(posted on Jan 21, 2003)
(updated on Mar 14, 2006)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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TB Evolution III


初代モデルの大ヒットで「1年限り現役の限定商品」という
独特の「暗黙のお約束」を育み、早くも3年目。
タミヤEPツーリングの頂点に立つ最新鋭シャシーという立場を担う「3代目」は
もともとTB系シャシーの出発点であった「GP系パーツの流用」から完全に決別。
駆動系にF201系ベベルギヤ、足回りにTRF414/TA-04系パーツを採用、
ギヤボックスを新設計して完全なEP専用設計として生まれ変わりました。
タミヤフリークの誰もが、TRF414の後継マシンと期待する?(結果はどうあれ)
最新鋭シャシーを徹底解剖!



ユーザー必見!(1)組み立てTipsのページ (2)ギヤ比一覧表

<1>パッケージ

もうすっかりおなじみ「ピザの箱」も、ついに「III」まで来てしまいました。
ボディ、モーターレス、ダブルデッキシャシー、という構成ゆえ、このような「タミヤキットらしくない」パッケージが可能なわけですが、果たして、いつまで続くんでしょうか・・・今年も、ぜひ「4」を期待してまーす!さすがに今回、フルモデルチェンジしたばかりなので「4」があるとしてもJMRCA全日本仕様レプリカ、みたいなマイナーチェンジにとどまりそうですが。
やはり「エボ」は「毎年モデルチェンジがお約束」と信じておりますので。
<2>開封すると

中身はこんな感じです。
<3>お約束ステッカー

初代エボから変わらぬステッカー。
3枚貯まった方も多い?
初代発表当時、「5まで印刷してあるからそこまで作るんかいナー」と漠とした期待を持ってはいましたが、 そんなことはユーザーの反応次第なわけで、これまでのところは「大成功」でしょう。
この勢いでお約束どおり「5」まで、いやいや10までも逝っちゃってください!<笑>
<4>タイヤ

前からそうでしたが、ご丁寧にもホイール、インナーまで仮組みされた状態でコンパクトに梱包されています。 銘柄はミディアムナローAタイヤ、オフセット0デッシュホイール、モールドインナー(ハード)です。
<5>取り説にはセッティングシートが

ついています。ただしEvo2で裏面に印刷されてたTRF謹製の基準セッティングが省略されています。
取り説どおりでいいという判断か、単なる手抜きかコスト削減か。
<6>サスアーム
キット同梱のサスアームは、先行して発売された414WCR(ワールドチャンピオンレプリカ)と同一の物で、WCR用に追加されたスタビ用取り付け穴があり、素材もTA-04用カーボンサスアームよりさらにカーボン繊維の混入率を上げた、非常に硬いものとなっています。アップライトとの擦り合わせは当初からキツく設定してあり、現物合わせで多少サスアームを削らないとアップライトが入らないようになっています。なお、サスアーム交換のことを考え、ガタ調整は必ずサスアーム側でやりましょう。
もちろん、サスアームにはTA-04用の各種も使えます。クラッシュが多い方は04用ノーマルへの換装が経済的でしょうし、04SS用をつけて「Evo3・SS風味」というのもいいでしょう(タミヤGP不可)。これらはもともと入門者向けにガタが大きめの設定なので、何も擦り合わせ作業することなく、ボルトオンで装着できるのが便利です。とはいっても、非常にちょうどいいガタ具合でしたよ!

実は、WCR/Evo3標準のサスアームは、金型変更に伴い、品番も変わっています。見分けるのは簡単で、写真のとおり、「2002 TAMIYA」となっているのがWCR/Evo3のキット標準品です。
<7>ギヤボックス
新設計されたギヤボックス。非常にコンパクトで好印象です。素材は、従来のTB-01/TG10系の物よりも若干硬くなったように感じますが、それでも従来バルクヘッドによく使われてきた硬質ナイロンやポリカーボネートなどと比べると、かなり柔らかいです。ボックス構造なのでこれで十分だとは思いますが。耐クラッシュ性もこのほうがいいでしょうしね。また、この素材選択は、後述するベアリングの自動バックラッシュ機構にも関係しているはずです。

なお、写真ではフロントワンウェイを見せていますが、このハウジングをデフベベルに組み付ける4本のボルトは、
写真でも分かるように、カーボン製のダンパーポストは、基本的に2本のビスでバルクヘッド本体(A3部品)に剛結合されます。実はこのあと、フタ(A4部品)を閉めるときに、1510ベアリングの真上あたりにある左右の穴に、フタの上から共締めの形でダンパーポスト止めビスが追加されるのですが、これは基本的にメいっぱい締め上げるのではなく、緩い状態を基本とする「柔結合」です。ここんところが取り説では説明不十分で、意図を理解できないまま剛結合として組み上げてしまっても基本的には大きな問題はないのですが、ベアリングの締め付けがキツくなり過ぎ、回転ロスを招く「場合がある」のでレースで使う場合は多少調整したほうがいいかも知れません。
このへんについては、Tipsのページに詳しく書いてありますので割愛しますが、 写真のとおり、バルクヘッドA3部品には、1510ベアリングと接する頂点に「出っ張り」が設けられています。 光の当たり具合で見えたり見えなかったりするくらいのビミョーなものですので注意。

