(posted on May 9, 2006)
(updated on Apr 18, 2015)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F103GTシャーシキット
(Item 58367、06年2月21日発送、定価1万2800円(税別))

1993年9月発売の「ロータス107Bフォード」(Item 58126)以来、
タミヤの後輪2駆(DD)・F1モデルの最終形として今なおDDフリークに愛され続けている
「F103」シャシーのコンポーネンツを流用、ツーリングカー用タイヤを装備して
185mm幅以上のツーリングカーボディを架装できるようにしたのが、F103GTです。
俗に言う「DDツーリングカー」のタミヤ版です。

DDツーリングカーシャシーとしては、2001年頃、ヨコモが先行して
4セル仕様で提案していましたが、F103GTではタミヤ独自の改良を盛り込み、
扱いにくさを極力排した、素直なクルマに仕上がっています。
ダイレクト駆動(DD)ならではの軽い車体と低重心を生かして、
四駆ツーリングにも引けを取らない走りと圧倒的なメンテナンス性の良さが特徴です。
DDツーリングの「お手軽スポーティー」な走りを、あなたも一緒に楽しみませんか?

タミヤのキット案内: F103GTシャーシキットクラージュLC70



ギヤ比一覧表RCTチューン'06クラージュLC70(RCTチューン'07)

05年11月のタミヤフェア2005 で突然に発表されたF103GT。ヨコモがやり切れなかったDDツーリングを タミヤが手がけるなんて、誰も予想してなかったと思うんですが、もともとタミヤには、「F103」という熟成された シャシーと根強いDDシャシーファンが存在し、「安い・速い・簡単」なDDオンロードモデルの復活が期待されていたことも確かです。 そこに、ちょうど運の巡り合わせで、F103やTA03の設計後にタミヤを離れていた設計者の有村氏が タミヤに復帰。「再デビュー作」として白羽の矢が立ったのが、F103のDD・GT化プロジェクトだったようです。
果たせるかな、F103GTの反響はメーカー側の見込みを大きく上回ったようです。関東エリアでは、 90年代前半のF1ブーム期にF103をヤリ込んだ後、ツーリングカーブームでRCから遠ざかったDD・F1ファンが 多数存在していたようで、06年の静岡ホビーショーの1ヶ月以上前から軒並み関東圏内のショップで在庫が切れてしまいました。 春からボチボチ始めようと考えていた後発ユーザーが慌ててバラパーツからスクラッチを試みるようなケースも。現状では カスタマーサービス扱いのパーツが多く、バラからスクラッチするのはかなり面倒&割高なので、パーツ取りも兼ねて 当初から複数セットを購入していたユーザーも多かったようです。「ホビーショー後」の6月以降はさすがに供給が再開して 落ち着いたようですが、今後もボディバリエーションの拡大でユーザー層は一段と広がりそうなので、 当面、ニューモデル(といってもクラージュしかないけど)は出たら即押えておいたほうが良さげです。


特に、06年の静岡ホビーショーで 発表され、大いに期待されているのが、 「クラージュLC70」 (8/23発送予定)。 「チーム郷」からのエントリーで 06年のル・マンを走ったクルマですが、いわゆるプロトタイプボディなので見るからに重心が低く、よく走りそうです。 ボディの性能差が圧倒的に出そうなので、従来のツーリングボディとはカテゴリーを別にしたほうが良さそうですが、 そのあたりの取り扱いも含めて、今後ますますF103GTの「出番」が増えるといいですね!

何だかんだ言っても、全体の構成としては、 「F1用のF103のFRPシャシー版フルopt仕様にツーリングタイヤを履かせた仕様」 に見えます。op.258(フロントリンクサス)、op.257(車高調整ギヤボックス)、op.186
(アッパーデッキ)、 op.247(調整式ダンパーポスト)などが最初から盛り込まれているためです(op.273のリヤボールサスマウントは不採用)。 初期のF103から比べると、かなり「お徳感」のある内容ではあります。フルベアリング仕様だし。 これでアルミモーターマウントが標準装備だったら文句ないんですが・・・。

ただ、実際のところは、かなりのパーツ(特に金物)が新設計されており、 先ほども書いたように「従来のF103からのコンバートは考えないほうがいい」です。 このあたりは、spやopのバラパーツから1台組めてしまった(むしろそのほうが余計なゴミパーツが出なくて良かった) かつてのF103系とは大きく違う点です。

現状ではほとんどのパーツがムダなく使えてしまうので、とりあえず 様子見として走らせる限りでは、op.113の
インナースポンジ、ソフトTバー、アルミモーターマウント以外の optは買わなくて良いです。インナースポンジとソフトTバーさえあれば、リヤグリップ不足に悩むことは まずないので、誰でもそこそこ良く走るクルマは組めるハズ。それが「F103GT」の狙いでもあるわけですし。

