特殊なセットが必要なのか〜」と感じてしまう方が増えてしまうので、そこまで神経質に考えるレベルのレースじゃないんですよ、ということで。ま、どっちの仕様でもタイム的な差は出ないと思います。
結構大事なのはステアリングタイロッドのピロボール位置です。キット標準では外側(遠い位置)の穴を指定されてますが、内側に取り付ける変更をしています。この変更で外側のタイヤがより多く切れるようになります。高速コースではノーマルのほうが安定して走れそうですが、一般的にはこちらの設定のほうがよく曲がるのでEXPの方々なら大抵は内側に変更してるはずです。

ドライブシャフトはあえてユニバーサルではなく、ノーマルの39mmドッグボーンを採用。レギュレーション上アルミ化できないし、こんな低速で燃費も関係ないレースでユニバを突っ込むのはカネの無駄遣い、ということで。メンテナンスはちょっと面倒になりますけどね。 同様の趣旨からロッド関係もすべてノーマルです。このレベルのレースでターンバックルロッド使って0.1mm刻みのアライメント管理をする意味はほとんどありませんから。
今回はフルタイム四駆ということで前後ボールデフですが、フロント側には初期のキットに標準のスチール製デフジョイントを採用。非常に重いんですが、TA-04用の各種デフジョイントの中では最も精度が良いので。ホントはデルリンの分割式でなくてこのままアルミ削り出しで軽量デフジョイント出して欲しかったんですが。

チラりと見えてますがステアリングワイパーはoptのアルミ製です。ノーマルの樹脂製ワイパーはガタが大きいのでかなり直進性が改善します。必須と言ってもいいかも。
TA-04のように、キット標準のトランスポンダーホルダーがある場合はその使用が義務付けられていますから、そのようにしています。

メカ積みは結構いい加減です。ゴメンなさい!(笑)
搭載サーボはフタバのひと昔前の中上級クラスアナログサーボ「S9404」です。速度的には確か0.12sec弱@6Vじゃなかったかと思います。TA-04PROが出た頃に手頃だった、という程度の選択理由だと思います(忘れた)。 とにかく、04PROの頃からの使い回しのはずです。特に遅くは感じませんしトルクもあり、今でもコレで十分です。 ただしサーボステーはoptのアルミ製にしてしっかりシャシーに締結しておかないと直進性が全然ダメですので念のため。 サーボセーバーもハイトルクセーバーに変更しています。色が黒いのは自分で染めたものです(染色についてはホーネットのページを見てください)。
アンプも、今や博物館入り一歩手前?の懐かしのベストセラー、ノバック・サイクロンBKです。確か1998〜99年頃のアンプですよね。クルマが設計された「その時代」に一線級だったアンプですが、内部抵抗のスペック的には現在の最新アンプと変わりません。さすがに最大許容電流は最新アンプより少ないと思いますが、23ターン以下のモーターなら関係ないですし。最大の欠点は重量ですね。50gくらいあるはずです。 なお、オリジナルの筐体はオレンジなんですが、このモデルはふぇら〜り伊藤のためにノバックが特別に製作し・・・なわけないですよね。染めです単なる染め。サーボセーバーと同じ(笑)

筆者もこの時代まではショッキーの装着がいい加減で、アンプ側に付けてお茶を濁してました。モーター交換がラクなので。今は時代も変わリ、あんまりお奨めしませんが
受信機はフタバFP-R123Fです。アンテナを巻いて短縮
練習走行ではアンテナをボディ外に出さない設定だったのですが、レース会場ではノーコンが出たのでアンテナを急遽立てたそうです。

他のクルマ(TRF414)から取って付けたメカなので、バッテリーコードなどの取り回しはイマイチです。
バッテリーは、レースでも2400ノンザップを使ったそうです。2400ザップドまで、という規定なんですが、あまりに滑るのでコーナーが勝負、パワーは関係なかったと。
モーターは540Jを使用。ショッキーは付けていません(アンプ側に付けてゴマかしてます)

ケーブルはKOの13ゲージ(GA)を使用。ここ数年のお気に入りでしたが、さすがに最近はちょっと役不足気味なのでもっと良いコードを探しているところです。モディファイドモーターじゃないんで、当面は問題ないですけどね。
走行後の暴走を防ぎ、速やかにスイッチを切ってもらえるよう、オフィシャルへの配慮としてキルスイッチのマークを貼付。
アシスタントに頼らないタミヤGPならではの工夫です。





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