(posted on Apr 7, 2006)
(updated on Aug 28, 2007)
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ポルシェ956/トヨタトムス84C(4)
レーシングマスターMr.5〜Mk.7




さて最後に、ここまでご紹介してきた未走行のスケルトンシャシーとは別に、 実走可能な状態にレストアした個体も簡単にご紹介しておきます。

このシャシーのホイールベースやトレッドは、1980年代初頭から世界的なベストセラーの座にあった アソシエイテッド社製「RC12」シリーズとほぼ共通なので(というかIFMAR/JMRCA規則で縛られている)、 ボディ探しはその気になれば結構簡単です。最近のトゥエルブのボディは、「重心下げ」が先鋭化してきて、 やたら低いボディになってきていますから難しいかも知れませんが・・・。

ここでは、手元に長らく余っていた、1996年当時の売れ筋ボディのひとつ、プロトフォーム社製「ニッサンP35」 (一応GTPマシンだったはずですが良く分かりません)を引っ張り出してきて、「当時風(フェラーリ風味)」にペイント してみました。タイヤが新品状態なのでライドハイトが高いのはご愛嬌。ホントはもっと「ペタペタ」なんですけどね。 走れば自然に車高が下がりますから、ってことで(笑)。
ポルシェ956と比べると、ポルシェのロングテールが良く分かります。

ニッサンP35+アソシRC12LCは1996年のIFMAR1/12オンロード世界戦で広坂正美選手(ヨコモ)がチャンピオンを獲得した 栄光のコンビですが、ポルシェ956からすると「10年後」のボディということになります。 10年間の1/12ボディデザインの変遷? が垣間見られる写真です。 よりワイドに、よりオーバーハングを短く、より低重心に、別体ウイングはルールで禁止に、低ミュー路面での高速安定性重視から ハイグリップ路面での低速からの全域でのバランス重視の空力設計に、など・・・。
トムス84C同様、956にもドライバー人形が付属していて、ちゃんと塗ればカッコいいんですが、 今回は時間の都合で割愛しました。カタログ写真などではついぞ気が付かず、今回塗装して初めて気付いたんですが、 そういえば956って「ライト部品がない!」んですよね。ちょっとガッカリ。モデラーには腕の振るい所かもですが。 改めてカタログ写真を見てみると、ロスマンズ(Mk.5)のライトは無塗装、ニューマン(Mk.7)は黒塗り、となっていました。 あちゃー(苦笑)。

プロトフォームのボディには当然ながら?人形なんて付いてきませんので悪しからず。
実走可能状態に仕上げたシャシー。
走行用にと中古で入手した、ほぼ新品状態の個体をメカ積み直し&整備しました。
1984年当時のスピコン(2サーボ)仕様にしようかとも思ったのですが、 とりあえず、無難にアンプ仕様でまとめてみました。このほうが速いですしね。
サーボは、取り説ではアッパーデッキにナイロンストラップ止め(!)となっているのですが、 よりコンベンショナルな方式として、ロワデッキに両面テープ止めとしています。 これに伴って、タイロッドの取り回しもキット指定とは逆向きにしています(アップライト側のピロボールの向きも含め)。

細かい話ですがアッパーデッキのビス止めにはワッシャーを噛ませてビス穴を保護しています。ついでにチタンビス化も
サーボは「この程度の走行速度なら大丈夫だろ」と思って入門用のフタバS3003をチョイスしましたが、 これは全然ダメでした。やっぱり遅すぎました。というわけで少なくとも0.15sec以上の速度のサーボが 欲しいです・・・。できればミニサーボ。


メインシャシーのネジれよりも重心を重視して、取り説に逆行?してメカ類は全てメインシャシーに両面テープ止めしました。

ホントはタイヤのハイトは写真の半分〜1/3程度がいいんですが、どうせ走れば減るし、当時のタイヤに適したタイヤセッターもないし、 車高を下げるとギヤも石噛みしやすくなるので、とりあえず新品状態のままです。
上写真とはクルマの向きが逆ですが、前からサーボ、受信機、アンプの順に搭載。