この出っ張りがベアリングに当たってA3部品が若干コジ開けられる、という前提に立ち、 素材の柔軟性を利用してデフベベルのバックラッシュ調整ができるようになっています。 これは従来のタミヤ製シャフトドライブ車では不可能だったことで、なかなか実戦的で面白いアイデアだと思います。
先ほど、「柔結合」と書きましたが、ここで意味がお分かりいただけたと思います。 つまり、A4部品と共締めするダンパーポスト止めビスは最初から「ある程度緩めてデフベベルのバックラッシュ調整に使う」 ことを前提にしている、というわけです。取り説では理由も説明せず、たしかネジの締め加減くらいしか指定がなかったので 分かりにくかったですよね。

「出っ張り」が具体的にどの位置に来るのか、分かりやすいようにバルクを組み上げた状態で示したのが この写真です。お分かり?
さらに、1510ベアリングを仕込んで反対側から覗いてみました。 軸受けの位置決めをするための内部構造がよく分かります。「出っ張り」がベアリングを支えている様子を 見てください。
デフユニットは前後ともバルクヘッドに対してこのように入れるのが正規の組み方ですが、 左右の形状は対称ですから、デフの左右の向きを入れ替えて組めばモーターを逆転で使用できます。 マブチRS-540SHのみ使用(ジョンソン不可)、というローカルレースの場合、この手法で ブラシが摩滅して自然に進角が付いたモーターを使用することができるそうです。
(筆者自身は540SHの逆転使用についての検証が不十分なのでノーコメントです)

もっとも、これではせっかくモーターマウント位置を左右入れ替えた意味がなくなるんですが。 まあ540パワーだからいいんでしょう。
<8>ダンパー

414WCRに続き、Evo3でもフッ素コーティング仕様の最新のTRFダンパーが同梱されました。 ウレしいですよね。このダンパーはホップアップoptとしても発売されましたが、 ツーリングカー用タミヤダンパーの究極形として、今後しばらく仕様が固定されそうです。 だってまさかフッ素コーティングの色を変えるわけにはいきませんものね(笑)。

もともと、TRFダンパーはF1からバギー(TL系とか)まで幅広い用途に対応できるよう、 2穴と3穴の2種類のテフロン製ピストンが付属していました。 しかし、この仕様のTRFダンパーでは、「414/04系サスアームと組み合わせる限り、3穴で十分でしょ」 ということなのでしょう、2穴ピストンは廃止され、3穴が標準となっています。 また、ダンパーシャフトも何気にフッ素コーティング品にグレードアップ。これを「究極」と 呼ばずしてなんと言えばいいものか。
TRFダンパーの指定の組み方は、ダイヤフラム(ゴムの膜)の上に、付属の赤いスポンジを載せて組む、 というものですが、これだとスポンジに含まれる空気量が多すぎて、あまりダイヤフラムの反発力が増えません。
ダイヤフラムの反発力を高めて「戻り」のスピードを速め(注)、路面追従性をアップする、 いわゆる「パッツンダンパー」にするには、もう少しダイヤフラム内の空気の体積を減らしたほうが良く、 そこでよく使われるのがOリングです。これも硬度によってまた多少変わるんでしょうが、筆者は とりあえず、当り障りない「黒」を使っています。

(注)実車では一般に「縮み」側の速度アップが言われますが、限界的に車高が低いレーシングカーの世界で 果たして同じ作法でいいのか、筆者には分かりません。また、実際問題として、伸び側を速くしたほうが走りが良いので 皆さんRCでは伸びを速くしようとセッティングに腐心しています。「縮み」を速くするには、逆にあらかじめ ダンパーシャフトを縮めた状態でダイヤフラムを組めば良いだけです。いずれにしろ、オイル漏れや気泡の混入はせっかくの セッティングを台無しにするので、「精密なセッティング」にはマメなメンテナンスが必要です。 ズボラセッティングを旨とする筆者は、面倒だからダンパーオイルは一度組んだら手を付けませんが・・・。
Oリングの数は、たくさん入れようとしてもそんなに入るものではありません。2個入れるのが限度。 通常は1個。

