(posted on Jan 31, 2009)
(updated on Feb 2, 2009)
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DF-03Ra・RCTチューン(3)





ステアリングサーボにはフタバの最新型ブラシレス、BLS-451を使用。 初期応答の立ち上がりに優れ、表面上のスペック(確か0.11sec/60度)こそパッとしませんが、 そこはフタバ品質、実際には最速の応答性を示してくれます。昔からフタバのサーボはサンワやKOより 厳しめのスペックを表記しているので、使ってみないとホントのところは分からないのです。 BLS-451のおかげで、操作の遅れが最小限に抑えられ、クルマとの一体感が強まり、 非常に運転がラクになります。サーボは高くても速いものを使うほうが絶対上達しますよ!
DF-03の特徴的な長大なサーボロッド。
長いんですけど、シャシーのピッチング剛性が高いので、ピッチングの影響でスッテアリングがフラれることはありません。 サーボの取り付け剛性も非常に高く、直進安定性はバツグンです。 問題があるとすればサーボロッドが重いこと、なんですが、optのアルミ製にすればそれも解決です。
アンプは使い古しのVFS-2000(とは言ってもFETの品質管理を厳しくしたリミテッド版)を転用。 いったい何台のクルマをハシゴしてるんだろこのアンプ(苦笑)。たぶんRCTの作例紹介で 一番、登場回数が多いんじゃなかろうか・・・。当時、すごく安かったから(実売1万7000円前後)、 ついつい、気軽に使い込んでしまうんですよね。

でも性能的に特に問題感じないんで、オッケーです! 練習量が少ないし発熱するような極端なモーターを ほとんど使わないので劣化が少ないのでしょう。使い回しなんでコードの取り回しなんかも 中途半端極まりないんですがご勘弁。
シャシー前側はシャシーの穴を活用してバッテリーをグラステープ止め。 リヤはリューターで細長い穴を自分で開けてテープを通しました
オンロードなので、ギヤカバーは取り外して軽量化。モーター冷却にもなるし。

スパー取り付け用のロックナットはアルミに交換して軽量化とレスポンス改善を狙います。 スパー/ピニオンは、DF-03Raで最もハイギヤードな75T/32T。 それでもギヤ比としては7.161なので「何じゃそりゃ」というくらい低い(大きい)です。 バギータイヤでも付けないと適正ギヤ比にならんのではないか?・・・そりゃそうですモトが バギーなんですもんね。 というわけでラリーブロックのような直径の大きいタイヤでないと本領発揮できないわけです。 さもなくばターン数の低いモーターでブン回すか。
23ターン以上のターン数の多いモーターで走るならばスパー/ピニオンは事実上75T/32T以外に 選択の余地ないです。「スピードチューン」とか言ってもっと小さいスパー出ないかな〜。
ただ、タミグラを無視するなら、TRF414とかのイモネジ止め式のスパーホルダーを付けて汎用スパーが 使えそうな構造ではあります。それならピニオンの制約もないしー。

ところで、このキット標準バネ、意外に柔らかいし線の巻きも 現在主流のop.440「オンロード仕様ハードスプリング」(いわゆるTA04バネ)と違うぞ〜? と思って 取り説を見返してみると、「部品番号9805826 コイルスプリング(2本)270円」だと。 これって実は、TA03系、ハマー系、M-04リヤ用と共通のバネです。つまりTA03用op.163 「オンロードスプリングセット」の黄色(ミディアム)と同じ?・・・ですねたぶん。 するってーとかな〜り柔らかい、です。
それでも今回のレースではリヤをもう1段柔らかくして 曲がる方向に持って行きたかったので、決勝では写真のとおりサスアーム側のピロボール位置を 内側に移してホイールレートを落としました。というか、こちらがキット指定位置なんですが、 フロントバネに固いのを投入したのに合わせてリヤも外側の穴を使って、予選ではホイールレートを 硬めに振っていたのです。で、それを元に戻したと。
今回は「リヤバネをノーマルで通す」のがひとつのコダわりだったので。


リヤのアッパーアームもキット標準とは組み方を変えたポイントです。フロントと同様、 キット標準よりもかなり車高を下げたので必要になった措置です。
具体的には、シャシー側の取り付け位置を上側(キット標準は下) にしてロールセンターおよびロール剛性を上げ、さらにアップライト側のピロポール位置も一番外側にして アッパーアームのロングスパン化でキャンバー変化が少なくなるようにセットしています。というか、 キット標準の設定だと、前後のサスアームの設定がまるでチグハグな感じがしたので。 特にリヤのアッパーアームが短かすぎるんじゃないかと。

ただ、アッパーアームのアップライト側取り付け位置を一番外側に持っていくと、 そのままではフルバンプ時にアッパーアームがアップライトの角に当たり、 最悪の場合、アッパーアームが「脱臼」してしまうので、 アップライトは内側の穴の部分を切り落としています。 ついでに言うと、アッパーアームと当たる角の部分も、斜めに削ぎ落としています。
なお、このリヤアップライトのピロボールも、アップライト素材が柔らかいせいか、 取り付けの強度が少々不安です。気になる人は、瞬間接着剤をほんのり垂らしてから ネジ込むと良いでしょう。作例では接着してませんが、とりあえず酷いクラッシュがなかったので、 今のところ大丈夫です。DF-03バギーとして組むなら接着したほうがいいでしょうねきっと。

