(posted on May 19, 2005)
(updated on Jun 14, 2005)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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Ferrari 312T3 (3)





ギヤ比表

現役のときは、もっぱらノーマルのギヤケースばかり使っていました。非常に丈夫で、発売時から 5年程度使い続けて、破損で交換したことは1度もなかったくらいです。ただ、312T3ボディを載せることになった 時点で、ゴムタイヤの使用も念頭に置くため、あえてoptの車高調整式ギヤボックスに交換しました。 パーツの発売当初に購入して軽量化の加工を施していたのですが、全然出番がないままにデッドストックになってたのが 312T3の復刻で日の目を見た格好です。

この車高調整式ギヤケースは、特にゴムタイヤ装着時の回頭性アップに絶大な威力があるんですが、 スポンジタイヤにはあまりご利益がありませんでした。シャフト左側がアルミ管による補強しかなくて 「クラッシュするとシャフトごと折れる」という痛い弱点があるので、LMシャシーはともかく、スポンジタイヤ全盛の 現役時にはあんまり使いたくなかった、というのが本音です。
なお、写真に写っているモーターヒートシンクはイーグル製ですが、自分で特別に黒アルマイト加工に出し直したものです。 とにかく徹底して「真っ黒」にしたかったので。また、リヤのボディマウントは、LMボディのポルシェ911GT1に同梱のアルミマウント の流用です。復刻版キットでも確か同じパーツを使っていたはずです。

スパー/ピニオンはお約束のoptの04モジュールを使用。ギヤ比はスパー93Tピニオン27Tの3.444です。 540モーターで150m超級のロングコースなら最低でもこの程度のギヤ比は欲しいです。車重とタイヤ径にもよりますけど。 ちなみにスポンジタイヤの場合、タイヤ径は前54mm±1mm、リヤ55mmが一般的なベスト径です。フロントは53mmを割り込むと シャシーが擦れてシャシーアンダーが出始めますので注意しましょう。リヤは50mmくらいまで大丈夫。
ところでF103のデフハウジングには、初期型と後期型があります。初期型は左の写真のとおり、補強リブが入ってないプレーンな形状のものです。 見た目はスッキリしてたんですが、デフプレートを押さえる部分が弱く、寸法精度も甘くなる形状だったので、デフの動作がゴリゴリで、 非常に不評でした。F101/2のデフのほうが良かったので、サイズが共通なモーターマウント側のハウジングだけをF101/2用から転用する人も いたくらいです。で、後にリブで補強されて出し直されました。 それが上の写真のタイプで、これでようやくF103のデフはマトモになったのでした。発売後2年くらいかかったと思います。
さてここで、デフの写真ついでに「デフプレートの水研ぎ」について解説しておきましょう。

デフプレートの水研ぎははDDシャシー使いの「お約束」です。 DDシャシーは軽量ゆえ、「スルスルなのに滑らないデフ」を作ることが走りに直結します。ちょっとでも動作が渋いと てきめんにRのキツいコーナーでアンダーステアが出てしまいます。少しでも理想の走りに近づくためには、 「デフプレートの水研ぎ」はやれば必ず報われる作業です。入門者の方にまで無理強いはしませんが、耐水ペーパーさえあれば簡単ですし、 失敗しても(たぶんしないけど)、安いパーツですから気が楽です。一度やってみることを強くお奨めします。
方法は至って簡単。写真のとおり、ハブにプレートを装着して、洗面台とか平らで濡れていい所に、 プラモデルの水研ぎにも使う1000番前後の耐水ペーパーを置いて磨くだけ。ペーパーの目詰まり対策として、 石鹸か何かをちょっとペーパーに付けておくと完璧です。ピカピカになるまで磨きましょう。

もちろん、面出しをするわけですから磨く場所はできるだけ平滑なほうがいいです。 セッティングプレートなんかもいいですね。 また、プレスの方向の関係でデフプレートには表裏がありますが、磨けば表も裏も使えます。ただしどちらかというと平滑性は 「表」のほうがベターです。また、気持ちの問題ですけど、表なら表、裏なら裏と2枚とも面を揃えて使うといいでしょう。
写真では、右側の研磨済みの方がいわゆる「表」になります。プレスのエッジが丸くなっている側です。ただ、別にこの「裏表」は 誰が決めたという話ではなくて、あくまで便宜上「何となく」です。また、一般にはプレスの抜き型が当たらない「表」のほうが平滑性が 高い、とされていますが、型の精度によっては、実はプレス機に打たれる「裏」のほうが、面が出ている可能性もあります。 デフプレートの表面粗さを測定した話は聞いたことがないので、一度「噂の真相」についてはきちんと検証してみたいですね。

