(posted on Aug 16, 2006)
(updated on Feb 6, 2007)
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TA-02SW
(TA-02FRPダブルデッキ仕様からのコンバート例)

TA-02シャシーをベースに、リヤサスアームをTA-01の仕様に戻して
ホイールベースを24mm短縮の236mmとし、さらに専用のポルシェ911GT2ボディに合わせて
ホイールのオフセット変更とリヤワイドタイヤの採用で全幅を拡大したのが、TA-02SWです。

キット標準のメインシャシーはABS樹脂製のバスタブタイプ(sp.637)ですが、
ここでは、 op.166「FRPシャーシコンバージョンセット」に交換した個体をご紹介します。



ギヤ比一覧表

TA-02SWというのは、GT選手権・GT2クラスで活躍した「タイサンスターカードポルシェ911GT2」 (Item 58172、1996年3月14日発送、1万6800円(税別)) のモデル化に際して、「ポルシェらしい超ショートホイールベース」を実現するため、TA-01のリヤセクションを、 TA-02/FF-01用のバスタブシャシーに組み合わせたものです。

当初は色モノ扱いされ「売れるかどうか分からなかった」初代ツーリングシャシー TA-01は、「マンタレイ」のバスタブを流用した関係で、 リヤのドライブシャフトにかなりムチャな前進角を付けてホイールベースを合わせていたわけですが、 「スカイラインGT-R」の確かなヒットを受けて企画されたTA-02では、 FF専用シャシー(後のFF-01)への水平展開という「絡め手」も使いながら、晴れて「専用バスタブ」と 前後足回りの再設計が認められました。
TA-02では、TRF411X(1992年)で先行開発された、 スクラブを6mmも減らしたアップライトと対応ホイールアクスルを導入。スクラブ減少分 をサスアーム延長に充て、フロントサスのロングスパン化を実現(ドッグボーンは39mm→42mmに)。また、リヤサスアームについても、新たにスタビライザー (op.189、94年8月発売)の導入を企画し、そのためのネジ穴を用意した状態で設計されていました。

新しいバスタブは、FFシャシーと共通とされ、バッテリー位置を前進。TA-01の重量配分が40:60だったのに対し、 TA-02は45:55(いずれもタミヤ標準のCPRユニット搭載状態での値)となるよう設計されました。 また、optパーツ展開として、ポルシェ959/セリカGr.B用のセンターシャフトの転用を念頭にバスタブサイズが 検討されたようです。 この結果、マンタレイ/TA-01に対し、新バスタブは有効長が24mm(カタログ値、実際は22mmらしい)短縮されました。

TA-02のフロント&バスタブとTA-01のリヤセクションをドッキングした「TA-02SW」のホーイルベースが24mmという中途半端な 短縮になったのは、こうした事情からです。極めて偶然の産物だったわけです。 最初から考えてあれば、TA-03のようにキリのいい値になっていたはずですから(TA-03F/RとFS/RSのバスタブ長は20mm差)。


以上の説明でお分かりのとおり、TA-01とTA-02のリヤセクションの違いは、基本的に「サスアーム」だけです。 ですから、TA-02からTA-02SWへのコンバートは非常に簡単。単にリヤサスアームを交換するだけ。さらに言うと、 わざわざTA-01用のサスアームを買わなくても、アッパーアームがターンバックルに換えて あれば、実は、TA-02のリヤサスアームを左右入れ替える
だけで間に合ってしまうのです(作例ではこのケースを採用しています)。
TA-01からのコンバートにしても、バスタブとセンターシャフトを交換すればOK。こんな手軽なコンバートを、 「ポルシェ934ターボ」以来、長年ポルシェボディにあこがれてきたRCファン達が見逃すはずもありませんでした。 わざわざキットを買わなくても、ボディだけ手に入れて911GT2を楽しんだ人も多かったはず。

残念だったのは、ちょうどこの頃(1995年頃)から、タミヤのRCキットのバリエーション展開が やたらと忙しくなり、商品の陳腐化が「半導体製品並み」のペースになってしまったことです。このアオリで、 911GT2ボディは既に2000年頃には生産が終わってしまい、流通在庫も2001年末頃までに尽きて しまいました。この間、1998年5月にはTA-03RSベースで「PIAAポルシェ911(いわゆる虎之助ポルシェ)」も 発売されていたのに、です。
確かに、2000年6月に「TA-04PRO」が発売され、以後、あっという間に 売れ筋がTA-04へ移行してしまったという事情は無視できません。何しろTA-03とTA-04では、走りのレベルがまるっきり別次元でしたから。 911GT2ボディはホイールベース的にTA-04に適合する余地がなく、他に代替できるシャシーもなく (この頃はタイヤがまだナロー主流ということで、ナローだと走りがイマイチなM-04Lはほとんど注目されていなかった)、 2001年頃からはTA-03シャシーでタミヤGPにも出られなくなり、完全に「行き場」がなくなってしまったのでした。哀れ911GT2。