取り付け位置の変更に伴い、リヤのアッパーアーム長もキットとは異なり、45.0mmです。 キット標準のとおりに組んでしまうと、恐らく40mmくらになっちゃうので、明らかにフロントより 短くなってしまうわけです。前後ロワアーム長の関係と整合性が取れていないことは明らかです。 ロアアームが前より後ろのほうが長いんだから、アッパーアームだって前より後ろが長くないと、 前後サスの軌跡が摩訶不思議というか、何じゃそりゃ!状態になっちまいます。
リヤのジョイントカップは、スペーサーとして赤のウレタンブッシュを挿入。これはキット指定どおり・・・ ではなく、筆者の調整結果です。キット指定の「白いウレタンブッシュの半分カット」だと、ちょっと ガバガバになるはずで、まぁフロントと違って問題になる可能性は低いんですが、なんとなくカッコ悪い ので。・・・え、そもそも「ドッグボーン」がイケってない、って!? この状態でAメインにネジ込む心意気を 買って欲しいナァ〜・・・。

ジョイントカップ&ドッグボーンの潤滑は、特に今回はやっていません。ヘタなものを塗ると、 カーペットならゴミが、ダートなら砂が付くのでロクなことがありませんから。
潤滑ついでに、ギヤについては今回は、各種キットやXBモデルで定番のタミヤ「セラミックグリス」を 使用しました。セラミックグリスは侮れない潤滑性を誇りますが、やはり「ネチャネチャ」してますので、 フッ素コート系と比べれば、多少の抵抗ロスは避けられません。効率よりはライフを重視しての選択、 とご理解ください。走る場所がROXですからね。掛川やタミヤサーキットじゃないですから。 写真では金属ギヤの削れカスで受け側のプラギヤが黒ずんでいますが、 フレッシュなセラミックグリスはもちろん白色です。

そうそう、セラミックグリスは最近モデルチェンジして「セラグリスHG」となりました。中身も粒子が一段と細かくなった そうです。値上げったって、もともとが確か300円と激しく安かったんで、 480円でも十分安い!20数年ぶりにリニューアルというのは ずいぶん長かったな〜、と思います。それでも自分はまだチューブ1本も使いきってないんスけどー(笑)。
バンパーはTT-01と共通の形状でした。なので作例ではセコく中古のTT-01用を流用しようとしました。そしてここで発見。 オリジナルのTT-01用とは微妙にスポンジの抜き型が違っていたのです。 左写真でバンパーホルダーが貫通する穴の真下あたりの、カドの部分がそれです。TT-01ではここが出っ張っていたのですが、DF-03Raでは 真っ直ぐにカットされています。写真では筆者がTT-01用を手でテキトーにカットしたのでカット跡が良く分かるでしょう。たぶんTT-01用も今後はそのような形状のバンパースポンジに変更になるのでしょう。
理由は簡単、ステアリングを切った際に、このカドの部分がタイヤ径の大きいラリーブロックタイヤと干渉するためです。TA01/02用バンパーとハマー用のバンパー形状が違うのと同じ。

取り付け穴位置・形状がTT-01用と共通なので、optの各種TT-01用バンパースポンジが使えます。 お奨めはTT-01D用のショートスポンジです。軽く仕上がりますから。 作例ではボディ保護も考えてこのようなスポンジを使ってますけどね。
話は変わって、「軽量ボディ」を見分けるための印が入るようになっていたことを今回ようやく 発見したので書いておきます(遅いって)。

ノーマルのボディは1mm厚のポリカ板で抜いています。まずはこれが基本。 もともとは軽量との区別方法はありませんでしたが、2007年頃から、このように標準厚ボディにも「1」の刻印が 入るようになったようです。
で、2004年までは0.7mm厚板による軽量ボディが生産されていました。 ただ、これだと薄すぎてノーマルと圧倒的な差がついてしまい、 タミグラ的に「持ってる人勝ち」が問題になってしまいました。 この行き過ぎた商売っ気の反省が現在のGTジャパンの公平を重んじたボディ規定の背景にもなっています。 また、0.7mm材は薄すぎて、ボディの形状によっては成型時の不良品が出やすく商品化しにくかったこともあったようです。
そんなわけで、2005年以降に発売された(NSX2004など以降)軽量ボディはすべて0.8mm厚で作られるようになって現在に至っています。 そもそも、2006年シーズンにはいわゆる「軽量」のopt設定自体が一時ストップしました。 で、07年以降に出てきた「軽量」には、左写真のような「08」の刻印が打たれるようになったと。これは今回、気がついて 過去のボディセット在庫を見返してみたら、07年発売のRX-7軽量やNSX'05軽量なんかでもそうなってました。 でも、それ以前のシトロエン・クサラあたりの塗り完軽量ボディとかにはそのような刻印はなかったですし。 04年までの0.7mm厚ボディにも区別はなかったです、ということで。どーでもいいようなトリビアでした。
DF-03Raの組み立てにはほとんど問題はなかったのですが、ほぼ唯一にしてかなり致命的なトラブルがコレ。 全体的にグラス混入ナイロンパーツのネジ穴が緩い傾向があったのですが、ステアワイパーは最悪でした。 なんと、タップがまるで立たないのです!穴が広すぎて

