(posted on Aug 1, 2005)
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メルセデス・ベンツC11 (3)





ギヤ比表

ここからは、1998年8月15日に渋谷トップサーキットで開催された、Cカー/F103LMによる「6時間耐久レース」で実際に 6時間を走ったマシンをご紹介します。6時間耐久、とは言いますがその中身は歴代タミヤ世界戦チャンプ複数名を含むそうそうたるメンバー が我らがRCTチームともう1チームに分かれて「4時間経過」時点まで、わずか10秒以内の「同一周回」でトップを争う、という 超絶ガチンコバトルでした。もちろんスティントやピットワークの時間管理、ラップタイム予想、タイヤやモーターの磨耗管理なども 事前に入念にチェックし、事前のレース計画と寸分違わぬ正確さでレースを遂行していったわけです。 レース最後の1時間前、規定に従っての「ライト点灯」で トラブルが発生するまでは・・・。結局、ライトが点かないトラブルで後退し、リザルトとしては2位に留まりました。残念!
実は今回、「ベンツC11」として紹介したシャシーは、この98年の耐久の後にスペースの都合で分解・保管されていたものを 03年以降のモデラーズギャラリーで再販されたボディと組み合わせて「復活」させたものなのです。このページの一連の写真は、 C11としての「復活」前に、98年当時の面影を撮影しておこうと「仮組み」した際に撮影したもので、順序としては1〜2ページ目の 写真を撮る前の姿、ということになります。

大きな違いは主にダンパー&Tバー回りで、(1)F103用ノーマルTバーを採用してリヤグリップ強化、 (2)過度のロールを規制するデバイスとして「トリプルダンパー」仕様へ改造、(3)クイックバッテリーチェンジャーの追加、 というあたりです。ただしギヤケースは当時のものではなく、今回の仮組みの際に、デッドストックになっていたクロス製のF103用車高調整式ギヤボックスに交換しています。また、トリプルダンパーは組んでいません。
Tバーの変更&トリプルダンパーは、ローカル規定の中でレース用として限界まで性能アップを目指すために必要な変更だったものですが、 やはりオリジナルのキットとは似ても似つかぬ仕様になってしまいますから、キット紹介としては不適切、ということで、写真撮影の後、通常の Cカー用Tバーに戻したわけです。

このTバーは6時間耐久で使った個体そのものです。「耐久」の激しさを生々しく伝えています。実はこのレースで使ったボディは サードパーティーのSpeed Maxというところから出ていたニッサンR390もどきの200mm幅ボディだったのですが、意外に割れやすく、 エキスパートドライバー連中が極力クラッシュを避けながら走ったにもかかわらず、レース終了時には見る影もなくボロボロになって しまい、速攻でゴミ箱行きとなってしまったのでした(苦笑)。
F103のTバーは、前側を基準とし、後ろ側に3mm穴を開け直して皿モミ加工(8mmドリルでOK)してしまえば簡単に流用できます。 皿ビス周辺部の強度は? と心配される方には「コレで6時間連続走行をノートラブルでした」と申し上げておけば文句ないでしょう。
F103用optソフトTバーの廃品利用で追加したクイックチェンジャー。

実はソフトTバーを使わないと、シナリがキツ過ぎてダメなんです。「F103のソフトTバー」がキモなんです。
使っているパーツ自体は、F1用のノーズ用ボディマウントとソフトTバーだけなので至って簡単。位置合わせして必要な3mm穴を ドリルで開けられさえすれば、誰でもマネできます。耐久性も実証済みですから超お薦めです。ただ、マネする場合は Tバーの左右をもう少し太く、中央部をもう少し細くして全体的にもう少しシナったほうがベターです。



F103のギヤボックスにはフリクションプレート用の取り付けビス穴がダンパーピボット左右に2個あります。ここにピロボールをネジ込み、さらに 左右のボディマウント穴からポストを立てて、スーパーローフリクションダンパーで左右のロール規制用ダンパーを設置したわけです。 しかし、実際に使ってみると、バネ長やバネレート設定のスイートスポットが狭く、ピンポイントのセットアップを要しました。一見すると非常に合理的な 設計でありながら1/12オンロードレーサーでごく限られた採用実績しかない理由が分かった気がします。
ボディに合わせてショートホイールベース仕様(260mm)としたフロントサブシャシー。というか、 「曲がるクルマ」を狙って260mmホイールベースにしたくてボディを選んだんですけど。
フロントにF103用のプルアクションタイプのキングピンを装着したのはこの当時からです。ローカルルールでOK、ってことで。 バネは車重に合わせて黒(ハード)をチョイス。
写真では見えにくいですが、ステアリングリンケージが樹脂製のアッパークロスメンバーと干渉するのでクロスメンバーの下(裏)側を エグってクリアランスを確保しています。強度的に問題が出るほど削ってしまうとNGですが、特に破損などの経験はありません。 Cカーの樹脂パーツは押しなべて丈夫なので、フロントサスアームを除けば「ほとんど一生モノ」でスペアを確保する必要はほとんどありません。
バスタブにはサーボケーブルをすっきり配線するために穴を
フロントグリップを確保するためにアッパークロスメンバーの補強をカットして柔らかくセットしています。 Cカー現役当時から流行っていた「お約束」チューニングです。

サーボセーバーはキット指定と異なり、舵角確保のため大型タイプを使用し、さらにバンプステアによる初期反応を積極的に得るため サーボ上面からリンケージを取り回しています。このためアッパークロスメンバーと干渉したわけです。
コレが先述のクロス製F103用車高調整式ギヤボックス。タミヤ純正とほぼ同じ作りですが、タミヤから純正が出る1年以上前から 出ていたのでつい買ってしまいました。タミグラしか出ないので使い道ないこと分かってたんですけどネ・・・。
ついでなので、当時の渋谷トップサーキットで流行っていた「超軽量化」の加熱ぶりを伺い知ることができそうな画像をもうひとつ。

F103に使おうと思って筆者が「開発」を終えていたF103用ノーマルギヤボックス超軽量仕様です。もったいなくて結局実戦投入しなかった シロモノなんですけどー(笑)。リューターでシコシコ、結構、手間かかりましたけど、当時は今のようにゴテゴテしたツーリングカーとは 比べ物にならないほどシンプルなDDシャシーの時代、他にやることなかったのでまぁ構わなかったんですよね。
ここまで強度を落としてしまうと、さすがに耐久では使えないので、耐久用としてはまったく肉抜きしていないギヤケースを使ったはずですが、 当時のF1は540規定で争うレースが主流でしたので、その程度のパワーには結構使えたはずです。実戦投入しないまま「終戦」を迎え現役引退したので 真偽のほどは分かりませんが・・・。




このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています