(posted on Dec 12, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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ウルトラホーネット(2)





ダンパーは、ツーリングカーで使わなくなったCVA(II)ミニですが、インナースペーサーは全部外しています。 まぁ、コレくらいストロークがあれば十分です。ピストン&オイルは超テキトーに3穴400番の設定です。

肝心のバネは、実はTA02のラリーカー用のバネ(=部品番号9805484 パジェロ用リヤコイルスプリング) が硬さ的にドンピシャです。DT-01(ルーキーラビット系)用のバネとか、 M-04用フロントバネとかだと、ちょっと柔らか過ぎてフロントのリバウンド量が増え過ぎです。 TA02ラリー用だと、0G荷重からちょうど数mm沈んだところで落ち着きます。リヤのバネが適切なら、 走行時のロールも自然で実にイイ感じ。
ちなみに作例のバネは、当時、催事限定で販売された蛍光カラーものですが、バネレートは TA02ラリー用と同じです。TA01のラリー仕様(要するに最初のセリカ)はTA01/02オンロード用と共通で バネが硬過ぎるので不適です。



ダンパー下側の取り付けは、ホーネットのノーマル状態のまんまでOK。バネ交換を頻繁にやるようなクルマじゃないので、特に問題はないでしょ







フルバンプ時はこんな具合です

アップライトの取り付けは、当作例のハイライトのひとつ。我ながら「ざぶとん1枚くれ〜!」級の 「王様のアイデア」を繰り出してみました。ドウですか!?

大径タイヤの採用と車高下げの矛盾を解決するには、アクスルの基本的なポジションを上に移動しなければなりません。 ちょうど都合の良いことに、グラスホッパー系のフロントナックルは第2世代F1シャシーからの流用、つまり現在も 一部で現役として走っているF103(DD-F1シャシー)用と共通のアップライトです。・・・ということは、 各種の3mmステンレスサスシャフトが使えます。
両端をEリングで止める方式のサスシャフトは、 90年代のバギーやツーリングカーで幅広く使われ、今でもトップフォースの再販などでカスタマー在庫は十分あるはずです。 もちろん流通在庫として店頭で売られているのを見ている人も多いでしょう。安くてメンテが楽になるお買い得optだったので、 オークションで中古車両を買っても、たいてい入っているはずです。今回の使い方だと、基本的には「大は小を兼ねる」 というノリが通じますので、短いのを買うよりは、op.301「TL-01ステンレスサスシャフトセット」に入っている48.5mm長のような、 長めのものが良いと思います。40mm未満だと長さが足りなくなるので、 「安価で在庫も多いTL-01用にスペーサー追加で調整」がお勧めです。 スペーサーはダンパー用インナースペーサーにワッシャーやシムを追加すればOK。

サスピン適合表はこちらで提供しています (「シャシー研究室」トップページからリンクされてます)。
無加工でもそれなりに走りますが、スポーツ走行には舵角不足なので、「もうひと切れ」を得るためにアップライトがダンパーピボットと 干渉する部分を削ります、の図。コレで走りが見違えるように変わってしまうのは、3次元CAD導入前(1999〜2000年以前) に設計されたタミヤのキットに共通の「お約束」。
舵角が増える、ということは、サーボホーンの動作角も増える、ということ(送信機側で調整できるなら)なので、 サーボロッドも干渉します。この部分の削りも忘れずに・・・。



作例では、前後ともスーパーファイターG(DT-02)のタイヤ・ホイールセットを 転用しています。そうすると問題はリヤホイールの装着です。今なら、op.913「マイティフロッグ(2005) アルミ・ホイールアダプター」(本体価格700円)なんていうモノがありますから、コレを使えば素直に六角ハブ仕様のホイールがポン付けできます。
では、昔はどうしていたか? というと、80年代の大昔にはユージ・プロダクトあたりからop.913の原型になったようなアダプタが出ていたような記憶があります。

そして90年代に入ってからメジャーになったのが写真の樹脂製アダプタ。コレはHPI製のビッグフット(トラギー)モデル「RS-4MT」用ホイールの付属品で、同ホイールを買えばもれなく付いてきます(ホイールはデザインや色、オフセット量の違いで数種類あります。今でも現行商品のはずです)。もともとは4駆シャシー用なので、フロント用、リヤ用という区別がなかったはずで、そのせいでご丁寧にも同梱アダプターには他社製2駆シャシー用のフロント用ハブまで付いてきます! このハブが欲しくてホイールを買う人も結構いらしたのではないかと思います。自分は後で「取っておいてヨカッタ〜」というクチですが・・・。
タミヤ製ホイールと組み合わせる場合は、アダプタ先端部のパイプ状の出っ張りを切り落とすといいです。 出っ張りがあるままだと、ホイール装着時にロックナットが深くネジ込めず、ナットが緩みやすくなります。 実用上の支障はあまりないですが・・・。

