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タミヤパックの特性グラフ [2002/09/06 (Fri) 21:30:09]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤] [URL: http://www.rct.ne.jp/contents/lab/battery/image/testgraph0209.gif]

かねてから懸案のひとつだった、各種タミヤパックの放電特性グラフを作ってみました。
とりあえず、現時点での暫定的なテスト結果として見ていただけたら幸いです。

ここ数年の知見を踏まえて、かなり妥当と思われるデータが取れるようになりましたが
統計処理を施せるようなサンプルデータを揃えるまでにはまだまだ至っていません。
空調、データ取りといった時間もカネもかかる割には、
あまりにも出てくる数字が不安定なので、再現性についてはまだまだ検証の余地があります。

バッテリーは消耗品だし、技術の進歩が早いので、過去の製品にコダわっていても
全く意味がありません。ですから、今後、新しい製品が出てくるたびに、ひとつづつ
問題点をクリアしながら、計測の精度を上げていきたいと考えています。

既に、2年位前からRCTとして決めていた測定基準(Turbo35使用、気温25度±5度、
Ni-cdは2C/Ni-MHは1Cで充電(フレックス6)、20A放電、放電カットオフ0.9V/cell、
充電ピーク検出値0.05V/cell<ただしNi-MHは0.02V>)
については、この間の幾度とないテスト計測や継続的な勉強を通じて、
概ね妥当なものであるという自信を深めることができました。
今後も、この測定基準はキープしていきたいと思います。

室温は25度±3度くらいまで狭めても良さそうですし、新たなパラメータとして
放電開始時と終了時のバッテリー温度も最近は記録するようにしていますが、
このへんの影響についてはもう少し知見が必要です。放電時のバッテリー温度は、
Ni-MHセルになって、大きく放電性能に影響するようになってきているので
今後とくに注意していきたいと思っています。

ところで、ご紹介したグラフでは、RC3000MHとRC2400SPがほぼ同じようなグラフに
なっていますが、このような場合、私がどっちを選ぶか? と言われたら、迷わず
「2400SP」と答えるでしょう。
Ni-cdとNi-MHは、大電流放電の特性が大きく違うからです。

以前にも書きましたが、Ni-cdはNi-MHよりもはるかに瞬間的な大電流を流すことができる
電池です。これは、私が最近、モーターダイノを簡単に携行できるよう、電源をあれこれ
試行錯誤していた際にはっきり分かりました。同じ14Aの安定化電源に対して、
RC3000MH×2の15Vを補助電源として並列に接続したところ、ダイノは計測開始の瞬間に
電流不足でエラーを10回中10回起こしたのに対し、RC2400SP×2を使用すると、
何の問題もなく計測できたのです。これは、初期の電圧の問題ではなくて、
電圧を維持できる持続力の問題で、Ni-MHのほうが化学反応の時間がかかるので
どうしても大放電をするとストンと電圧が落ちてしまい、計測エラーを起こすのです。

ひるがえって、放電特性のグラフを見ると、
このグラフは、あくまでも放電レート20A、という固定レートで放電した場合の特性であり、
50Aとか、60Aという実際のゼロ発進時にかかる電流値をシミュレートしたものでは
ありません。こういう極端に高負荷な局面では、圧倒的に2400SPが有利です。
近年は、キャパシタというモノで電圧補償してるじゃないか、と言われそうですが、
1万μFをつけたって2400SPと同等にはならない、というのが真実のようです。

このあたり、Turbo35の「35A」放電という伝家の宝刀を使って、限界的な放電特性の
テストをやってみると如実に現れそうですので、今後トライしたいと思っています。
ただ、これまでは、完全放電までの全データを取ることを第一義としていたため、
3000の35A放電というのは、熱の面であまりにも危険なため(ヘタすると100度近くになる)
セルの寿命も考え、踏み切れないでいました。
ただ、計測を最初の2〜3分で打ち切り、バッテリーが痛むような温度になる前に
計測を終了すれば、35A計測も可能ですし、それで狙っているデータは十分取れると
最近は考えるようになりました。

放電特性グラフは、あくまでもNi-cdはNi-cd同士で、Ni-MHはNi-MH同士で比べないと
誤った理解をしてしまう恐れがある、という点をどうぞご理解ください。

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