写真ではちゃんとネジが引っかかってる「ように見える」のですが、実際にはまったく穴の内側にネジ山は切れていません。 かろうじてバリで引っかかってるだけ。これじゃあ組みあがらんYo!来週はレースだYo!と途方に暮れていたところ、 「兎の工作室」 でおなじみのNiC(にっし〜)師匠から「DF-03のピロボールは瞬接止めがお約束でス」と教えられ、 タイヤ用の瞬接を軽く塗布して締め込んだところ、ガッチリ固着して問題解決!ありがとう〜NiC!!
DF-03のナイロンパーツは柔らかく、瞬接止めしないと、衝撃で すぐピロボールがモゲそうです。皆さんも困ったら思い出してくださいね。
それから、これもつまらないTipsですが、ごく基本的な話で、 バルクヘッドカバーの締め付けは、「一杯から半回転〜1回転戻し」にとどめておきましょう! そうしないとベアリングを圧迫して回転が渋くなってしまいます。

以前、TA01/02やマンタレイ/トップフォースの中古を集めていたとき、 バルクヘッドカバーが力任せにネジ込まれて、ネジ穴がメリ込んでいる例が あまりに多くて驚きました。ネジの圧力だけでカバーの防塵をしようとでも 思っておられたのでしょうか。カバーが変形するほど締め込んだら、余計に防塵性が悪化しますが。 バルクヘッドカバーはストレスメンバー(シャシー剛性を担う部品) じゃないので、ギューギューに締めるものではないです。防塵は別の方法で、 例えば、自分が良くやるのは接合面にシリコンオイルを塗布して目止めする方法ですが、 そういう形で無理なく効果的に実現できるものです。DF-03Raでダート走行するユーザーさんは ぜひ参考にしてください。
今回はoptウイングOKだったのでop.604レーシングウイングセット(800円)を利用
ダンパーはキット標準のCVAをそのまま使いました。個人的にはタミグラにはこれで十分だと思ってますし。

ただ今回は、昔なら気にならなかったダンパー動作時のダイヤフラムの「ベコベコ」がちょっと気になったので、 「ひと工夫」でTRFダンパーに付属のウレタンスポンジを追加してみました。ダンパーの動き始めのダイヤフラムの 「ベコベコ」が緩和されました。もちろんパッツン効果(ダイヤフラムの反発力を上げてダンパーの戻りを速くする)も多少はありますが、パッツン効果を狙うならOリングを入れたほうが いいので、今回はあくまでも「ベコベコ」緩和が狙いです。ちゃんと機能すればダンパーの初期の動きが改善されたはず・・・なんですが、 実際のところは良く分かりません(笑)
今回のレースでの「秘密兵器」が、このフェラーリFXX用4mmオフセットホイール。 通常の2mmオフセットに比べて、車幅が左右で2mmずつ計4mm広がるので、よりスクエアなディメンションになり、曲がるクルマになります。 また、リヤのみに使えばリヤが踏ん張ってアンダーステア、フロントのみに使えば逆にオーバーステア、というような セッティングパーツとしても使えます。1セットしか用意しなかったので予選2回目と決勝しか投入しませんでしたが、 走りは狙い通り、なかなか良かったです。
2mmオフセットホイールとの違いを実際に装着した状態で比較してみたのがこちら。 ポピュラーな5本スポークホイールとの比較です。
4mmオフセットホイールだと、5mmハブ(スペーサーなし)との組み合わせでほとんどインプレッサ'07ボディとツライチです。 ・・・6mmスペーサー+2mmオフセットホイール+1mmスペーサーでも同じ位置関係になるはずですが、 ホイールナットの余裕が違うかな。
リヤもこのくらい(5mmハブ+1mmスペーサー、ないし6mmハブ)が限度です。写真では見えませんが、 リヤバンパー付近のホイールアーチが接触ギリギリまで近寄っていますし、サスがストロークすると フェンダーにも擦るか擦らないか、というところです。6mmオフセットホイールは さすがに不適合でしょう、たぶん。

いかがでしたか?
防塵性もバツグン、オンロードもオフロードも速くてバギー譲りの丈夫さも持つDF-03Raは、 TT-01からのステップアップに好適です。そのうち飽きたらサスアームだけ換えれば 簡単にダークインパクトにも変身できちゃいますから、いろいろ楽しめると思います。 実車WRCがスバル、スズキの撤退などで冬の時代を迎えているだけに、せめてRCのラリークラスくらいは、 これからも大勢でアツく盛り上がりたいですネ!





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