RCTバッテリー研究室BBS
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Re: バッテリーの転極 [2004/01/01 (Thu) 13:13:45]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤] [URL: http://www.rct.ne.jp/cgi-bin/lab/battery/bbs.cgi?read=1&refer=00001362]

ちょろぴーさん、フォローありがとうございます。

>ただ・・・アギトさんの書き込みは、もっと初心者的に・・・
>ダイオードランプが切れるタイプのお手軽放電器につなぎっぱなしだと
>転極ってすぐおこってしまうのか?と言う質問で・・・

ですよね。なので、既に
 即刻、補充電を! [2003/11/27 (Thu) 23:26:18]
http://www.rct.ne.jp/cgi-bin/lab/battery/bbs.cgi?read=1&refer=00001362
にズバリの回答が書いてあります。
ただ、このBBSはスレッドごと表示ができないので、上のカキコだけ読まれて
何がなんだかわからないと何ですから、スレ元を表示してみました。


ちょろぴーさんは、1週間つなげっぱなしでも大丈夫だったとのことですが、
それはバッテリーが新しくてセル同士の状態があまり違わなかったか、
ものすごくマッチドの精度が高かったか(恐らく文面上は前者)、
どっちかだと思います。普通は、1週間もつなげっぱなしにしていたら、
次に充電したときには、マトモな電圧よりはるか手前でピークカットされてしまったり
容量が大きく減ったりする可能性がきわめて高くなります。
言うまでもなく、内部のセルの1個か2個が転極して正常に機能しなくなるためです。
まだ電気が通じればいいほうで、最悪、まったく電圧表示されない、つまり
転極したセルが完全に不活性化、いわゆる「お亡くなり」になってしまうことすらあります。

6セル5.40V(単セル0.9V相当)未満まで放電するような、
いわゆる「深い放電」をかけた際のパック内の電圧分布については、
上に掲げたカキコのなかで、次のような説明をしています。

>パックバッテリーで、放電終えて数時間放置したあとで4.5Vなんて指してると、
>内部ではいくつかのセルが確実に転極しています。たぶん2本くらい。
>(例えば、1.2V+1.1V+1.15V-0.05V+1.1V-0.1V=4.4V、こんな感じです)

マッチドバッテリーを組みあげた場合のように、セル間の性能のバラつきがもっと少なければ、
 0.80V+0.90V+0.90V+0.90V+0.90V+0.00V=4.40V
といったこともあり得ます。
るんですが、実は1.1Vを切ったあたりからの電圧の下がり方は
文字通り「奈落の底」のようなズドンとした落ち方になりますから
実際には「0.6V」みたいな中途半端な電圧で止めることは非常に難しく、
安定して1Vくらいで収まるか、転極するか、どちらかに偏ってしまいます。
単セルならあり得るんですが、パックのような「組み電池」の場合、
前後のセルが相互に電力を融通しますから、
どこかのセルが犠牲に(転極する)なって、他のセルを生かす方向に傾きます。
(古いパックバッテリーをバラして、単セルの端子電圧を測りながら過放電後の経時変化を
 観察すると、 話がよく理解できると思います)
放電ギリギリの領域、というのは、ほんの50mA追い充してやるだけで端子電圧が
6セル合計で1〜2Vは変わる、そういう非常に微妙な領域ですから。

私自身は、バッテリーの単セル計測は1700SCRC〜2000RCまでの時代しかやってないので
2400以降のことは分かりません。
タミヤパック限定での話であれば、パックとしての容量や電圧のバラつき具合は1700も2400も
あまり変わらない印象でしたから、セル間のバラつきも似たようなものかな、と
勝手に思っていました。
ただ、3300HVが出たときには印象がガラリと変わりました。
「マッチド」と言っていいくらい非常にバラつきが少なくなっているので、
3300HVなら、従来より深い充電をしても問題は少ないかもしれません。
でも、決して、不必要な過放電は一般にはお勧めしたくないですね。