ダンパー変更の狙いは2点。 1)ピボット位置変更によるギヤボックスユニットのジャッキアップ現象緩和、 2)optバネが導入できる体制の確保、です。

ダンパーは、現在のTRFダンパーの前身であるスーパーローフリクションダンパー(限定ブラック (実際はガンメタですが))。ダンパーエンドの干渉を避けるため、TA03で使用するロングタイプのダンパーエンドを使い、 さらに通常の組み付け方とは天地を逆にしています。インナースペーサーは入れてません。
シャシー側のピロボールは2箇所設定。1つはオリジナルのダンパーマウント位置に通常の5mmピロボールをネジ込み。 もう1つはダンパー/ボディマウントをメインシャシーに固定するネジ穴を利用して、固定ネジをタッピングから JISネジ(長さは現物合わせで15〜20mm程度) に変更してピロボールナットで締結。作例では車高設定やバネレート的なバランスを考慮してピロナット側をチョイス。
ギヤボックス側のダンパーピボット設定は、試行錯誤の末、写真の位置に決定しました。 オリジナルのダンパーエンドを止める金具用のネジ穴に5mmピロボールをネジ込んでいます。写真左側に見える5mmピロボールは比較検討用に装着したものですが、この位置はかえってダメです。

この比較検討でようやく確認できたのですが、実は、タミヤ・グラホ系のローリングリジッドシャシーがバタバタと ジャッキアップする最大の原因は、この「ダンパー配置」にあると。つまり、ギヤボックス側のダンパーエンドが アクスルシャフトの「外側」にレイアウトされ、「ダンパー」と「メインシャシー側のローリング機構」で アクスル全体をを「両側から吊っている」構造に問題があるわけです。
後年のDT-01(ルーキーラビット)系では、ロール軸の固定機構が追加されたため、 ダンパーのリバウンドストロークをゼロにすればジャッキアップは生じません(実際には、バギーでリバウンドなしのダンパー というのはあり得ないのでジャッキアップは不可避ですが)。 しかし、元祖グラホ系シャシー、特にローリング機構のついたホーネットでは、 駆動トルクがかかったときに、ダンパーバネよりもローリング用のコイルバネのほうがはるかに柔らかいため、そっちに 反トルクが全部逃げてしまい、ローリング機構部分がアクセルをあおる都度「ピョコピョコ」とハネるミョ〜な挙動を示します。 駆動反力をトラクションに活かせないため、走り的にも良くありません。

これを防ぐため、従来の作例ではローリング機構をキャンセルしたりしていましたが、 これだとコーナーでリヤが踏ん張り過ぎてバランスがいかにも悪い、という感じでした。やはり少しは リヤにもロールが欲しいところです。
そこで考えたのが、「ダンパー側のバネを相対的に柔らかくして、ローリング機構側への反トルクの逃げを緩和する」 という対策。具体的には、ダンパーピボットを力点(=アクスルシャフト)に接近させる、ということ。ツーリングカーで、 ダンパー位置をシャシー内側に移すと、見かけ上のバネレートが落ちて足が柔らかくなるのと同じです。

この考えを突き詰めると、「アクスルシャフトの真上」がベストなわけですが、 そこにはモーターがあるし、FRPか何かでサブプレートを設ければまだやりようがありますが、 既存のパーツではチョット難しいと。 結果、妥協案として出てきたのが、このレイアウトです。
ギヤボックス側のダンパーピボットとアクスルシャフトの距離がオリジナルと比べて約半分に減ったので、 反動トルクがローリング機構用の バネに影響する度合いも計算上はほぼ半分に減り、その分、「ピョコピョコ感」が緩和される・・・はずでした。

しかし、この作例は見事に失敗!
問題は「バネ」でした。ツーリングカーの約2/3の重量しかないホーネットにツーリング用バネはどれもこれも「硬すぎ」だったのです。 とりあえずop.333 ツーリングカースプリング(ショート)の赤(ソフト)を入れてみましたが、まだ硬過ぎて全然サスが動作しない感じです。ストローク的にもちょっと不足気味です。このあたりを次の課題として、 その後、さらに実走を重ね、次ページの最終的な仕様に落ち着きました。ぜひ次ページもチェックしてくださいね。





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