TA-04でも、MR-Sに合わせてショートホイールベース版の「TA-04SS」が出ましたが、ホイールベースを10mm詰めただけだったので、 ここに、SWBポルシェファンの淡い期待は完璧に打ち砕かれてしまったのでした・・・残念!
こうした急激な環境変化に、当時、戸惑いを覚えたことも事実です。メーカーや販売店の事情も分からないではありませんでしたが。 その一方で、「SWB版ポルシェ」への人気は依然として根強いものがあったようです。 タミヤGPには出られなくなったけれど、TA-02SWやTA-03RSをまったり楽しむ人はいましたし、 「新たな楽しみ」として、M-04LをTL足に換えて911GT2ボディを載せたり、オリジナルのホイールベース237mm規格 シャシーを製作したりする人も出てきて、案外、911GT2ボディへの根強い需要が残っていました。

そのような背景もあって、問屋筋の企画で2002年1月に限定再販されたタイサン911GT2スペアボディセットは 1年も経たずに完売、 再販で一時再入荷がかなったカスタマーサービス扱いのボディパーツも、プラ部品が切れてしまい、 完全な形での入手が困難に。
このため、スペアボディセットは、ネットオークションで一時1万円を超えるような高値を呼びました。 「こんなコトになるんだったら、買い置きしておけば良かった・・・」と地団駄を踏んでいた人も多かったのでは ないかと思います。

そういうわけで、かねてから何らかの形で再販が強く望まれていたわけですが、 ここにきて、06年8月の タミヤ・モデラーズギャラリー2006での再販が決定し、既に流通しています。オークションで箱入りボディの 高値売却を目論んでおられた方々には申し訳ありませんが、再販を喜んだファンは非常に多かったのではないかと思います。 池袋東武での売れ行きも、久々に?もの凄かったようです。6日間で恐らく1000個くらいは 売れたんじゃないでしょうか。そこまで用意できてなかったかな・・・。 かくいう筆者も、仲間の分も含めて3日通って5個ゲットしましたし・・・。
この再販911GT2ボディ、とりあえず「モデギャラ限定」ですが、2005年以来、モデギャラは東京と名古屋のみ 開催なので、大阪ではタミヤ常設ショップがあるJoshinで、静岡では静岡/掛川のサーキットショップや11月の タミヤフェア、それから関東でも10月のプラモデル・ラジコンショー(一般公開日)などでの販売が 予想されます。

まぁ確実に売れることが読めるし、追加生産もやりやすい商品ですから、慌てなくても、徐々に 手に入りやすくなっていくとは思います。ただ、あくまでも「限定」ですし、特に、別売のステッカーは、外注に出すモノなので、 発注ロット数の関係で、切れたら追加されない可能性がありますので要注意。 できれば06年内、遅くとも2007年中くらいまでには押えておきましょうね!

さてそれでは、そろそろ作例の紹介に移りましょう。
まずカラーリングですが、ご覧のとおり、オレンジも鮮やかな「イェーガーマイスター」カラーにしてみました。
そう、「ポルシェ934」でお馴染みの、あのカラー! せっかくなので、「タミヤRC30周年」にちなんでみました。

昔のクルマには、余計なスポンサーがほとんどないので、案外簡単にそれっぽく仕上がります。 以前から、タミヤの1/12プラモ「ポルシェ934」が1997年に再販されたことを知っていたので、 そのスライドマークを調達すれば、簡単じゃん! と思っていたのでした。実際、今回の製作に際して、 カスタマーからスライドマークを取り寄せたのですが(なんとたったの270円!安い!!)、実は、届くのを 待ってられなくて、イェーガーマイスターのウェブサイト からロゴを取ったりして作った版下をインクジェット
プリンタ印刷→ ファスコート(パーマの水性塗料「ファスカラー」 の透明バージョン)を接着剤とし裏貼り製作。

せっかくなので、このボディ製作に使った911GT2用マーキングデータ(pdf形式)をお分けします(無料)。 ご希望の方は、連絡用フォームから 「911GT2マーキング希望」とご連絡ください。折り返しpdfファイルをメールします。 締め切りは特にありません。