エア抜きが完璧で、キチンと組まれたダンパーは、シャフトが入り込むとダイヤフラム内の空気室が縮み、 それに比例した反発力を得ます。つまり、押し込んだシャフトが「空気バネ」で戻ってくるのです。 これまでは、口伝なり、EXPドライバーからの直伝でしか知る機会がなかった「パッツンの具合」ですが、 今回、満を持してビデオに収めましたので公開します。TRFダンパーの組み上がり具合の レファレンスとして、お役に立てば嬉しいです。

Oリング1個の場合(MPEG1、1.62MB)
Oリング2個の場合(MPEG1、1.60MB)
<9>Fダンパーのセッティング

キット標準のとおり、400番オイル、3穴ピストン、04黄バネですが、ダイヤフラム上部に Оリング2個を入れて組み上げました。ただ、これですといささか反発力がキツ過ぎるようですので、 今後組み直すときはОリング1個にしようと思っています。
<10>Rダンパーのセッティング

キット標準では、フロントと同じく400番オイル、3穴ピストン、04黄バネですが、 これでは 自分のサスセットの考え方からすると、いささか硬過ぎるかな?と思ったので、 オイルを300番に落とし、バネも赤に変更しました。Оリングも1個だけ。
(3/28/2003update)この前後バネ選択ではリヤのグリップ限界が低くなります。その後、リヤはコーナーでの踏ん張りとトラクション重視で「固める」方向に宗旨変えしました。最新セッティングはTipsのページで更新予定です
<11>バッテリーホルダー&背骨廃止

「Tips」(6)にも書いたとおり、 バッテリーホルダー、および上下シャシーを接続する「背骨」パーツは計30gもの重量になり、バカになりません。 ここは素直に取っ払ってグラステープ止めにしちゃいましょう。

RC始めて間もない方のために、ここでグラステープによるバッテリー止めの方法をおさらいしておきましょう。
まず最初に、左写真のように、適当な長さに切ったテープをシャシーに貼り付けておきます。
次に、バッテリーをセットし、奥の方からテープ止めします。このとき、どっちみちテープがたるみますから、 なるべくバッテリーを奥に寄せてテープが張りを持つように引っ張りながら貼るのがコツ。
外側のテープを張るときは、逆にバッテリーを外側に寄せ、内側のテープをピンと張っておいてから 十分に引っ張りながら貼ります。これでガタのない、キレイな留め方になるはずです。
<12>メカ積み

全景はこんな感じです。サーボはコンパクトでデジタルのフタバS9550、受信機は都合によりフタバFP-133F、 アンプはKO・VFS2000を使用。
<13>配線処理

通常、バッテリーコードはアッパーデッキの上を通すのが無難ですが、Evo3ではキット標準でも、 「背骨」の穴を利用してアッパーデッキ下を通すようになっています。背骨がなくったって、 シャフトにコードが当たらない限り、コードの位置は低いほうがいいわけで、作例では あえてアッパーデッキ下にコードを通してあります。もちろんシャフトとのクリアランスを考えながら、 コードの通し方を決めていますよ。コードは必要最小限の距離、かつ、上向きにハンダ付けにしておけば、 走行中にシャフトに擦れることもありません。
コードとアッパーデッキの位置関係はこんな感じ
上から見ると、バッテリー〜アンプ〜モーターへの配線の流れがお分かりいただけるでしょう。 モーターへの配線は、ワークスほど美しくないでしょうが、いろんなモーターに対応するのに、いちいち コード長を最適化して付け替えるのも面倒なので、長さは余裕を見てます。

ケーブル色もオールブラックに。 極性は、自分で分かってさえいれば用は足ります。本来、コードの色はなくてもいいわけで。
ちょっとしたことですが、アンプ側コネクターの角がアッパーデッキに当たります。気になるので ちょうどいい角度で安定するように角を落としました。配線がキツめだったのですが、これでちょうど良くなりましたしね。
バッテリーの+線は、アンプに対しては作動電源を供給しているだけです。 モーターとの接続を最短距離にしたうえで、途中から別に細い線をアンプに引いたほうが 性能的には良くなります。

しかし、作例ではあえてバッテリーからの線をいったんアンプまで引き、そこからモーター側へ返しています。 結果、本来の理想的な配線より3cmくらい余計なコード長を使っています。総延長20cmあるかないかという長さの電気抵抗を 考えたとき、3cmというのは大きいです。ただ、見た目としてコードの向きがバラバラになるとイヤなので、 今回は見た目重視で配線してみました。
<14>モーターとアンプのスイッチ

ちょうどいい場所があったので、とりあえずこの位置に設置してみました。 が、これではヒートシンクのフィンに当たり、ローマウントできないのでもうちょっと前に移したほうがヨカッタですね。

モーターは、414やTA-04よりもやや高い位置です。モーターホールよりもモーターカンが奥まっているでしょ? ハンダ付け端子が路面に擦らないのでこのくらいが丁度いいですよね。


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