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Re: TT-01・RCTチューン<タミヤGP編PART2(2)>を見て…。 [2004/05/09 (Sun) 01:12:49]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤]

sinさん問題提起ありがとうございます。

私は自作PCはやりませんけれども、他の熱伝導デバイス含め、放熱グリス自体の機能
(メリット・デメリット)は十分理解しているつもりですし、何よりもPCの組み立てではなく、
あくまでも「RC用モーターの放熱」という観点でその効用と適切な使い方の案を示して
いるわけですから、そのあたり、区別して考える必要があると思います。

sinさんの問題提起で私が重要だと感じた点は

 (1)熱伝導グリスを「厚塗り」するのは熱伝導を妨げ、逆効果である
 (2)熱伝導グリスがヒートシンクからはみ出すのはノイズ対策上問題があると思う

という点ですが、
以上の2点はRC用モーターの放熱に使う場合はまったく問題にならないと認識しています。

(1)についてですが、確かにCPUの冷却を考える場合はおっしゃるとおり。
ただし、考えていただきたいのは、CPUとヒートシンクは限りなく密着してるという点です。
これに対して、もともとRC用モーターのヒートシンクは、モーターカン表面から
「浮いて」います。TT-01/TB系ヒートシンクのようなリング型の場合、
「輪っかの端」の2点でモーターカンを挟み込む形で接しています。そう、厳密には
「点接触」であって、ヒートシンク面積のほとんど部分が空気でモーターカン表面から
「断熱」されているわけです。

だからこそ、この「すき間」をグリスで埋めてやる効用があり、また
もともと点接触している接触面は装着の際にモーターカン表面と擦れて、
余分なグリスはそぎ落とされますから、「厚塗り」を心配する余地がないのです。
(グリグリと擦り合わせれば、いくらでもグリスはそげ落ちますから)

理想的には、ヒートシンクとモーターカンの間の空気を、100%熱伝導グリスに置換するのが
求められるわけで、それを保証するには「はみ出るように塗る」ことが必要条件なわけです。
(もちろん、十分条件ではないので、ハミ出てさえいればいい、とは言いません。
 すき間に空気が残る可能性とその対策についての議論は別の機会に譲りましょう。)


(2)はみ出たグリスのノイズへの影響ですが、
電磁波関係は私の最苦手分野(笑)ですし、測定したこともないので厳密なところは
分かりませんが、
素朴な見方として、グリスが付着しているモーターカンはアースされてるわけですから、
そこにグリスがハミ出ても関係ないというか、ほとんど無視できるのではないでしょうか。
もともと、モーターカンにはノイズキラーコンデンサの+-両極が接続されて
アースになっていますよね。

モーターカンでのノイズ輻射が問題なら、そもそもあんなアンテナみたいにビロビロと
「ヒダ」を生やしたヒートシンクを装着するのは大バカだ、ということになりますが、
現実にはそんな話はありませんよね。
ノイズキラーが付いてないカーボンシャシー板や電線部分などのほうがよほど問題の程度は
大きいと思いますが、熱伝導グリスに直接関係する部分ではないはずです。
同様に、CPUの配線上にグリスが漏れるのともまったく次元の異なる話だと思います。
(ノイズの話としても、下記のショートの話としても)

もちろん、グリスがエンドベルやブラシに触れるのは別の意味でマズいですが、
導電性のものを塗布する際のショートへの配慮というのは、
あえて言うまでもない常識レベルではないかと・・・。
例示で挙げた写真でも、そこまでヒドいことを指示しているつもりはありません。