ところで、F1/LM仕様のF103との相違点は、

 1)メインシャシー形状(バンパー回りの互換性なし)
 2)バンパー(F103GTはTA05/Evo4と共通)
 3)フロントアップライト&ハブ
 4)リヤの左右ハブとデフ回り(樹脂&金属)
 5)ボディマウント
 6)以上に絡む細かなスペーサー部品やビス類

などです。
侮れないのは6)です。フロントの4mmアルミ皿ビス
と、ボディマウントを共締めする アッパーデッキのリヤ側2本の3mm皿ビスは「F103GT専用サイズ」になっています。見た目は既存のビスから転用 できそうですが実際には不可です。それなのにキットには1本もスペアが付いていないので、 現状ではカスタマーから入手するしかありません。特に、フロントのアルミビスは路面と擦れたりネジ頭をナメたりで 交換頻度が高めなので、ぜひspでバラ売りして欲しいところです。

また、スペーサーも要注意です。リヤ側はまだしも、フロント側は、従来のF103用のリンクタイプサス(op.258)には 使われていなかった新設計のスペーサーを挟んでアッパーアームの取り付け位置をカサ上げしており、その関係で、 キングピンの上下にも2mm厚の3mmスペーサーが挿入されています。また、従来のF1ではバンパー部品が埋めていた空間を 埋めるために、フロント側の4mm皿ビスの貫通部分にスペーサーカラーも追加されています。
このうち、キングピンのスペーサーは汎用のパーツでも 間に合うんですが、4mm皿ビス貫通部に挿入するスペーサーカラーを過去のF1用バンパーから切り出して 代用するのは無駄なように思います。そもそも、捨ててもいいような過去のF1バンパーを持ってればいいですが、 新たに入手するのは大変ですしね。 また、アッパーアームをカサ上げするスペーサーは専用品なので、現状ではキットを買うか、カスタマーから 取り寄せないと入手できません。1つのパーツさえあればいい、というわけではなく、すべて揃わないとダメなので、 せめて1台は素直にキットを買っておくのがいい、という判断に傾くわけです。
F103GTに付属の4mmボールアジャスターの成型色は黒なので、いつものようにわざわざ 染める必要がないのは 個人的にはチョー嬉しいです。

従来のF103だと、アップライトも黒く染めていましたが、F103GT用のアップライトやリヤのホイールハブも黒の成型色で 統一されています。あとはサーボセーバーが黒くなってくれればサイコーなんですが(笑)
アップライトにはトレールが付いており、公称ではホイールベースが3mm短縮されて「257mm」ということになっています・・・が、 この値は鵜呑みにしていいものか・・・。従来のF103の公称値「260mm」が正しければ、計算上は「あり得ない」値だからです。 従来は5mmシャフトの中心をキングピンが貫通する(トレールなしの)設計で260mmでしたが、 F103GTでは、アクスルシャフトと干渉しない形でキングピンが通っているので、実際のホイールベースは 4mm以上短縮されているはずなのです。アクスルシャフトとキングピンのオフセット量が3mmしかないなら、シャフトの半径は2.5mmでキングピンは1.5mmですから、確実に 1mm以上の干渉を起こします。なので、もし本当にホイールベースが257mmなのであれば、メインシャーシのフロントサスアームとメカデッキの取り合いが F103(F1)よりも2mm程度詰まっていないといけないんですが。どうだったかな? 変わってなかったと思うんですが・・・(要確認)。
190mmボディが収まるように、シャシー全幅は182mm(公称)と従来のF103(200mm)から9%も削られていますが、 ホイールベースも短くなリ、タイヤグリップもそんなに高くないので、バランスがうまく取れています。 ヘタにトレッドを拡大してしまうと、意外に、走行特性に大きく響きますので要注意です。 (詳しくは後述)。

なお、F103GTにも使われているリンクタイプサスのキャスター角ですが、 「クラージュLC70」のキット説明では、「3度」だそうです。これまで気にかけたことはありませんでしたが、覚えておくと参考になるかも。恐らく、F-1仕様のF101〜102や、F103の固定式サスアームのキャスター角設定も同じでしょう。
アップライト内側の「耳」というか「リブ」の部分は、切り取ってはいけません。 アップライトを内側に巻き込んでしまうのを防ぐストッパーの役割があるからです。ただし、フルにステアを切った際に アッパーアームの裏側と若干、擦れるので、新品だと引っ掛かりを生じます(具体的な状態は「RCTチューン」のページを参照)。 角をカッターで少し削いでおくと良いと思います。
キングピン部分のスペーサーは、 キット標準のスーパースリックとMナロータイヤとのコンバートによって生じるタイヤ径の差異(約2mm)を吸収するのに 重要な役割を持ちます。タイヤサイズを変更した場合は忘れずにこのスペーサーも入れ替えましょう。でないとテキメンに シャシーを擦ってしまいますよ〜。







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