(posted on July 4, 2006)
(updated on Aug 1, 2009)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F103GTシャーシキット(3)





F103GTでは、Tバーのフロント側は3mmワッシャーを介しての剛結式がキット指定です。 この指定はCカーで前例がありましたが、F10x系では初めてです。従来のF10x系はすべて 前後ともOリングを介した柔結式でした。厳密に言うとここをOリングにしてしまうのは キットの組み方に反するわけですが、optのソフトTバーはOリング2個止め式を前提で 取り説を書いてるわけですし、他のoptでボールコネクトセットも存在するわけですから、タミヤGPの現場では、 Oリング式にしたからといって、別にとやかく言われるようなことはありません(言われたら変です)。
リヤ側は従来どおりです。Oリングは「左右にガタが出ない範囲で、できるだけ緩く」が基本になります。 つぶれたりヤレたOリングではガタが出てきますので、マメに、とは言いませんが適当に交換しましょう。 具体的なサイクルは考えたことありませんが、100パックもしくは1〜2年おき、くらいでいいんじゃないでしょうか。 とか言って筆者のF103(F1)はここ数年ほとんど走らせてなかったんで、つい最近まで「8年モノ」のOリングを 使ってましたが・・・(苦笑)。保管状態(圧迫と磨耗)に問題がなければそのくらい経ってても全然支障ない、ってことで。


モーターポッド回りもとりあえず素組みの写真です。
キットには62200ジョンソン(=540J)が 付属していました。ラッキー!(笑)
F103GTのモーターポッド(ギヤボックス)は、先述のとおり、F103用optの車高調整式がキット標準で付いてきますので ある意味「お買い得」です。逆にコレがないとF103GTの場合は安定性を得るための「車軸上げ」が不足して 「ダメ車」の烙印を押されかねなかったので、同梱が不可避だったのかもですが・・・。

ご覧のとおり、左側のハブ回りは スペーサーとしてのアルミチューブ以外、何も保護するものがなく露出する構造ですので、左リヤタイヤを壁にヒットすると 簡単にシャフトが曲がってしまいます。車高調整式ギヤボックスの最大の難点です。車高調整によるステアリング特性変更の メリットが活きたLMシャシーでは人気化しましたが・・・。 金属シャフトはヘタに粘るので、どちらかというと潔く折れて分かりやすいカーボンシャフトのopt復活を個人的には切望。 まだちょっと時間がかかりそうですね。
キット標準のTバーは従来のF103と共通の通常のFRP製です。板厚はF101/102では1.5mm(公称&実測)でしたが、F103用標準品は 板厚1.55mm(実測)になってコシが強くなっています。これに対して、 op.169「フォーミュラ・ソフトTバーセット」(税別600円)は板厚1.3mm(実測)となっており、素材的にもガラス繊維分を減らして 樹脂が多い設定になっています。 しなやかでリヤグリップは稼げるんですが、モーターパワーが上がるとヨレの問題も出てくるので、善し悪しです。 セッティングパーツとしてどちらのTバーもあると良いと思います。ただ、540パワーではソフトTバーへの換装がお勧めです。 リヤグリップが圧倒的に増加して、他に何もしないと強固なアンダーステアに困るくらいです。 (そしたらさらにフロントグリップを増やすようセッティングすればいいんですけど・・・)
リヤのデフ側のハブ構造は、90年代初めの Cカーシャシーをモディファイしたもので、削り出しのアルミ合金製ハブと樹脂のハブ受けを除くデフ回りのパーツは、すべて CカーやF101/ F102と共通です。 過去のキットのレストアにも助かる、という意味では大変ありがたい設計です。

ただ、過去の設計資産を活用しようとしたため、デフ回りが多少ややこしい構造になってしまった点も否めません。 デフの調整には、ご覧のように、いちいちタイヤを外し、さらに3点止めのハブを外さないとできない構造です。

F1モデルのように、タイヤ交換するたびにデフ調整が必要になるのも面倒だったかも知れませんが、もともと スポンジタイヤのF1は、走行毎に左右のタイヤ径と車高・ギヤ比が目まぐるしく変わるものだったので、 左右タイヤのマメなローテーションは当たり前、ボールデフのチェックや微妙な調整はついでにやりましょう、てな按配で、 1パック毎にやっていたので、当時は特に問題を感じなかったのも事実です。


ハブの組付けにはスラストベアリングの代わりに1150シールドベアリングが採用され、 写真の皿バネとアルミスペーサーでデフプレートを加圧します。 スラスト方向の圧力(デフプレートを加圧する)は、皿バネを介してハブ内蔵の 1150ベアリングの内輪側に伝達されます。ベアリング内輪はデフジョイント&左輪デフハウジングと、 ベアリング外輪は右輪デフハウジングとそれぞれつながっているのでうまく差動する、というわけです。
構造図はこちら

一見すると、Cカー用ハブに酷似していますが、あちらは2点ネジ止め、こちらは3点止めです。

こちらがCカー用のハブ。

ツーリングホイール組み付け用のハブを取り払ってしまうと、ご覧の通り、まんまF-1用ハブです。ただし、 F103GTに使われているデフジョイントは「F101/2用」で、ギヤボックスはF103のものなので、 そのままF-1用のホイールを組み付けてしまうと、左右のトレッドが非対称になってしまいます。 デフジョイントとデフハウジングを全部F103用に交換すれば、この形でF103用のスポンジタイヤを履けます。

(8/1/2009update)F104用ホイール&タイヤであれば、全幅を10o詰めて190o規格のスポンジタイヤ仕様にできます。 その場合、フロント側は、サスアームからそっくりF104用のアッセンブリーに交換します(取り付け穴レベルで互換性あり。タイロッドは要調整)。
F103GTのキット標準スパー/ピニオンは、Cカーと同じく06モジュールの70T/14Tで、ギヤ比5.0を得ています。 DDシャシーとしては低すぎる気もしますが、タイヤ径がF1より1割強大きいうえ、車重も2割重いためです。 それでもツーリングカーよりヘタすると低い(減速比としては大きい)値ですから、もっと上げて使う余地は かなりあります。が、発熱が厳しくなるので要注意です。キット標準状態でさえ、3700HVパックでフルパック走ると、 樹脂製モーターマウントが柔らかくなってネジの締め付けが緩みやすくなるくらいですから。 ギヤ比を上げたり、バッテリーのスペックを上げて(特に4000以上とか)走る場合には、 アルミモーターマウントが必須です。




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