なお、 組み上がって調整が済んだボールデフの動作状況をmpeg1ビデオとして用意しておきましたのでご確認ください。「音」にも注目!
デフユニットは3mmイモネジ1本緩めるだけで簡単に外せます。そうすると、車高調整式ギヤケースの様子が良く分かりますよね。 写真のカムを交換したり、上下入れ替えると、車高が簡単に変わるわけです。 写真では最大値の「2mm」のパーツで車軸を最大に下げ(車高は上げ)た状態です。 ゴムタイヤ(ファイバーモールド等)を使用する場合はこの設定がお奨めです。 リヤをもっと安定させたければ車軸を上げ(車高は下げ)るといいでしょう。

ドライブシャフトはoptのカーボン製です。ノーマルの28gからわずか7gへと劇的な軽量化ができます。ただ、02年に生産終了して店頭在庫も払底してしまったので、RCTでレプリカ製作を企画し、オリジナルアイテムとして 「RCTバザー」で頒布中です。 Cカーにも使えますし耐久性も抜群です。価格的にもリーズナブルな設定を実現できましたので、もし良かったらお早めにお求めください。
さてここからはボディ編です。まずはフロントから。

ウイングは、初版と同様、バンパーに2mm丸ビスで止めます。この「2mmビス」というのが312T3の 泣かせ所で、簡単にビス部分が折損してしまいます。初版から改良してもらえれば良かったんですが・・・。

というわけで、筆者も早速、やってしまいました(笑)。
こういうのをいちいち新品に交換してたらキリがないので、一計を案じて 「両面テープ止め」にしてみました(写真手前に黒く見えるスポンジがソレです)。結構イケてます。 むしろ最初からビス止めにしなかったほうが良かったくらいです。テープは黒いブチルゴム製のタミヤの耐熱テープが いいと思います。テープ基材にコシがありますし、剥がすときもテープが残りませんしね。
さて次にリヤウイングです。実は翼端板がもともと「ビス1本止め」で、初版のアルミ板から復刻版では 軟質ポリカ?板にマテリアル変更されたため、簡単にヨレて垂れ下がってしまいます。

ちなみに作例では、翼端版の金属感を出すため、スケールモデル用にストックしてあったアルミ粘着シートを貼っています。 昔はこうするくらいしかテがなかったのですが、今なら「アルクラッドII」(輸入元はパワーズジャパン) といった良い塗料もありますから、塗装でも十分な仕上げが可能でしょう。
翼端版の「垂れ」対策として、筆者は写真のように「アルミメッシュテープで補強」しています。 ウイングの出っ張りに翼端版の穴が引っかかっていればいいので、これだけでも対策としては十分なようです。

翼端板は接合面が薄いので「接着」は適しません。補強については各自で工夫してみてください。
実はリヤウイングは「初版復刻版」と「改訂復刻版」の明確な相違点のひとつです。 写真は、「初版復刻版」のウイングパーツを「改訂復刻版」の方式で装着しています。 「初版復刻版」は催事向けの商品でしたので、プレス部品であったウイングステーと翼端板の復刻は行わず、 型紙のみ添付してアルミ板から購入者が自作する建前でした。でもそれじゃ面倒くさくてなかなか手も付きませんよね。 初版のレストアには好適なんですが、もともと312T3のウイングステーは小さくてヤワかったので、 なかなかにレアなアイテムのひとつです。オークションでも入手は絶望的に困難です。

そこで着目したのが「改訂復刻版」です。改訂版では、ウイングのマウント方法を変更し、既に生産中止していた F10x系のポリカウイング用樹脂ステーを再生産して、3mmタッピング皿ビス止めとしています。 皿ビスとしたのは、グロメットワッシャーを使って圧がかかる面を広げ、穴の割れを防ぐ意味だろうと思います。