アンテナホルダーは、手元にあったTRF414用の樹脂削り出し製ホルダーで、コンベンショナルなアンテナパイプ仕立てにしています。 シャシーがFRPなので導電性はないので、余ったアンテナ線はアッパーデッキに巻きつけてお茶を濁してます(苦笑)。
このシャシーで意外に破損しやすい樹脂パーツが、この上下シャシープレートをつなぐ ブリッジマウント部品(正式名は「サポートステー」)です。 上下のネジ穴から割れが発生します。筆者が入手した中古シャシーでは 4個のうち3個が割れていました。補修用パーツは入手が困難なので、 どうしようかと考えたのですが、TRF415のサブフレームを固定するためのマウントが ちょうどいいサイズだったので、これを調達して流用しました。このほか、モデギャラで見かける TR-15T用のアルミビームも使えそうです。
ボディマウントは、F103LM用のポルシェ911GT1やアウディのスペアボディセット(TS020はダメ)に付いてくる マウント部品を流用したら、ちょうどいい高さでした。マウント高15mm、全長22mmのものです。 左写真はop.394「F103LM カーボンアッパーデッキ(1500円)」に同梱の同等品の例です。

なお、取り付けには京商からスペアパーツ売りされている3x15mm程度の ホーロービスでボディマウントとブリッジマウントを共締めするといいです。
415用ブリッジマウントには長いのと短いのの2種類あるんですが、筆者はたまたま、長いほうを買ってしまい、 シャシーのフロント側にスペーサーを追加して高さの帳尻合わせをしています。

動態保存用ということでモーターは控えめに540SH。でも車重900g程度の1/12スケール車にはかなりのパワーです。 実際に走ってみたあとに撮影したので、ギヤが汚れています。

ちなみに、Mk.5〜7用のギヤは当時一般的だった06モジュールで、ピニオンは現行の06ピニオン各種が使えます。 スパーはMk.3/4(トルネード/フォードC100)と共通のsp.173「デフギヤー(中)セット」 が適合するようです。レストア時のご参考に。
アンプは「出番」がなく4年くらい眠っていた、サンワの「スーパーボルテックス308」を搭載。 非常にデカくて重い(確か約60gくらい)アンプなんですが、モノとしては非常に良いモノで、今でも十分、 スポーツ走行には使えるのですが、やはりもう「歴史上のアンプ」なので、ヒストリックカーに載せて楽しむのがいいかな、と。 ホントは同時代のマシン(1998年前後だったかな?)に載せてやるといいんですが・・・。

バッテリーは90年代のDD・F1と同じ流儀で、グラステープ止めを前提に、ストラップは撤去。さすがにメカプレートは グラステープが止めやすいように形状変更しようにもちょっと困難なので手をつけていませんが・・・。
写真撮影に先立つサーキット走行では、ステアリングサーボが遅すぎて危ないので、走り込みも早々に切り上げてしまいました。 キット標準のスポンジタイヤのグリップも、予想はしていましたが極めて悪かったですし、 シャシーの路面追従性も今のDDシャシーから比べるとかなりプアーな感じで(ハネまくり)、 かなり腰を据えて取り組まないと満足に走れないな、というインプレでした。

手っ取り早い対策としては、タイヤを交換するのが一番。現行の1/12用タイヤもいいんですが、グリップ剤の塗布が前提なので サーキットによっては不適当です。グリップ剤がなくてもしっかり食うタミヤのF1用ブチルソフトなんかが 入手も容易で性能も確かなのでいいと思っています。タイヤ削りが難儀ですけど・・・。 それにしても、トムスシャシーをもってしてもリヤのロードホールディングが悪いので、このへんは大改造が必要そうです・・・ とか言って、今さらそこまで手をつける気はないんですが(笑)。
黎明期から1/12オンロードに親しんできた筆者にとっては、小さくて軽く、構造も簡単で安くて良く走る(ちゃんと設計されてれば)、 ダイレクト駆動の1/12オンロードこそが「RCカーの基本」なので、 いつの日か、手軽に楽しめる1/12オンロードシャシーをプロデュースして広く楽しんでもらえたらなぁと画策しています。 ガレージキットを作るだけならアソシのコンポーネンツなどを流用すれば割と簡単なんですが、それだけじゃあ、 RCTとして手がける意味がまったくないので、もっと大きな仕掛けができるようになるまでは 「構想」に留めておきます。でも、書いておかないと同志も募れませんので、この場をお借りして「決意表明」しておく次第です。

そのうち、忘れた頃に「RCT謹製・1/12DDカー」とか出てきたら、「あ〜、何かそんなこと読んだナ〜」と思い出していただければ 嬉しいです。その時はどうぞよろしく!!
・・・とか言いながら、ぶっちゃけ、一番手っ取り早いのは、タミヤが956を復刻してくれるコトなんですけどね〜。 出ないかな〜復刻956。トヨタとタイアップして84Cとか。ほとんど期待できないですけどね・・・。ま、 単なる「偏屈マニアのボヤキ」ってことで流しといてください・・・。




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