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Re: トリクル充電って [2003/12/04 (Thu) 02:02:25]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤]

トリクル充電とは、
主充電の完了後などに、端子電圧や電池温度の維持を目的に
チョロチョロと小電流で断続的な補充電を行うことです。
RC用バッテリーの充電では過充電につながりやすく、
セルの寿命短縮や性能低下を招くものとして嫌われることが多いです。
通常は要らない機能です。が、目的意識をもってわざとトリクルをかける場合も
ないわけではありません。例えば、セルの保温目的にトリクルかけるとか(寿命は犠牲に)。

これは即ち「追い充電」の一種なわけですが、
いわゆる通常の「追い充電」は、いったん充電を完全にカットして
バッテリーの端子電圧やセル温度を下げた後、改めてデルタピークが出るまで
充電し直す、というものです。これに対して、トリクル充電はデルタピークも出さず、
端子電圧も下げず、ただひたすら緩やかな過充電を延々と続けていく、というもの。
セルに良くないことはその原理からして明らかですからお勧めでないのです。

保安用の照明具などに仕込まれているバッテリーは、常に微小電流で充電されています。
こういうのがトリクル充電の典型的な例です。
こういった用途に使われているセルは、一般用とは異なり、過充電に強い特殊仕様です。
RC用は、大電流放電の特性を強化していますが、容量を追い込んでいる関係上、
過充電には強いとはいえません。

過充電に強くする、というのは、過充電により電解液の水分の電気分解が始まったときに
セル内部の正極側に発生した酸素ガスを、負極の水素急増合金に残っている余分の水素と
反応させ、水に戻すという安全機構を強化している、ということだと思われます。
つまり、正極と負極の活物質の分量が極端にアンバランス(負極のキャパが大きい)だと。
RC用では、とにかく容量が最優先ですが、あまり負極の活物質ばかりを詰め込んでしまって
正極側の活物質が少ないと、それだけ容量が減ることになりますから、過充電対策を
念入りにやると容量的には不利になるわけです。

過充電での安全性マージンを削れば、それだけ高性能なセルが作れることになります。
いわゆるロット違いの同銘柄の性能差の原因にはこのへんの事情もありそうですね。

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