裏から見るとこんな感じです。穴あけの位置決めが難しそうに思えますが、実は非常に簡単です。 既に、3mm穴を開けたい場所にケガキ線(というか、型からパーツを押し出すロッドの跡)がついているからです。 たまたま、ウイングステーの取り付け穴間隔や位置とドンピシャで、「跡」の真ん中に3mmドリルを立てればOKでした。
改訂復刻した際に、このウイングステーもカスタマーに在庫されましたので、まだ入手可能ではないかと思います。確か780円だったと思います。 定番スペアパーツの時は2種類のステーのセットで定価1000円したが、312T3には通常よく使う長いほうのみが同梱された関係でしょう、定番のセットより例外的におトクになってた、と記憶しています。

つまらない話ですが、写真のウイングは初版復刻版のモノで、型は初版のままなので、ウイング裏面が凸凹しています。そこで アルミスペーサーで浮かせています。初版に比べると、かなりリヤウイングのマウント位置が高くなっているはずですが、 写真で見る限りではさほど違和感はありません。取説表紙などの「本物」の写真と比べると全体的にかなり大柄な感じですけど。
初版復刻版のボディパーツは初版そのもので、F103用のボディマウント穴はありません。 さらに言うと、当然に初版シャシー用のマウント穴は生きています。ちなみに初版のボディマウントは、スケール感を損ねないように、 2mmビスの頭が3本、サイドポンツーン底部に顔を出すだけで、穴は非常に小さいです。特に何も加工しなくても ステッカーで隠れます。改訂版では初版シャシー用のボディマウント穴は塞がれました。

初版のボディをF103に積むのは少々面倒です。ボディマウント穴位置が決まってないので。まずはクリアボディで、 塗る前に穴を開けておくことをお奨めします。クリアボディで穴が決まれば、プラボディに被せて穴をケガくのは簡単でしょう。 また、改訂復刻版のボディには最初からクリア/プラボディともに穴開け加工が施されていますから、 今から買うなら改訂版のほうが簡単です。
リヤのボディマウントはこのへんに穴位置が来ます。キャッチピンを挿すには少々苦しい場所ですが、仕方ありません。 穴開けの参考にしてください。ただしあくまでクリアボディの例であって、プラボディは穴位置が若干ズレます。
前のページで示したとおり、フロントのボディサイドは、本来のカットラインよりもかなり深く切り取らないと フロントタイヤに干渉して、コーナリング中の挙動を乱す原因になります。特に、ゴムタイヤの場合は影響が大きいはずです。 スポンジタイヤだと、触る場所が勝手に削れるんでいいんですけど。

フロントサスアームも結構ボディに干渉するので、カッコ良く低くボディをマウントしようとすると、 かなりフロント部分をカットしなければなりません。しかし、実はコレって結果的にはかなりリアルな仕上がりになるので 悪くないかなぁ、なんていう気もします。ただ、この時代のポリカボディは、タミヤに限らず板厚が厚くて硬いのでカットが大変です。トホホ・・・。
都合によりプラボディ製作のページを割愛したので、ボディ塗装の際の「ロールバー付近の白い部分の塗り方」についてひと言。 キットでは、一応ステッカーで仕上げられるように白い部分が用意されているんですが、サイドポンツーンやノーズはともかく、 ロールバー周辺はステッカー仕上げは事実上ムリです。まず間違いなくステッカーが浮いてきます。実はステッカーにも、塗装を前提とした 赤い線やイタリア国旗色だけがクリアステッカーで用意されているので、できれば「塗り」で仕上げたいところです。

この際のTipsとして、もともとのステッカーを「マスキングとして利用する」ことをお奨めします。 継ぎ目はマスキングゾルなどで埋めるといいでしょう。特にプラボディは、先に下地として白を吹き、白いステッカーで ロールバー付近をマスキングしてから赤を吹けば、完璧です。

312T3はクリアボディを使えば6セルパックが使え、最新ボディのF103と 互角に走ることは、昨年のNRCスタジアムのイベントでも実証済みです。このページの公開を機に、もっとたくさんのDDカーフリークや オールドF1フリークがDD・F1シャシーの魅力を再発見し、コースに繰り出されることを願っています!!




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