ところで、これまで不勉強で全然知りませんでしたが、実はイェーガーマイスターって、リキュールの世界的ブランドなんですね (日本ではサントリーが輸入)。 ハーブやフルーツのエキスてんこ盛りのリキュール、ってことは、「養命酒」っぽいイメージでしょうか。 甘さは控えめだそうですが・・・。今度一回、買ってみたい ですね〜。

色は、案外、いい加減です。RCショップでなく模型店に寄ったらポリカ塗料がなかった(当然)ので、 プラ用タミヤカラーでTS-31「ブライトオレンジ」 (何となくこっちの色調のほうがいいかな、と。 実は大外しでしたが。お勧めは普通のオレンジ を買い込み使用。そのまま吹くと全く食い付かないので絶対ダメ!なのですが、 下地に、塩ビ塗料の東邦化研「エンジンカラー」 クリアを吹いておけばOK。 プラ用スプレーのほうが色のバリエーションが圧倒的に豊富ですから、色に困った場合は使える技です。実は、今回 ハタと気付いたのですが、「オレンジのスプレー」って実は Mr.カラースプレーやエンジンカラーでは既にカタログ落ち。 タミヤのポリカスプレーでも一時期カタログ落ち(06年後半から復活したみたい)しており、一時期はタミヤのプラモデル用スプレーしかありませんでした。 あとはビン塗料でエアブラシもアリですけど。意外に不便です。あ〜、そういえばもう10年近く前、 他社のマクラーレンF1GTRボディをオレンジに塗ろうとしたときにも難儀した記憶が・・・。
塗った後思ったのですが、この「ブライトオレンジ」って、本来のイェーガーのオレンジより赤っぽくって (イェーガーカラーはもっと茶色っぽい)、なんだか「シャア専用」っぽい色味なんですけど・・・。 あ、もしかしたら「ガンダムカラー」とかで、もっとイェーガーにドンピシャの色があるかもですね(そこまでオレンジにコダわってどうする?)

閑話休題。さて、ショートホイールベース(SWB)の911の場合、ボディとの関係で注意したいのが、ホイールのオフセット。 作例では、手持ちのモデギャラ限定販売のAXIAスカイライン用2ピースホイールのメッキ品(ナロータイヤ用、オフセット0mm)を使ってみました。 2ピースは重いので、走行用としてはあんまり使いたくはありませんが、リムを組み替えることにより、オフセットを 増やせるので、SWB版911ボディには好都合です。
写真のフロント側は、リヤとの兼ね合いがあるので、通常に組んでオフセット0mmとしています。 ちなみにキット標準のフロントホイールは、オフセット2mmの sp.548「2ピースメッシュホイール」で、リムの左右を入れ替える(標準とは逆に組む) ことで「オフセット4mm」となり、左右合わせて4mmトレッドが拡大しています(カタログ値では5mmになってますが)。 写真のとおり、オフセット0mmホイールのままでも見た目はあまり違和感ないですが、 オフセットを増やしたほうが良く曲がって走りも良くなるでしょうし、見た目的にも迫力が増すとは思います。


リヤ側のキット標準は 幅33mmのワイドタイヤ仕様となっており、採用ホイールはオフセット2mmの sp.549「2ピースメッシュホイールワイド」です。これをリム左右入れ替えすると オフセットは片側8mm増えます。つまりオフセット10mmになる、という意味です。ワイドホイールは、
タイヤ幅が通常のナローの27mmに対し33mmと6mm広いのですが、 延長分はすべて「内側」に延びています。ですから入れ替えて使うと、ワイドのオフ2mmホイールならば、 4mm(通常のオフ2mm2ピースホイール組み換え)+6mm=計10mmのオフセット量になるわけです。TA-02SWでは、コレだけで 左右合わせて16mmものワイド化(対オフ2mmホイール比純増分)を図っています。

作例では、ワイドタイヤが用意できなかったので、フロント用と同じナロー幅ホイールのリムを入れ替え、 オフセット6mm状態で装着してみました(AXIAスカイライン用はオフ0mmなので裏返すとオフセットは6mmに)。 PIAAポルシェ911のTA-03RSでも、通常の2mmオフセットホイールにTA-03R用ロングホイールアクスルで4mm延長し都合 片側6mmずつのトレッド拡大ですから、まぁ、片側6mm延ばせれば一応のカッコは付く、という感じです。





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